第5話 これって冒険者ってやつ!?
「やっほー、みんなー!
最高神の松から前回の軽いあらすじをするね!
結論、無事に光は、ウィズとアレン、ポップちゃんと冒険者パーティーを結成できました。以上!
それじゃあ、本編へどうぞ!」
ーーーーー
「忘れてた…」
そう嘆くのは、アレン。
僕たちは、現在、僕の寮部屋にいる。
「まさか、自由生徒が冒険するには、冒険者パーティーに“最低1名以上、正規冒険者”が必要だったなんて」
そうなのである。
冒険者育成学園連盟規定により、冒険者パーティーを結成するのは自由だが、冒険するなら、申請書を出願しないといけない。
そして、承認されるには、正規冒険者が最低1名以上いなければならないというのがあるのだ。
理由としては、自由生徒とは言えど、生徒。
万が一、何かあった場合にプロが対処できるようにするためだ。
しかし…
「これに関しては、正規冒険者とかに報酬が入る訳でもないから、厳しいだろうね」
これは、正規冒険者にとっては、ボランティアなので、断る人が多い。
そのため、いきなり、パーティー結成ピンチなのである。
「うーん。どうしよ。何か良い案ない?ポップちゃん」
「(ムシャムシャ)うん?
えっとねー。特に案とかは思いつかないけど、ひとまずは何かしら行動してみたら?“案ずるより産むが易し”って言うし。
何かこの後、しないといけないこととかってある?」
「この後、しないといけないこと…。
寮部屋から出ること?
でも、そうなると宿を探さないといけないし…。お金かかるし…。」
「宿屋問題なら、僕たちで解決できるよ」
「…?どうやって?」
「私たちは、秘密基地を持っているの!
しかも、山を探検している時に発見したキレイな遺跡?みたいなやつを利用しているから、めっちゃキレイだよ!
しかも、ちゃんと市に申請して、私たちの所有物になっているから安全だよ!」
「そうなの?でも勝手なイメージでは、そういう遺跡は調査とかして保存するものだと思っていたよ」
「もちろん、一旦、調査してその後に渡された感じだから安心できるよ」
「なら、お言葉に甘えてもいい?」
「いいよ!」
「(ムシャムシャ)じゃあ、これで宿屋問題は解決だね」
「それじゃあ、一旦、秘密基地に荷物を移してから、正規冒険者の問題は考えるようにしようか」
「OK!いつ、向こうに移る?」
「うーん。色々と手続きとかがあるから、“三日後”がいいと思う」
「賛成!それじゃあ、三日後、学園の中央広場に集合で!」
「分かった。それじゃあ、また三日後に」
「うん。一旦バイバイ!ポップちゃんもお菓子用意してるから楽しみにしててね!」
「お菓子!?」
「落ち着いて、ポップちゃん」
こうして、僕達は一旦別れ、ポップちゃんからお菓子を守りつつ、手続きを済まして、無事に三日後を迎えた。
そういう訳で、中央広場で待っていると
「あっ、いた!」
そう言って、ウィズとアレンがやって来た。
「ごめんなさい。待たせしてしまって」
「ううん。今、来たばかりだから大丈夫だよ」
「それじゃあ、行こうか」
そうして、僕たちは、学園の正門を通り、学園のある空中島と地上を繋ぐロープウェイに乗って、地上に降りていく。
「確か、光くんはこの学園からでたことがないんだよね?」
「そうだよ」
ウィズとアレンには、僕が異世界から召喚されたことなどを話した。
最初、二人とも驚いていたけど、異世界の文化に興味津々で、アレンに至っては、ポップちゃんがつくった“異世界大百科”をずっと読んでいる。
「ここは、私の母国だから色々と案内できるから楽しみにしていてね!」
「もちろん!はじめての国だし!」
そうして、話していると
(ピーンポーン♪
まもなく、地上に到着します。
足元にご注意ください)
「アナウンスが流れたね」
「いや〜。楽しみだなぁ」
「なんで、ウィズがワクワクしてるの?
