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13歳、そういうのは結構ですって!





私の怪我は全治三ヶ月の診断を受けた。この世界ではレントゲンがないから前世のようにはっきりとした診断ではないけど、脚の腫れ具合から、太ももからふくらはぎにかけての骨にヒビが入ったんじゃないかとのこと。そりゃ歩けなくなるはずよね。

まぁそれで私は、兄とロイによって、強制的に帰宅することになった。全く歩けなかったので、私を運ぶ男手として、ロイも一緒に。


「ロイは本当によかったの?学園に残らなくて……」

「お嬢様はお忘れでしょうが、一応、お嬢様の護衛としてエルディ家に入ったんで?」

「……黙って無茶してごめん。まさか、お兄さまから怒られた?」

「いいえ。怒られませんよ。お嬢様はたっぷり説教されたでしょうけど」


確かに。脚が痛いのに、医務官がくるまでと、きて治療をしてくれてる間、兄はずっと私に説教していた。ちょっと涙目になった。

皇太子も少しは助けてくれてもいいのに、にこっと笑って逆に兄に加担したりして、なんというか地獄の時間だった。私、ものすごく頑張ったのに。


「……敬語止めてよ。ごめんってば」

「……お嬢様が、あの令嬢を助けるために無茶したのは分かってるけどな。今度からこっそりでいいから教えといてくれ。寿命が縮んだぞ」


兄と違って無茶をするなとは言わないあたり、ロイは私のことを分かってるというか、半ば諦められてる?というか。

まぁ、大怪我をして私も流石に反省したので、素直に頷いたけど。





私が怪我で休んでいる間に、学園は夏の休暇に入ったらしい。まだ学園の行事にそんなに参加してないのに、と落ち込んだんだけど、学園の生徒が生徒を拉致・監禁、その上暴行傷害を起こした、という前代未聞の事件があったことで、皇宮の調査団が入ったので、行事は軒並み延期か中止になったみたいだった。まだ黒幕は見つかってないし、私たち以外の行方不明者も見つかってないから無理もないだろう。

いけないと思いつつも安堵したのはしょうがないと思う。

ちなみに、そういう諸々を教えてくれたのは、夏の休暇を利用してちょいちょい我が家へ遊びに来てくれる主人公こと、エミリちゃんだった。


「別に。暇だったし、主人公的には、身代わりで怪我した相手の見舞いに行かないなんて薄情だ、とか思われたら面倒だから。それで来ただけなんだからね」


エミリちゃんはやっぱり、ものすごく分かりやすく、ツンデレ美少女だった。


「あー、はいはい。心配でお見舞いに来てくれたのね。ありがとう」

「なっ!違うってば!」


私は元々ツンデレって苦手だったけど、これはこれで可愛らしいかもと思い始めていた。美少女だからだろうか?それか、ものすごく友だちに飢えているせいかも。

まあ、悪い子じゃなかったし、そのせいかも。うん。

もう色々バレてるので、私とエミリはあけすけに話をしていた。


「ねぇ、夏の休暇中とかの学園の行事は延期か中止になったのは分かったけど、ゲームのほうは?なにかイベントがあったりしないの?」

「え?」

「だってエミリちゃん、ずっとここにいるでしょ?攻略とかどうなってるのかと思って」

「しっ、失礼ね!ずっとはいないわ!」

「あー、そうそう。ずっとじゃないわねー。それで?」


エミリちゃんは「モブのくせに生意気!」くらいは思ったのか、むすっとした表情だったけど、答えてくれるようだ。やっぱりツンデレ。


「……しょうがないでしょ。裏表キャラの皇太子は私たちの拉致・監禁犯を捕まえるのに忙しいし、おんなじ理由でおだやか年上キャラも無理だし……」

「えっ。おだやか年上キャラ?エミリちゃん、誰か知ってるの?」

「そりゃ主人公だし、このゲーム結構してたら知ってるけど、会ったことはないわ。皇太子の好感度が上がったときに出会えるキャラだもん」

「へぇ~」

「ディートリヒ・アウクリアっていう高等科の教師だから。それ以外で会えないのよね」

「……はい?!」


ディーって攻略対象なの?!


「なによ?」

「いや、なにも……」


私は思わず誤魔化してしまった。折角仲良くなれそうなのに、また主人公に成り代わる気がどうとか言われてはたまらなかったからだ。

ディーが攻略対象だろうが、私には関係ないしね。


「ええと、他は?他にもいるでしょ、攻略対象」

「……可愛いキャラの……えっと、マルク・リディガーってキャラは夏の休暇以降の文化祭行事でイベントがあるからそれはいいとして、同級生のはずの俺様キャラはいないし……」

「えっ、いないの?」

「いないのよ!公爵家の私生児で、孤児院で暮らしていたところを跡継ぎとして連れ出されて、貴族教育を受けて学園に通うことになったんだけど、変に優秀だったから俺様キャラになってしまったってキャラ!」

「……へぇ」

「でも、ちょっと調べてみたら、公爵家に跡継ぎになる予定の男の子はいないし、新入生代表だったはずだったのに、あんたのお兄さんがしちゃったから手がかりも何もないのよねぇ……」

「……」


へえ。俺様キャラってそうなんだ。

なんか、孤児院から出て貴族教育を受け学園に通うことになった男の子ってところ、ロイと同じだ。新入生代表だし。


「あ。そういえば、確か、そのキャラがいた孤児院の名前が、女の子の名前みたいだったような……」

「…………ナナリ孤児院?」


思わず出てしまったけど、そんな、まさかね。


「そうそう、そんな名前だった!」

「ええっ、本当に?ナナリ孤児院って、ロイがいた孤児院なんだけど……」

「ロイ?」

「あ。その、新入生代表のうちの兄よ。元々その孤児院にいたの。色々あってエルディ家の養子になって、貴族教育を受けて学園に通うことになったのよ。そしたら、新入生代表になっちゃっ、て……」

「……」

「……」


え?


「まさ、か……?」

「それじゃない!俺様攻略対象キャラ!」


嘘でしょ?ロイも攻略対象なの?ていうか、公爵家の私生児って!






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