4 合流期待
悠真はどこに行ったんだよ...!颯太に行ってくると頼んだんだが大丈夫だろうか...あいつの性格上、この問題が起こった原因を探しているはずだ...となれば...最初の...!俺は怯えつつも息をのんで決心し、最初に訪れた教室に向かった。
「悠真ここかー!?」
俺は不気味な理科室に入る。そこには...壁に迫られている悠真と異様に近づいている女子生徒がいた。
「玲央先輩...!」
俺の予想は当たっていたが...喜ぶ暇が無かった。理科室の奥で口が震え『助けて』と目で訴える悠真が見える。しかし、悠真に近づいている女子生徒がわからない。
「千紘先輩...やめてください...」
「千紘!?」
悠真のかすかな声に俺はすぐに飛び出す。千紘はもう感染していたはずだ...!
「僕らは、優花先輩と僕たちの同級生を千紘先輩達と探しに来ました」
「突然千紘が叫んだんだ」
やっぱりそうだ...!俺の記憶の限りあいつは感染してる...!しかしどうすればあいつの目を離すことが...試験管だ!俺は試験管を床に投げる。
「千紘...俺と勝負だ...!」
「邪魔が入ったわね...」
絶対に救ってやる! 俺は千紘に向かって走り出す。
「来ても無駄よ...」
「消えたっ!?」
突然俺の視界から消えた...?ありえない...。突然悠真がノートを見ながら口を開く。
「おかしい...どういうことなんだ...?」
「悠真、そのノートはどこから見つけたんだ?」
「理科室にありました。まだ1ページしかみていないんですよね...」
「じゃあ2ページ見てみないか?」
「いや待ってください...1ページのここ見てください...」
悠真がノートの右下を指さす。
「変異体が生まれる可能性がある?変異体ってなんだ?変態じゃなくて?」
「なにが変態なんすか」
「すまん」
「千紘先輩みたいな消える能力ってことじゃないですか?」
消える能力...?消える能力だったらテレポートとか透明化とか...?
「消える能力ってテレポートとか透明化じゃね?」
「そうですか...?でも自由にテレポートとか透明化できたら強すぎません?」
「俺がテレポートの能力もらって千紘で今の状況だったら俺らの背後にテレポートするよ」
「そっちの方が不意付けますしね...僕だったら逃げますよ?」
「こうやって話してる間に背後から来たりして?」
「冗談やめてくださいよ...」
俺が冗談交じりに話すと、突然後ろから小さい音が鳴る。後ろから気配がするような...俺は察した。
「なんですか今の音...?」
「悠真...俺嫌な予感するんだよね...」
「どういうことですか?」
「今さっき俺が言ったことが起きそうなんだよね...」
「玲央先輩がテレポートの能力で千紘先輩だったら僕らの背後にテレポートするですか...?」
その瞬間俺と悠真が前に吹き飛ぶ。
「ぐはっ!」
「ぐえっ!」