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第54話・永劫の氷花を探して

 魔晶ゴーレムと遭遇してからしばらく、二人は何体かの魔晶ゴーレムと遭遇しながらもそれを撃退し、ようやく辿り着いた永久氷山の頂上付近で永劫の氷花を探し始めようとしていた。


「やっとここまで来ましたね」

「ああ、だが面倒なのはここからだ、かなり純度の高い永劫の氷花を探さないといけないからな」

「その純度はどうやって見極めればいいんですか?」

「まず絶対条件は色混じりではない透明な花であることだ、色混じりだと薬としての効果が極端に落ちるからな。次に大事なのは採取方法だ、永劫の氷花は環境変化に弱いから、根を傷つけないように土と一緒に採取しないといけない」

「思ってたより大変ですね」

「ああ、しかも採取途中もモンスターや魔晶ゴーレムの襲撃に気を配らないといけないからな、それで採取難易度が高いんだ」

「なるほど」

「本来は大人数で来てやることだが、今回は時間がないから仕方ない」

「メグルさんに呪いをかけた集団は何か行動を起こしますかね?」

「あの呪いは完成時に近くで集魂しゅうこんする必要があるから、絶対にあの教会近くに関係者が現れるはずだ」

「どうしてそれが今日だと分かるんですか?」

「あの呪いを行使するには絶対条件として満月の日である必要がある、メグルが呪いを受けた日が1ヶ月前の満月なのは間違いない。そしてあの呪いは受けた日から最初の満月の日に魂を奪い取る呪いだから、満月の今日、絶対にその魂を回収しに来る」

「それで師匠は急いでたんですね」

「ああ、だから急いで永劫の氷花を探すぞ」

「はい!」


 こうして二人は永劫の氷花を探し始めたが、なかなか目当ての純度の物が見つからず、そのまま二時間が過ぎ去ってしまった。


「なかなか見つかりませんね……」

「永劫の氷花は採取難易度の高い薬草だって言ったろ、そう簡単に見つかるわけねえよ」

「そう言われたら言い返す言葉もないですけど……あっ、師匠、あそこにあるのはどうですか?」


 アースラの言葉にしょげながらも巨大な魔力水晶が出ている地面へ視線を向けると、そこには太陽の光を受けて七色の光を返している、小さくも美しい透明な永劫の氷花があり、シャロはアースラに分かるように右手の人差し指を向けた。


「少し小さいがこの純度なら大丈夫だろう」

「やった!」

「よし、急いでコイツを採取するぞ」


 アースラは背負っていたリュックを地面に下ろし、そこから採取した永劫の氷花を保存するための魔道具を取り出した。


「シャロ、俺は今から永劫の氷花採取のために氷花の根がどこに張ってるのかを魔力を使って探る、だからその間はお前がモンスターの襲撃を防げ」

「分かりました」


 返事をしたシャロがすぐに周囲の警戒を始めると、アースラは永劫の氷花が生えた地面に両手を突き、そこから地面に向かって魔力を送り始めた。

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