6 新たな発見
体育館に避難した俺たちだが、気になる点が残っていた。それは...千紘がテレポート能力を使ってきた事。あれはマジで二度と経験したくない...。
「お前ら聞いてくれ!やばい事が起こったんだ!」
体育館にいる全員が俺の方を見る。そして颯太が俺に言う。
「何があったんだ?」
「千紘が...!ワープしたんだ!」
俺と悠真以外の全員が頭を傾ける。それはそうだ...。俺にも理解が出来なかった。急に灰に包まれたと思ったら居なくなっていた。そして...攻撃された...。
「何を言ってるかわからないと思うが俺もわからない!」
「じゃあ話すなや」
「マジだ!本当にテレポートしたんだ!なにかの能力だ!」
「そーた、これはガチだよ...。僕も見た...。そしてその根拠になるノートも見たんだ...」
「じゃあノートは...?」
「あっ」
颯太の問いかけに悠真は俯いて答える。後悔してそうだな...俺が仲裁に入らないと...!
「置いてきました...」
「なにやってんだお前」
「責めないでくれ!悠真は俺を助けてくれたんだ!」
俺は颯太と悠真の仲裁に入る。颯太を見ると、『どうやって助けたんだ?』と不思議そうに俺と悠真を交互に見ている。
「ちなみにフラッシュバンで助けてもらった」
「え...?フラッシ...え?」
「いや僕のお父さん元陸上自衛隊で『護身用』って言われて渡されたんだよ」
「いや素人に持たすな」
悠真のお父さんって元自衛隊なの!?初耳だわ...。ていうかフラッシュバン持ってきちゃダメだろ...。だって手榴弾ではある...から...ねぇ...?
「お前終わったな」
俺は、颯太と話している悠真最後の言葉を告げる。
「正当防衛ですよ!?なんでですか!?」
「どんまい悠真...また会おう...」
「颯太まで...!なんで僕が消されるみたいになってんの!?」
まぁ結局どうでもいい...!この学校から脱出したいけど...したとしても優香と千紘がどうなるのか...?まさかあのまんまだったら...!くそ...!走りすぎてお腹すいた...!
「腹減ったしトイレも行きたい...」
「トイレは体育館にありますよ...?」
「誰かトイレ見張っといてくんね?颯太」
「誰かとか言いながら指名制!?まぁ行くけど...」
俺はトイレに行き、颯太はトイレの外で見張っている。お腹痛え...。俺は座りながら颯太に話しかける。
「颯太トイレ行かなくて大丈夫なの?」
「あーお前が出たらトイレ行くわ」
「交代みたいな感じか...」
続けて俺は話し続ける。
「お腹も空いてないのか...?」
「100%が満腹だとすると30%くらい...?」
「細かいな」
トイレから出た後、俺は手を洗いトイレから出る。
「颯太行ってきていいよ」
「待っとけよ!?絶対に!」
「待つから待つから」
そう言いながら颯太はトイレに入った。でも体育館は決して安全だとは思わなかった。なぜなら...
「玲央先輩...!やばいです!」