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第33話・思わぬ再会

 おおよそ6時間に及ぶ大規模討伐作戦が終了したあと、シャロたちはウーマ車の中で疲れた体を休ませながら、陽が落ちてしばらくした頃に円形城塞都市リーヤへと戻って来た。


「予定よりだいぶ遅れましたけど、やっと戻って来れましたね」

「途中でモンスターの集団に遭遇しちゃったのは運が悪かったね」

「ですね、ところでシエラさんはこれからどうするんですか?」

「私は冒険者組合で報酬を受け取ってから晩御飯でも食べに行こうと思ってるけど、シャロちゃんは?」

「私も先に冒険者組合へ行きます、師匠より先に報酬を受け取りたいので」

「そっか、それじゃあ一緒に行く?」

「はい!」


 今回の件で仲良くなった二人はお互いにこやかな表情で冒険者組合へ向かい始めた。


「そういえば聞いてなかったけど、シャロちゃんの師匠ってどんな人なの?」

「師匠はとても強くて凄い人なんですけど、口は悪いし言うとこはキツイし素直じゃないし、おまけに意地悪なんですよ」

「あははっ、色んな意味で凄い師匠だね」

「はい、でも誰よりも理不尽を許せなくて、その理不尽から少しでも多くの人を助けたいと強く願っている、とても優しい人です」

「そっか、シャロちゃんは凄くいい師匠に恵まれたんだね」

「私はまだまだ未熟ですけど、いつかは師匠みたいに強くなって、沢山の人を守れるようになりたいんです。それに師匠にはいっぱい意地悪をされたお返しもしたいですし」

「あははっ、それならいっぱい頑張らなきゃね。でもそんな話を聞いたら、私もその意地悪な師匠に会ってみたくなったなあ」

「それなら是非会ってみてください、私も師匠にシエラさんを紹介したいので」

「いいの?」

「もちろんです」

「それじゃあ会わせてもらちゃおっかな、ところでその師匠は何て名前なの?」

「名前はアースラ・ティアーズベルです」

「えっ!?」


 アースラの名前を聞いた瞬間、シエラは進めていた足をピタリと止めた。


「どうかしましたか?」

「シャロちゃん今、アースラ・ティアーズベルって言ったよね?」

「はい、言いましたけれど、どうかしたんですか?」

「おいシャロ、こんな所で何やってんだ?」


 驚いた表情のシエラの問い掛けに答えると、その後ろからアースラが声を掛けて来た。


「あっ、師匠」


 シャロがアースラの方へ振り向くと、シエラも素早くアースラの方へ視線を向けた。


「そっちはシャロの知り合いか?」

「あ、はい、こちらは――」

「あなたベル君だよねっ!」


 紹介をしようとした途端、シエラは突然大きな声でそう言ってアースラの方へ素早く走り寄った。


「誰だあんた? どっかで会ったことあったか?」

「私だよ! シエラ・リース・クロエだよっ!」

「シエラだと!?」

「会いたかったよベル君!!」


 シエラは大粒の涙を流しながらアースラに飛びついた。


「お、おいっ」

「ベル君、本当に会いたかったよ……」


 力強くアースラを抱き締めながら、シエラはなおも泣きじゃくる。そしてアースラはそんなシエラを見て困惑の表情を浮かべ、シャロは驚愕の表情を浮かべていた。

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