表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

冬の童話祭2022 『流れ星』

ニワトリコッコの大冒険

作者: 佐藤そら
掲載日:2022/01/12

 鳥は、青空を自由に飛ぶことができる。


 そして、僕には翼がはえている。

 でも、その翼をはためかせても、僕は飛べなかった。


「コッコは、ケガでもしてるのかい?」


 鳩胸が自慢のハトキチが尋ねた。


「いや? いたって健康さ」


「なら、どうして飛べないの?」


 飛べない理由は、僕にも分からなかった。

 大人になったら、自然と飛べるものだと思っていた。

 けど、僕は自分の羽をバタバタと上下に動かしても、その場をジタバタするだけだった。



 そこへ、カラスのカラスケが飛んできた。


「お前、知らないのか? ニワトリは飛べないんだよ」


 ハトキチは、豆鉄砲を食らったような顔をして、何故だか僕より驚いた。



 カラスケの話によると、僕らニワトリは空を飛べない鳥だそうだ。それはこの先もずっと変わらない。


 僕はショックだった。

 いつか、あの空を飛んでみたいと夢見ていたからだ。それが永遠に叶わないなんて思いたくない。




 翌日、コッコは湖までやってきた。

 水面に映るコッコには、ちゃんと羽がはえていた。


「どうして……」


 そこへ、ハクチョウのハクコがやってきた。


「コッコ、どうしたの? 元気がないようだね?」


「ハクコさん、ニワトリは飛べない鳥だと言われたんだ」


「そうなのかい?」


「でも、僕は空を飛んでみたい」


「ならコッコ、夜空のハクチョウに頼んでみるといいよ」


「夜空のハクチョウ?」


「みんなが眠る夜、夏の夜空を飛ぶハクチョウがいると言われてる。そのハクチョウは願い事を叶えてくれるんだよ」


 僕は夜空を飛ぶハクチョウに会ってみたくなった。



 その夜、僕ははじめて夜空を眺めてみた。

 そこには沢山の星が輝いていた。

 夜空は、みんながいつも飛んでいる空とは、まるで違っていた。


「あそこにあるのは、ハクチョウ座!?」


 眺めていると、流れ星が流れた。


「空を飛びたい!」


 僕は思わず叫んでいた。


 すると、流れ星が僕のもとへと降ってきた。

 気づけば、僕は星の上に乗っていた。


「えっ!? 僕、今飛んでるの!?」


 コッコは流れ星に乗り、夜空を飛んでいた。

 上から下を眺めると、いつも見ていた景色がとても小さく見える。


「わーすごい!!」


 コッコは、これまで見たことのない世界に見とれていた。

 遠くの街が見える。

 湖が小さく見える。

 そして、夜空に輝く星たちが、とても近かった。



 翌朝、コッコは目を覚ました。

 顔をあげると、いつもの青空が広がっていた。

 コッコは自分の羽をバタバタと上下に動かしてみたが、その場をジタバタするだけだった。


 あれは夢? いや、夢じゃない!

 僕は、夜空を飛んだんだ!

 ハクチョウ座の流星群に乗って!!



 ハトキチが近づいて来た。


「飛ぶ練習でもしてるのかい?」


「ハトキチ! 僕、空を飛んだよ!」


「な、なんだって!?」


「ハトキチも飛んだことがない、夜空をね!」


「夜空!?」


 ハトキチは、豆鉄砲を食らったような顔をして、やっぱり僕より驚いていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 面白かったです。夢の中かしれませんが、跳べて良かったです。 翼を上下にバタバタやるのが逆にまずいですね。 ニワトリの翼でも、水平で保てば滑空はできるはず。
[一言] 夜空を飛べて良かったですね! 可愛らしいお話でした!
2022/01/12 22:59 退会済み
管理
[良い点] ニワトリさん〜♡ 鳥さん好きなのでニマニマしながら読ませていただきました( *´艸`) コッコ、夜空を飛べて良かったですね(*´꒳`*) ハトキチの豆鉄砲を食らったお顔も好きです♪ 素敵な…
2022/01/12 17:33 退会済み
管理
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