1.パーティー結成と、視線。
書いたので、出します。
ここから第2章です!
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「クロスくん。今日は採集に出かけないかい?」
「いいや。今日は――」
――決闘の日から、一週間が経過していた。
あの後、俺とダイスはパーティーというものを組んだ。彼がポーションによる回復役を兼ねた前衛で、俺が魔法も使える前衛、というコンビである。
珍しい組み合わせ、ともいえるかもしれない。
明確な前衛後衛の概念がなく、互いに臨機応変に対応する戦闘スタイルだった。
「洞窟型ダンジョンで、どこまで行けるかを確認したいんだ」
「なるほど。たしかに……」
同時に、ギルド屈指の剣士二人の組み合わせ。
周囲の注目は、自然と集まっていた。
そんなある日のこと。
「だから、今日はひとまず――ん?」
「ん、どうしたんだい」
「……あー、いや?」
ふといつも以上に熱を帯びた視線を受けている気がして、思わず振り返った。しかしながら、そこには誰もいない。
俺が首を傾げていると、ダイスが不思議そうに訊いてきた。
だが、気のせいとしか答えようがない。
「気のせい、だよな……?」
そう自分に言い聞かせた。
でも、どこか釈然としない感覚が残る。
かといって、そろそろダンジョンへ向かわなければならなかった。
俺は後ろ髪を引かれる思いのまま。
その場はひとまず、ダイスと共にギルドを後にしたのだった。
◆
「あ、あの人がクロス・フリーダムさん……!」
首を傾げながら歩くクロス。
そんな彼を見つめる子供が一人、遥か後方にいた。
その子は身の丈に合わない、大きなバッグを背負っている。
「アタシもいつか、あの人みたいになるんだ!」
胸の前で、小さく拳を握りしめて。
その子供はまるで影のように、クロスの後を追うのであった。
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