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料理が来るまでの間に現状にいたるまでの話を聞いていたケイス。
どうやら兎人族の腕力自体は人族程度にはあるが臆病で戦う事をしないらしい。
ただ、足は物凄く早いので逃げれば、だいたい捕まらないらしい。
ルルは力も足の速さも村一番なので基本的には食料調達をしているとのこと。
昨日、食料調達から戻ったら村人が半分以下になっており、聞いたら冒険者に村の入り口を抑えられてしまい半数は連れて行かれてしまったようだ。
人族が獣人族を捕獲して奴隷にするのは日常茶飯事なので、この街にいるのは間違いないとのこと。
攫われた中にお母さんと妹が入っていたという辛い状況のようだ。
「おかあさんは片耳が半分切れちゃって無いですし、妹のララはまだ小さいですし愛玩具にならないから売れ残ると思いますですぅ!」
さらっと家族をディスるルル。
そこで丁度食事が来て食べ始める。
味は正直言って美味しくはない。食べられないほどではないが調味料が発展してないのであろう。
塩と素材の味しかしない。
うーんと思いながらルルを見ると、口いっぱいにリスみたいになっており、幸せそうにモグモグしている。
やだ、かわいいこの子。
「お、おいしい?」
「おびじいでふぅ!」
とまだ口に入っているのに突っ込み始める。
まだケイスが3分の1しか食べていないのに全部食べてしまったようで、こちらを見ている。いやケイスの食事に釘付けである。
「おかわり注文してもいいよ?」
「いいのですか!ケイスさん大好きですぅ!」
と再度同じものを注文していた。
チョロいです。
追加料理が来る間に「すごく美味しそうに食べるね」と聞いたら壮絶な話が返ってきてしまった。
兎人族は臆病で最弱なため狩りが出来ないので基本は木の実、果物、草、そして虫を食べるらしい。
その詳細を聞いていると食欲が失せてきた。
「私は幼虫さんが好きですねー!クリーミーでおいしいのです!」
「ほ、ほう~」
自分が食べた想像してしまって食欲が完全になくなってきた。
「あれ?ケイスさん食べないのですか?それなら私が食べましょうか?」
と言ってきたので助かったとルルに残りは全部あげる。
「げぃずじぁん。ヴぁざじでぇふで!」
うん、何言っているかわからない。
追加で来た定食もペロリと平らげて満足したようだ。
「ごちそうさまでした!ありがとうございます!ケイスさん大好きです!」
ぴょんと跳ねてからぺこりとする。
もーーかわいいこの子。
どういたしましてと笑顔で頭をナデナデする。
「えへへー」
とプルプルしながらうれしそうだ。
幸せいっぱいで外に出て驚愕。
真っ暗である。
そう、文明の違いをすっかり忘れていたのである。
基本この世界では街灯など存在しないため、朝が早く暗くなる前に食事や飲み屋以外は閉まってしまうようだ。
魔法で光るランプや魔法の『ライト』という光魔法はあるが、一般庶民が使用できる訳がない。
皆ろうそくかランプなのである。




