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モブキャラに転生したと思ったら俺が主人公だった  作者: 絵山イオン
水の国では役立たず!?

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8/10

エリアス上陸


 ティニアが目覚め、フリード一行はエリアスに上陸した。

 ヴァルガンからの船は一か月ぶりだということで、フリードたちはエリアスの民に歓迎された。


「火の勇者さまだ!」

 

 エリアスの人がファイエンを指し、火の勇者だという。

 それを聞いたファイエンは複雑な表情を浮かべる。


「火の勇者は……、僕ではなくこちらのフリードです」


 ファイエンは事実を話す。

 心なしか、声に力がない。


「そうなのか?」

「そうよ! 火の勇者はフリードになったの!! よーく覚えときなさい」

「へえ、火の勇者って変わるんだな」

「……まあな」


 シャーリィが代わりに言う。

 納得したエリアスの人々は新しく火の勇者となったフリードをまじまじと見つめる。

 フリードは短く返事をし、その場をおさめる。


(火の勇者の話になると、ファイエンの表情が暗くなる)


 ファイエンはフリードの事を認めてくれているものの、民衆の反応の変化には心身が堪える様子。

 だが、他国では”火の勇者ファイエン”という認識が強く、これからも何度かこのやり取りは続くことになるだろう。

 旅を続ける間にファイエンの印象が変わって欲しいと、エリアスの民のやり取りでフリードは思った。


「まずは――」

「エリアスの国王に謁見を」

「病み上がりのティニアのために宿を」

「エリアスの様子を」


 フリードが次の行動について口にすると、ファイエン、シャーリィ、ティニアが別々の行動を口にする。

 ゲームの選択肢のように意見は三つにわかれた。

 三人はフリードをじっと見つめ、答えを待っている。


(えーっと)


 ゲームでもこういった選択肢はあった。

 キャラクターの好感度に直結するため、好きなキャラクターの意見に同意するのがセオリー。

 転生前のフリードはティニアの意見をよく採用していた。


(火の勇者の件といい、船上での戦いといい、ゲームのシナリオ通りに進んだ試しがない。これはゲームシステムを考慮しなくてもいいだろ)


 ゲームの世界なのだから、ゲームシステムもリンクしているのではないかとフリードは考えるも、これまでの経験からその考えを捨てる。

 効率やメリットなどを考えず、ここは自分がやりたいことを選択しよう。


「俺も船旅で疲れてるし、宿を――」


 シャーリィの意見を採用しようとしたその時。

 エリアスの民衆がざわつく。

 その中心には甲冑と鉄槍を装備した、エリアスの騎士たちがいた。

 彼らはファイエンを見つけると、深々と礼をする。


「火の勇者ファイエン殿、船旅ご苦労様です」

「えっと――」


 騎士たちも、エリアスの民同様、火の勇者はファイエンだと認識している。

 ファイエンは訂正しようと口を開くも、間もなく騎士の一人が用件を口にする。


「エリアス国王がお呼びです。我々と共に城へ来ていただけないでしょうか」


 フリードにきまずい表情を送るファイエン。

 エリアスの民がそうであれば、その国のトップである国王も同じ認識。

 フリードは気にするなと首を横に振った。


「悪いけど、火の勇者は俺だ」


 フリードは騎士たちに自分が火の勇者だと主張する。


「火の勇者が……、ファイエン様ではない?」

「騎士殿、彼、フリードが申していることは事実です」

「だが、勇者の力は一子相伝のはず……」


 ファイエンがフリードの主張が事実だと伝えるも、騎士たちは困惑していた。

 勇者の力は一子相伝。

 その事実がある限り、勇者が他の者に代わると言う話は信じがたい。


「国王にはその旨も伝えなければならないでしょう」

「そう……、ですね」

「いいよね、フリード」

「おう。王様に会いに行こう」


 フリードはエリアスの国王に会いにゆくことにした。

 騎士たちの案内の元、フリードとファイエンの歩は城へ向かう。


「ティニア!?」


 フリードについてゆく、ティニアの身体がふらつく。

 倒れる寸前にシャーリィが支える。


「……お姉さま、ありがとうございます」

「病み上がりのティニアをエリアス国王に会わせるのは無理よ」

「……」


 シャーリィがフリードに意見する。

 ティニアはシャーリィに支えられ、立っているのがやっとの状態。


(シャーリィの言う通り、体調の悪いティニアはベッドで横になったほうがいい)


 ティニアの状態から、シャーリィの主張は正しい。

 これは別行動になるだろうか。


「お連れの方のことでしたら、我らが手伝いましょう」


 フリードが悩んでいると、騎士の一人がシャーリィの手伝いを名乗り出た。

 騎士が一緒であれば、宿を探すのも容易い。

 ティニアを早く休ませることができるだろう。


「そう、じゃあよろしく」


 シャーリィはすぐにフリードと別行動をすると即決する。

 名乗り出た騎士と共に、街の中に消える。


「……」

「シャーリィは昔から決断が早いから」


 唖然としたフリードに、ファイエンがシャーリィについて一言述べる。


「行こう、フリード」

「おう」


 フリードとファイエンはエリアスの国王に謁見するため、城を目指す。

 エリアスは魔王の配下によってどんな被害を受けているのか、何故、ヴァルガンとの定期連絡が途絶えたのか、それらの事情がエリアス国王の話にて明らかになる。


(ゲームの内容と一緒だといいんだけど)


 フリードはシナリオが破綻していないかと不安な気持ちでいっぱいだった。 



次話は12/2(火)7:00に投稿します!

続きが気になる方はブックマークをしてお待ちください!!

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