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第50話・謎の答えを求めて

 メグルの言葉に少しだけ考えを巡らせたあと、アースラは再び口を開いた。


「メグルはその集団と何か関わりを持ったのか?」

「はい、その人たちから『町に居る間だけ仕事を手伝ってほしい』と頼まれて、そのお手伝いをすることで収入を得ていました」

「仕事の内容は?」

「ゴホッ、主にやっていたのは儀式のお手伝いで、他には必要な物の買い出しなどをしていました」

「その儀式の内容は?」

「あの方たちが崇拝している神様に捧げるお祈りのお手伝いで、神様への捧げ物を持った私が大きな魔法陣の中に入って中心に立ち、魔法陣の周りに居る方々のお祈りが終わるまで捧げ物を持ち続けると言った感じのことを何度かやりました」

「その儀式はどこでやったんだ?」

「スラム街の中心部にある朽ちた大きな館です、ゴホゴホッ!!」

「お姉ちゃん大丈夫!?」

「シエラ、治癒魔法を頼む」

「分かった」


 メグルの方へ近づくシエラと入れ替わるようにアースラは出入口の方へ移動をした。


「ヒーリングライト」


 咳き込むメグルに近寄ったシエラはすぐさま治癒魔法を使った。

 そして出入口へ移動をしたアースラはシエラが治癒魔法を使い始めた瞬間、密かに第12序列魔法コンディションアナライズを使ってメグルの状態観察を始めていた。


 ――治癒魔法がほぼ効いてない、普通の病気ならそれなりの効果があるはずだが、ここまで効果がないってことは原因はおそらくアレだろうな。


 メグルの状態を見たアースラは以前に同じようなことがあったのを思い出し、メグルが弱り始めた原因が恐らく病気ではないと確信しつつあった。


「長々と済まなかった、話はこれで終わりだ。カリン、俺たちは永劫の氷花採取の準備をするために一度宿へ戻るから、出発前にまた顔を出す」

「分かりました、よろしくお願いします」

「ああ、シャロ、シエラ、行くぞ」

「はい、それではメグルさん、お大事にしてくださいね」

「カリンちゃん、またあとでね」

「はい、お待ちしています」


 こうしてメグルから話を聞いたアースラは、二人を連れてそそくさと教会をあとにした。


「あれっ、師匠、宿に戻るんじゃないんですか?」


 宿へ戻って準備をするのだろうと思っていたシャロは、宿とは反対方向に向かい始めたアースラにそう問い掛けた。


「永劫の氷花採取の前に確かめておくことがあるんだよ」

「メグルさんの言ってた館に行くんでしょ?」

「そういうこった、急ぐぞ」


 そう言うとアースラはスラム街の中心部へ向け、スタスタと進み始めた。

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