ここは、光がワクワクするところだと思うけど」
「別にいいじゃん!」
ガシャン!
という音がして、スタッフさんがロープウェイの扉をあけてくれた。
「皆様。お待たせしました。
足元にお気をつけてください」
そして、僕は足を一歩出す。
この地上に。この世界に!
「それじゃあ、ようこそ!
私の故郷、“ギルド連合王国”の首都:ロドンへ!」
そうして、僕たちは歩き出す。
ギルド連合王国。
第3王朝:ギルジャーマル朝が代々王位を継ぐ立憲君主制の国だ。
(ユウのちょっと解説→
立憲君主制とは、簡単に言えば、国王が憲法等によって、権力を制限されている政治体制を指します)
首都は、ロドン。
領土は、本国としてイギリス、アイルランドを治め、自治国として、カナダや南アフリカ共和国などがある。
うん?なんで、元の世界の国名がでてくるのか?
それは、この世界が魔法的要素を除けば、地球と同じ地形をしているからだ。
ポップちゃん曰く、この世界は、異世界ではなく、並行世界、パラレルワールドの一種だと説明していた。
そのため、ギルド連合王国は、さっき言った国を領土としている。
「わぁ〜!
いい匂い!なんかお菓子あるの?」
「建物もすごいね」
首都:ロドンは、写真でみたロンドンとほぼ一緒だ。歴史を感じさせられる建物がいくつもある。
そして、僕たちは現在、トラファルガー広場にいる。
「観光は後で、荷物や今後のことを整理するために、まずは秘密基地に向かう感じで大丈夫そう?」
「オーケー!」
「じゃあ、駅に行こっか」
そうして、僕たちは駅に行き、特急列車に乗って、スコットランドの山脈の中にある秘密基地に向かう。
特急列車は、高い金額がかかるけど、ウィズの実家が僕の分も含めて全額だしてくれた。気前が良すぎて、何かを狙っているようにしか思えない。
そうして、特急列車に乗っていると、フォトマにとあるニュースが流れてきた。
「ねぇ。これみて」
「うん?」
「二日前、デレック王国(※現在のデンマーク)のアレル王太子をギルジャーマル朝の王位継承順位第1位のユリネット王女自らロドンを案内したって」
「ブフッ!」
えっ?なんか急にウィズが紅茶を吐き出したんだけど…。えっ、何?
「ど、どうした?」
「(ケホケホ)ご、ごめん。紅茶が気管に入って」
「はぁ〜。大丈夫?お水飲む?」
「あ、ありがとう。アレンのやつ、もらうね」
「しょうがない。ほら、ハンカチで服を拭いて」
「ご、ごめん」
ちょっとしたアクシデントが起こったけど、数時間後、僕たちは無事にスウェットランド(※スコットランド)に着いた。
そして、駅を降りて、バスに乗り換え、秘密基地のある山の近くまでやって来た。
「うぅ。寒い…」
「そりゃあ、10月+山脈に囲まれているから寒いのはしょうがないよ」
「それじゃあ、ここからは山のルートを通るから足元には気をつk」
「モォォォー!」
「う、うん?何この音?」
「光くん、アレン。あ、あれ」
「あれって、ビキーフ!?」
(バウロスのちょこっと解説→
ビキーフは、牛型の魔物で、ものすごい速さでタックルしてきます。身体は筋肉によって、とても硬くなっていますが、身やミルクは大変美味で、食用としても扱われているため、魔物ランクはFです。
魔物ランクとは、そのままの意味で、魔物の危険度ランクのことを言います。F,E,D,C,B,A,Sまであり、Sよりも上のランクもありますが、それは追々解説していく予定です)
「な、なんで、こんなところにいるの!?」
「野生?それとも、脱走?」
「野生だろうね。
飼育されているのには、野生と区別するために耳のところに札をつけるように決められているから」
「とりあえず、突撃に備えたら?」
「広範囲一般防御魔法!」
僕は、ウィズ達を守るように広範囲に渡る防御魔法をはったが…
バリン!
