3.カルネという少女。
夕方に、もう一話?
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(追記:寝てた。気付いたら寝てた。すまねぇ、更新は夜だ(´;ω;`))
「それで、お前は何者なんだ?」
「え、えぇ……っと。アタシはぁ……」
ひとまず、魔物を撃退して。
俺は先ほどの少女に、その正体を訊ねていた。
すると彼女はあからさまに狼狽えて、こちらから視線を逸らす。ぼそぼそと何かを漏らしているものの、とてもじゃないが聞き取れない大きさだった。
このままでは埒が明かない。
「なぁ、早く答えてくれよ」
「ひゃいぃ!?」
なので少女が背を預けている岩に手を当てて、思い切り距離を詰めた。
彼女は奇声を上げ、顔を真っ赤に赤らめる。
そして、ようやく――。
「か、かかかかかかかか、カルネと申しましゅ!」
「カルネ、ね……」
そう、名乗ったのであった。
俺はひとまず距離を取り、その少女――カルネに問う。
「なんでまた、お前みたいな女の子がダンジョンにいるんだ。見たところ冒険者みたいなナリをしてるけど、戦闘向きの装いじゃねぇよな?」
「そ、それはぁ……」
俺の指摘に、またもや彼女は視線をそらした。
カルネの服装や装備を見た感じだと、どちらかといえば採集向きだ。武器らしい武器を持たず、背負っているのは何が入っているのか分からないバッグだけ。
今の質問に即答しないあたり、中にあるのも武器ではないのだろう。
そう考えていると、カルネは肩を落としてこう言った。
「アタシは、ファンなんです……」――と。
それを聞いて、俺とダイスは顔を見合わせた。
ファン――とは、いったいどういうことか。首を傾げていると、少女は意を決したようにこう口にするのだった。
「ア、アタシはクロスさんや、ダイスさんに憧れて冒険者になりました! だ、だからその……! ――もしご迷惑でなければ、弟子にしてくださいぃ!!」
「弟子……?」
「ボクたちの……?」
その場で、なんとも美しい土下座を披露しながら。
思わず引いてしまったが、とかく話を聞いてみないことには始まらない。そう思って俺は、さらに詳しく話すよう促してみた。
するとカルネは、ぽつぽつと、遠慮がちに語り始める。
「え、っと……。アタシの家は鍛冶師の家系なんですけど、どうにも性に合わない、と言いますか。やりたいことと、反しているといいますか……?」
「それで、冒険者になった、と?」
「……はい。最初はとにかく、採集ばかりしていました。ですが――」
そこで一度言葉を切って。
カルネは、幸せな記憶を思い返すように恍惚な表情になった。
どうしたのかと眉をひそめていると、ハッとした顔に戻って彼女は言う。
「で、ですが! ある日、アタシはお二人の姿を見て衝撃を受けたのです!! そして天啓を得たのです!! ――この方々こそ、アタシが追いかけるべき存在だ、と!!」
「お、おう……?」
あまりの熱量に、俺はたじろいだ。
しかし、なんとなくだが話は見えてきた。
たしかに俺とダイスのコンビは、いまギルドの中でも噂になっている。名が上がれば、仲間になりたい奴も増えてくる。
つまるところ、これはパーティー入りの志願だった。
「あー、それなら別にいいんじゃね? パーティーに入っても」
「ほえ……?」
そう思って、俺が答えるとカルネは呆ける。
首を傾げた彼女は、こちらに言われたことを吞み込んだ後に叫んだ。
「ちょわあああああああああああああああああああああああ!?」
「馬鹿かお前、また魔物がくるだろうが!?」
俺はそれに、思わずツッコミを入れる。
カルネという少女は、本当に騒がしい奴だった。
これが、彼女との出会い。
俺たちのことを師と仰ぎつつも、どこか視線が熱っぽい少女との話の始まりだった。
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