3.それぞれの戦う理由。
本当は昨日の夜に入れたかったお話。
13時にもう一話、出せたら……_(:3 」∠)_
「ギルド最強の剣士……? ダイスが、か」
「うん、そうですよ。元々が騎士の家系出身だったから、納得ですね」
「……ふーん」
夜、ギルドの営業終了後。
ギルドの受付嬢――獣人族のリリから、ダイスについて情報を集めていた。
彼女曰く、ダイスは言葉通りに騎士家系出身だったらしい。アークイズムという名前に覚えはなかったが、騎士団長のもとで鍛錬をしている頃、あの家紋は見たことがあった。
「騎士の家系『だった』……ね」
「アークイズムは、もうお取り潰しになったみたいですね。たしか、今から十年くらい前だったはずですね」
「やっぱり、そういうことか」
「え、どうしたのです?」
「いや。なんでもねぇよ」
こちらの言葉に、耳をぴょこんと立てて首を傾げたリリ。
そんな彼女へ適当に返しながら、俺は自分の直感が正しかったと確信した。
ダイスの過去に、いったい何があるのか。それまではハッキリしないが、大方の予想はできる。あとは明日、それを本人に確認するだけだった。
「それにしても、明日は盛り上がりますね!」
「え、どうしてだ?」
俺がテーブルに出された茶を啜っていると、リリが楽しげに言う。
首を傾げると、彼女は盆を抱きながら笑った。
「だって『ギルド最強の剣士』と『期待の大型新人剣士』の決闘ですよ? 最近はダイスさん一強の状態だったので、みなさん待ち遠しいんです!!」
「はー……なるほど。要するに、見世物扱い、ってことか」
「むぅ……? その言い方、棘がありますぅ!」
「間違いじゃねぇだろ?」
「そうですけどー」
こちらの反応に、頬を膨らして抗議する少女。
愛らしい見た目をしている割に、なかなかに血気盛んな趣味をしているものだ。そう感じながらも、俺はひとまず出された茶を飲み干して言う。
「ただ明日の決闘は、俺も少しだけ楽しみになった」
「そうなんです?」
そして、コップを返しながら答えた。
「単純な話だ。アイツが『ギルド最強剣士』ってことなら――」
自然と、口角が上がる。
「――俺はその『最強』を超えるだけ、だからな」