という音がして、ビキーフの突進を防いだが、当たったと同時に崩壊した。
…やっぱり。
一般防御魔法は、あくまで、魔力によるものを防ぐのであって、物理的な攻撃には弱い。
もちろん、物理的防御魔法は扱えるが、広範囲に展開するのに慣れていない上、非常に重たく、向きを直ぐに変えられない弱点がある。
「体制を整えて、突進しようとしているね」
「やるしかないか」
「オーケー!アレン達は下がってて。
武器変形魔法」
そう唱えるとウィズの杖が巨大なハンマーに変化した。
このチェッレットヌーンは、ウィズが扱える数少ない上級魔法が一つで、杖を様々な武器に変形する魔法である。この火力でゴリ押すのがウィズの戦い方だ。
「突進してきた!」
「すぅ〜。とんでけぇー!」
ウィズが突進してきたビキーフを野球の球を打ち返すかのように跳ね飛ばした!
「モォォォォ!」
ビキーフは、空高くとんでいく。
「ギャァァァ!突然、下から、牛がぁぁぁ!
なんで、ナレーションルームにまで届くの!?前世、ゴリラ族!?」
「誰がゴリラじゃぁー!」
「なんで、ナレーションの声が聞こえているの?」
「それにしても、めっちゃ飛んだね。
ホームラン?」
こうして、無事にビキーフを倒して、再び歩き出そうとしていると
「お~い。その方。大丈夫ですか〜?」
「男の声?」
「なんか、聞いたことあるような…」
すると、ウィズ並のものすごい速さで、こちらに、オレンジ色の短髪でガタイのいい男の人が森から出てきた。
「多分、先程、そちらにビキーフが突進してきたような気が…、
って、ウィズ!久しぶりだな!」
「熱血先輩!お久しぶりです!
どうしてこんな山の中に?」
「あぁ。それは、作物を荒らすビキーフを退治してほしいっていう依頼を受けて、ここに来たんだが…、ビキーフはこっちに来たか?」
「来ましたが、ぶっ飛ばしました!」
「さすが、ウィズ。しっかりと、俺の教え、パワーが全てを解決するを忘れていないな!」
「はい!もちろんです!」
確信した。
この人のことは、知らないけど分かってしまった。この人もウィズと同じタイプだ。
しかも、ウィズのパワーに拍車をかけてしまった人だ。
「知り合い?」
「そうだよ!」
「自己紹介が遅れてすまない。
俺は、エンタ・ササキ。D級冒険者をやらせてもらっている。学園生徒時代は、熱血と呼ばれていた」
「僕は、自由生徒1年。星松 光。こちらが、ウィズと」
「自由生徒2年。アレン・ハントと言います」
「よろしく!」
そう言って、握手をしようとしたのだが、
「痛い!痛いです!強く握りすぎです!」
「あ、すまない。いつものクセで」
いつものクセ!?
一体、どんなことをしているの!?
「自由生徒か。懐かしいな。てことは、ウィズ達はパーティーを組んだのか?」
「そうなんです!でも、正規冒険者がいないので、冒険はできないのですけど…」
「じゃあ、俺が加わってもいいか?」
「「「いいんですか!?」」」
「もちろんだ!むしろ、冒険者になったのはいいが、誰もパーティーを組んでくれなくて、力はあったから、わずか1年でD級になったんだが、寂しくてな…」
(バウロスのちょこっと解説→
冒険者にもランクがあり、魔物ランクと同様、F〜S、それ以上のランクがあります)
「それじゃあ、よろしくお願いします!」
「あぁ!よろしく!」
「…」
「あ、安心しろ!今度はちゃんと手加減するから!」
そう言って、今度は優しく握手をする。
「これでやっと、寂しくなくなる!」
「良かったですね!」
こうして、秘密基地に向かう途中で、冒険者パーティー結成問題は解決したのだった。




