5 意外な逃走劇
「いてぇ...」
くっそ...本当に何か能力を持ってるのか...!?そういえば優花の時にもドアが吹っ飛ばされて...!
「やっぱり弱いね...」
「くっ...!」
悠真が腹を押さえながら倒れ込んで...!卑怯すぎる...!ここで悠真を死なせてたまるか...!
「玲央先輩これ...!」
「なんだこれ?」
「フラッシュバンです...!早く使ってください!使うときは見ないようにしてください!」
悠真に手渡された物を使うと視界が真っ白になる。
「なんだこれ!?視界が真っ白に!?」
「うわっ!?うるせぇし目がっ!」
「ム〇カみたいなこと言ってないで今のうちに...逃げましょう...!」
俺らは立ち上がり急いで理科室から抜け出した。走っている途中で俺は悠真からもらって千紘に使ったフラッシュバンとやらものを詳しく教えてもらった。
「悠真、フラッシュバンってなんだ?」
「正式名称は閃光手榴弾またはフラッシュバン、大音量や閃光を発する非致死性兵器です。相手をスタンさせる手榴弾といった方がわかりやすいですかね」
「銃刀法じゃないのそれ?」
「いや知らないです」
「じゃあ駄目じゃねぇか!」
「責任は擦り付けます」
「なんでだよ!とにかく颯太とかほかの奴らがいる体育館に避難するぞ!」
俺と悠真は千紘から逃れて体育館に行くことに成功した。幸い体育館に行くまでに千紘に追われなかったので、すぐに颯太や他生徒が避難してる体育館に行くことが出来た。
「悠真!玲央!無事か!?」
「そーたあああああああ!」
悠真が体育館に入りながら颯太の前に近づく。なぜか知らないが悠真はキレている。思い当たることはあるが...。
「そーた!嘘カウントダウンやめろ!」
だよなぁ...思い当たる節がそれしかないんだよな...。
「いややっぱその確認というか...すいませんでしたっ!」
悠真に向かって頭を下げる颯太...いやちがう...!土下座...!?めっちゃ反省してる...!いや他の人が悠真について行かなかったのが悪いだろ...俺めっちゃ特大ブーメランだけど...
「わかればよろしい」
「上から目線だなぁ...」
颯太が立ち上がる時、他の男子生徒が話始める。
「思ったんだけどさ...好きな人にキス出来るっていうか...されるから良いんじゃないの...?」
その瞬間、空気が変わった。体育館にいる男子全員が『確かに』と思ったのだ。ちなみに女子生徒は多分『なんでだよ』となってるはず...。そうではあるけど...目的は黒幕を見つけ元に戻すこと...!
「いやいやこの学校救えや」