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【書籍発売中・コミカライズ連載中】幸せに暮らしてますので放っておいてください!  作者: 風見ゆうみ
第二部

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第38話 面倒事

 何十人もの面談を終え、結局、会わないといけないという事になったのは、シェイド1人だけだった。


 ただ、まだ、私に面会希望している人は他にもいるらしいから、今日のところはシェイド1人といった方が正しいのかもしれない。

 色々な人が来ていて、一番酷かったのは、生き別れの姉妹だと言ってきた人だった。


 なぜなら、外見も全く似ていない上に、その人には両親もいて、その両親は昔、子供を捨ててしまったらしく、その子供が私だと言うのだった。 

 両親は年老いているので来られないから、姉である私が来たと言い張り、私がその妹であるという根拠をライリー様が尋ねられても、とにかく自分の妹に違いないと言い張って困ったものだった。


 最終的にライリー様が嘘だった場合、どうなるかわかっているだろうな、と脅すと、慌てて思い違いだったと逃げていった。


 世の中には色々な人がいるのだと実感できた1日だったけれど、ライリー様はかなり疲れ切ってしまっていた。


 本当なら街の様子を確認したかったみたいなのだけれど、そんな時間もなく、夕方近くなってしまった為、大人しく帰る事になった。


 セイラさん達には、ライリー様の方から、しばらくは私に会いたいと言って押しかけてくる人は減るだろうと伝えてもらい、改めて、私がセイラさん達に会いに来るという話をしてもらった。


「いつでもお待ちしていますと、お伝え下さい」


 セイラさんがライリー様に言うのを聞いて、「にゃあん」と、つい鳴き声を上げてしまうと、セイラさんが表情を緩めて言う。


「何だか、マリアベル様を思い出させる猫ちゃんですね」

「にゃあ」

「あら、返事をしてるの?」


 セイラさんが笑顔で顎を撫でてくれる。


 気持ちよくて、ゴロゴロ喉を鳴らしていると、ライリー様が言う。


「今日は場所を貸してくださり、ありがとうございました」

「とんでもない事でございます。お役に立てて嬉しいですし、元々は私共のまいた種ですから、お詫びしなければならないのは、こちらの方です」


 セイラさんにたくさん撫でてもらった後、名残惜しいけれど、私とライリー様は一度、宿屋を出ると、用意してもらっていた馬車の中に乗り、転移魔法で王宮へと帰ったのだった。


 シェイドに会う約束をする為に、まずは、私のスケジュール調整から入り、会えそうな日と時間を、シェイド宛に速達で手紙を送ると、数日後に返事が返ってきて、今日から5日後に王宮に来てくれると書いてあった。


 久しぶりに会った顔をしないと駄目よね。

 だって、猫になっていた事を知られてはいけないんだから。


 シェイドがエルベルの事でと言っていたから、ソニア様がエルベルの様子を見に行ってくださったのだけど、特に変わりはなく、文句を言いながらも修道院で頑張っているらしく、おかしな様子はないという事だった。


 エルベルの名前を出せば、私が必ず会うと思ったのかしら?

 あと、シェイドの事をライリー様が調べてくださったのだけれど、少し気になる事があるのよね……。


 そして、あっという間に5日後になった。


 指定の時間にやって来た彼は、好青年の容姿をさらに磨きをかけてきたのかと思うくらいに、爽やかな青年になっていた。


「久しぶりね、シェイド! 大人になったわね!」

「大人になったって、その言い方はないだろう?」


 シェイドはたしか、私より2つ年上だったかしら?

 身辺調査はフィーゴ様がやってくれたから、自分で調べるということを忘れていたわ。


 まあ、今は年齢は関係ないわよね。


「ごめんなさい。元気そうで良かったわ」

「君もね。それにしても、皇太子妃に選ばれるだけじゃなく、養女に出されるだなんて驚きだよ」

「色々とあったのよ……。それよりも、早速、本題に入るんだけれど、エルベルの件で話があるって聞いたんだけど…?」

「その事なんだけど……、それはまあ、会うための口実というか…」

「……どういう事…? 嘘をついたって事?」


 首を傾げると、シェイドは頭を下げてくる。


「本当にごめん! だけど、どうしても君に会いたかったんだ!」

「何を言ってるの…? 会いたいならエルベルの話をしなくても、会いたいと言ってくれれば……」

「ごめん。ただ、気持ちを確かめたかったんだ…」

「気持ちを確かめる?」


 意味が分からなくて聞き返すと、シェイドは言う。


「僕は昔、君のことが好きだったんだよ」

「………」


 私は最低な人間なのかもしれない。


 シェイドのこの告白が何の根拠もないのに、絶対に嘘だと思ってしまったから。


 シェイドは私にそんな事を言ってどうしようとしているの?


「君は覚えていないかもしれないけれど、僕はずっと君のことを……」

「シェイド、あなた、そんな嘘を言って、何が目的なの? 私の事をいつまでも人を疑わない甘い人間だと思ってるの?」

「……どうしたんだよ、そんな怖い顔をしないでくれよ」

「私はあなたのその演技の方が怖いんだけれど…?」


 シェイドは爽やかな笑みを消したかと思うと、演技をやめたのか、真顔になって言う。


「やっぱり、わかったのか」


 にやりとシェイドのふりをしていた男が笑う。


「何も調べていないわけがないでしょう? 半信半疑だった事もあるし、あなたの目的が知りたかったから呼んだだけ。今、私に何かしたら、あなたが捕まる事はわかっているわよね?」


 調べたところ、3年前にシェイドの兄が失踪していた。

 それからしばらくして、シェイドは婚約者と婚約解消している。


 婚約者に理由を聞くと、見た目は彼のままなのに、性格が別人になってしまったからだと…。


 それにしても、どうして次から次へと、厄介な事ばかり起きるの!?

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