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ムサビとベムスターが好きだった叔父の物語  作者: 巳ノ星 壱果


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5話 私のためのコンサート

第五話 私のためのコンサート




ある日、にいちゃんは新幹線に乗って、我が家にやって来た。




「いっちゃん、見せたいものがあるんだ。」





なんだろうと思っていると、鞄の中をガサゴソ探しはじめる。


やけに大きな荷物が出てきて、頭の中にはてなが浮かんだ。





それは、ウクレレだった。



「にいちゃん、ウクレレデビューしたんだよ。だから、いっちゃんのために練習したんだ。」




自信満々に、目をきらきらさせながら言う。


私は、にいちゃんの演奏を聴くことにした。




「いっちゃん、もうすぐ誕生日だよね?」




そう。私の誕生日は、11月。



いったいどんな曲が始まるんだろう?

少しだけわくわくしながら耳を澄ませた。



にいちゃんが歌い出す。


「ハッピーバースデートゥーユー」


ポロン。


「ハッピーバースデートゥーユー」


ポロン。


「ハッピーバースデーディア、いっちゃーん」


ポロン。


「ハッピーバースデートゥーユー」


ポロン。






まさかの、最後の音だけだった。






コードも弾かず、伴奏もなく、ただ「ユー」のところだけ、律儀にポロンと鳴らす。


正直、うまくなかった。

デビューなんて言うから、もう少し上手いのかと思っていた。


思わず笑いそうになる。


でも、それが、私の好きなにいちゃんだった。


不器用で、まっすぐで、私のためだけに鳴らしてくれた音。




世界でいちばん、やさしい誕生日プレゼントだった。


挿絵(By みてみん)


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