10 責任転嫁 壱
体育館から出た俺たちは、辺りを警戒しながら歩く。玲央と合流しようとする前に分かったことがある。とにかくこの学校はなにかがおかしい。途中から先生が居なくなっていたり、未知なウィルスに振り回されたり...そして、頑丈に閉ざされたドアが職員室の近くにあること。俺らは今、その扉の前に居る。
「よし、行ってみるか」
この扉に来る前...。
「あいつどこ行ったんだよ...」
「いや知らないって」
「あ、思い出した!」
真央が大事なものを思い出したかのように大きな声を出し、目を大きくあけながら俺を見つめる。『うるせぇ!バレるぞ!』と言おうとしたが、幸い俺たちが歩いている廊下には誰もいなかったので、言うのを止めた。どんな大事な何かを思い出したんだこいつ?
「職員室の近くに扉があった気がする!」
続けて興奮気味に語る真央に俺は呆れる。まず、この事態に関連性があるのかも分からない。俺はそんな扉を見たことがないし、まず職員室に行くこともあまりない。
「なんか関係性あるのかよそれ?」
「絶対あると思うわ!」
こいつ好奇心だけはすごいな。というわけで、早速向かうことにした。
「ここか...」
「ちゃんと閉ざされてますね...」
見た目は不気味で多分皆近づきたくはない扉があった。ドアノブを引いても鍵がかかっており、開けられそうにない。
「開かないんだけど...なんかない?」
ドアノブを引っ張っている真央の質問に俺は周りを見渡すが、破けた大きな紙切れがあるだけで、何も無い。
「何もないが?ていうか玲央は?」
「痕跡ないしどこいるか分かんない」
さっきまでの気持ちはどこに行ったんだこいつ。めちゃめちゃ他人事じゃねえか。でも開かないと...鍵が必要そうだな...。職員室に鍵がありそう過ぎる。
「職員室行くか」
「おけ」
職員室のドアを開けて入ると、やはり誰も居ないが、複数のパソコンが光を放っている。
「パソコンがついてる!これで助け呼べるんじゃね!?」
「確かに...でもWi-Fi繋がってる?」
俺はパソコンの接続マークがついてることを確認し、ウェブサイトを開き、早くも遅くもないスピードでタイピングをする。
「えっと...07ちゃんねる...」
「なんで07ちゃんねる!?」
「だってスレッド立てたほうが...」
「あー...」
悠真は納得行かなそうな不満な声をあげつつ、パソコンの画面を見ている。
「ていうかよくブレーカー落ちないもんだな」
「朝方だから落ちても気づかないでしょ」
「まず落ちるわけな...」
07ちゃんねるを開くと、安心感のあるトップページじゃない慣れた画面ではなかった。俺は背筋が凍る感覚を覚える。
「インターネットに接続していません...?は?」
「お綺麗なフラグ回収を...」




