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救済の英雄譚~ゆかいな乙女達~  作者: アビ
1章 森からの脱出
6/178

5

 収納という便利魔法を手に入れて気持ち良く進み続けている。

 方向は赤い狼から逃げて走り続けた同じ方向へ進み続ける。

 直径3メートルはあるのではないかと思う木を通り過ぎた時に戦慄が走る。


「っ!」


 と必死に声を出るのを堪えて心臓が止まりそうになるほど驚く。

 木の反対側には先ほどと同じ赤い狼が体を丸めて寝ていたのだ。

 サイズは少し小さいので別の個体だとわかる。

 それでも2メートルは超えている。

 思考が一瞬で逃げる判断をして振り向こうと無意識に動き始める。

 いやまてよ・・・。

 武器も手に入ったし走って撒けたのだから倒せるか確認するチャンスなのでは・・・。


「ゴクリ」


 唾を飲み込みながら赤い狼の頭がある方に、そろりそろりと移動する。

 深呼吸を繰り返し、心の中で行くぞ!と気合を込めて木のこんを上にゆっくりと上げた。

 一気に振り下ろす!

 グチャッ!と音がして赤い狼の体がビクンビクンと痙攣している。

 そ~っと恐る恐る確認する。


「ォエ・・・グロテスクすぎる。モザイクかけて欲しい・・・」


 泣きそうなりながら呟き、吐き気をなんとか抑える。

 頭があったところに赤い小さなクレーターが出来ていた。

 脳髄やら目玉などの欠片が飛び散っており、頭の中でダイナマイトが爆発したような状態になっている。

 倒す事ができるのは確認できたが非常に気分が悪くなり、視界に入れるのに嫌気がさして少し離れる。


「さらばレッドウルフ」


 と勝手に命名して足音を消しながら進もうとしたところで、ふと考えが過る。


「モンスター?魔物?そもそもこの世界ではコイツが動物の可能性も・・・」


 生きていくためには食料は必須だ。

 しかも肉は高タンパク質で、摂取しないと次第に体が動かなくなり、命の危険に晒されると裸の男女の某サバイバルTV番組で見たことがある。

 悩んでいる場合じゃないのはわかるが、いまいち赤い狼に近づく足が進まない。


「お前食えるのか?」


 返答するはずがないのに聞き出す。

 あんなの食いたくないという心が見え見えのビビりである。


「う~~~。とりあえず収納に入れとけばいいか・・・本当に困ったら食おう」と安易に逃げを選択する。


 収納へ頭の部分を見ない様に「ヨイショ」と入れる。

 爆散部分は残っているので見ない様に決めた進行方向にそろりそろりと進み始める。


「しかし、この森どれだけ広いんだよ・・・」


 愚痴を呟きながら進むこと30分。

 流石に警戒しながら進むのには、集中力が限界なので休憩をするのであった。


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