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救済の英雄譚~ゆかいな乙女達~  作者: アビ
1章 森からの脱出
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2

「撒いたか?しかし物凄い体だ・・・。もしかして勝てちゃったりするのかな?」


 一瞬そんな期待が過ったが、慎重に下調べをして行動するタイプなため考えを捨てる。

 冷静になり重要な事を確認するため声に出して呟く。


「身体能力の確認と・・そういえば2つの能力をもらっていたな。あとは水と食料だな」


 まずは力の確認だなと思い直径1mくらいの木を右手で少しずつ押してみる。

 ある程度力を込めた所で木がミシミシ言い出す。


「え?両手で押してやればたぶん倒せるぞ・・・。人間やめちゃったか?」


 思いっきりジャンプしてみると2mは超えた。


「自分の身体が怖い・・・」


 フルパワーの確認は木が倒れた騒音で先ほどの様な生物に気づかれてしまうので無理だ。

 ならば頂いた『魔法を極めし者』を確認することにする。


「これがうまく行けば水も火も手に入るから、かなり助かるんだけどなぁ」


 まぁ定番から行ってみるかと思い、右手を前に出して呟いてみる。


「ファイアーボール・・・ファイア・・・ウォーター・・・ウォーターボール・・・」


 むなしくなっただけだった。

 何も貰っていないはずの身体能力が物凄いならば仰々しい名前が付いた能力が使えないはずはない。

 何かが違うのだろうと色々思考する。


「詠唱とか魔法陣が必要?魔力とかMPとかがあるのかな」


 目を瞑り自分の体内を意識するように集中する。

 すると胸のあたりとへそのあたりに何かを感じる。

 胸に感じる何かは力強く感じるが、へそに感じる何かは胸に比べると非常に弱い。


「ということは胸が魔力?いろいろ試しにやってみよう」


 意識しながら動かしてみようとする。

 胸の中にある力から一部が少しずつ動き出す。

 体内で左手の方に動かしたり右手の方に動かしたりできる。


「おーなんか面白いな!」


 続いてへその方も意識して動かそうとするが全く動かない。


「これは何か違う力なのか、感じる力は小さいしコツがあるのかも知れないな」


 胸の方を魔力と仮定して右手に集めて色々試す。

 口に出して色々な思いつく魔法の名前を呟いてみたりしたが一向に出ない。


「やり方が違うのかな」


 次は右手に集めながら水を想像してみる。

 想像したのは水道の蛇口から出る水の様なもの。

 出ないが詰まっているような何かを感じる。


「これだ!ハハハ」


 ちょっと楽しくなってきた。


「詰まっている感じということは魔力が大きすぎるのかな」


 少しずつ込める量を減らしていく。

 10分位減らし続けると次は物足りない感覚が来る。


「これは魔力が足りないってことだな」


 楽しくて微調整しながらずっとやり続けて30分ほどたった頃だろう。

 何故か頭の中に『ウォーター』という言葉が響き、手のひらから蛇口から出る様に水が出始める。


「やった!やった!フハハハハハハハハ」


 嬉しすぎて何故か爆笑してしまった。

 左手で水をすくいながら水を飲む。


「いやー助かった。これで水分不足で死ぬことはなくなったな。次は火だな」


 ライターから出る火を想像しながら指先に魔力を込める。

 先ほどより多少の慣れもあり、10分くらいで脳内に『点火』と響き火が出る。


「やった!あとは動物とか狩れば食料もいける!」


 ルンルン気分でいたが・・・ふと気づく。


「一つの魔法で使用まで10分も時間がかかっていたら戦いでは使えないじゃん・・・」


 ちょっと意気消沈するのであった。


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