第83話・寛ぎの時間
世界を照らしていた太陽が沈んで辺りが暗くなり、街灯に輝照石の明かりが灯った頃、勉強を終えたシャロたちが図書館から出て来た。
「今日はシエラさんのおかげで勉強が捗りました、ありがとうございます」
「どういたしまして」
「シエラよ、また明日も頼むのだ」
「うん、明日も頑張ろうね」
「うむ」
「ずいぶん頑張ってたみたいだな」
図書館の出入口から伸びる階段を三人が下りていると、その一番下に居たアースラが声を掛けた。するとシャロは駆け足で階段を下りてアースラのもとへ向かい、シエラとフルレもそれに続いて階段を駆け下りて行った。
「師匠、迎えに来てくれたんですか?」
「散歩の帰りに通りかかっただけだ。それよりも、しっかり勉強したか?」
「はい、シエラさんのおかげでかなり捗っちゃいました」
「そうか、フルレはどうだったんだ?」
「この世界の言語は意味が複雑で難しいのだ、だが、シエラとリアが協力してくれるから大丈夫なのだ」
「そうか、ならその調子で頑張ってくれ」
「うむ、フルレは頑張るのだ」
「シエラ、今日はご苦労だったな」
「これくらい大したことないよ、私も楽しかったし」
「そっか、よし、そんじゃあ猫飯亭に晩飯を食いに行くか」
こうして合流した四人は猫飯亭へ向かい、いつものように楽しく食事をして宿へと戻った。
するといつもより格段に賑わっている宿の一階の酒場、そこで慌ただしく働いていた看板娘のユイが、アースラたちを見て素早く近寄って来た。
「アースラさん、突然で悪いけど、急に泊まりたいお客さんが増えて部屋を空けなきゃいけなかったから、勝手だけど二階の一番奥にある四人部屋に部屋を変えさせてもらったわ」
「マジかよ」
「ごめんね、うちも稼げる時には稼がなきゃいけないから、それじゃあ」
そう言うとユイは急ぎ足で厨房へ向かい、アースラは二階の一番奥にある部屋へ向かった。そしてそれぞれが寛げる格好に着替えると、勉強の疲れもあったからか、シエラとフルレはベッドの上ですぐに眠ってしまった。
「お前もさっさと寝ておいた方がいいぞ、明日も三人で勉強しに行くんだろ」
「はい、でもあと少しだけ今日の復習をしておきたいので」
部屋の真ん中にあるテーブルの椅子に座り、図書館から借りて来た本を見ていたシャロは、アースラの言葉に答えてから再び本へ視線を戻した。
「ほどほどにしとけよ」
「はい」
そう言うとアースラはベッドの上に寝転がり、静かに目を閉じた。




