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ケイスがゼフィールをどうしようか悩んでいるとルルが言う。
「あー!ケイスさん!愛用している『精力絶倫』の発現者がゼフィールだった気がしますですー!」
ん?愛用させられているだけだが『精力絶倫は』はデイルだった気が・・・。
そこで思い出す。
「あー!魔力高速回復の発現者か!」
ゼフィールが急に土下座で下げていた頭を上げて言い出す。
「そうですぞ!そのゼフィールでございますぞ!」
魔力高速回復にはかなり世話になっている。ここまでゼフィールと繋がりを感じてしまいもしかして女神様の導きな可能性を感じる。
「ここまで来るともしかして導かれて出会ったのか?でも装備が欲しいな」
リルが笑い出す。
「コロコロコロ。ご主人様。流石に装備の為に女神様の導きを無視する訳にはいかんじゃろうに」
ルルが不満を言い出す。
「えー!ぶった切りたいですぅ」
ゼフィールはルルに相当恐怖を感じているらしくカタカタと震えてケイスに縋り付いてくる。
「旦那!あのお嬢さんを止めくだされ!怖すぎますぞ!」
ルルが暴走し始めているので流石に止めるしかないな。
「ルル。流石に女神様の導きだからダメだよ。でも目的が宝箱だから欲しいよなぁ。ゼフィール。何か方法無い?」
「んーケイス様の言う事に間違いないですからね。我慢しますですぅ。でも骨さんなら仲間になってもたまに斬って大丈夫ですよね?」
カタカタとゼフィールが震え出す。
「旦那!止めてください!怖すぎます!そしても申し訳ございませんが某に方法はわかりません!」
我らのリル大先生が閃いた様な顔をして名案をくださる。
「そうじゃ!ご主人様!要はコヤツが消滅すればいいのじゃ!」
あれ!?リル大先生までぶっ壊れてしまったぞ!?
「リル?言っていることがハチャメチャだぞ?遂に痴呆症か?」
リルが怒って言い出す。
「ご主人様!流石に酷いのじゃ!要は消えれば良いから召喚獣契約をすればよいのじゃ」
「え?召喚獣って召喚の杖が無くてもできるの?」
「無くても大丈夫じゃ。召喚の杖はあくまで補助であり、相手を上回っており相性の良い魔物を引き寄せる。童も呼ばれてすぐに勝てない事を悟って惚れたであろう?普通は難しいがコヤツは意思疎通ができて既に完全に屈服しておるから相手が応じるだけで契約ができるはずじゃぞ」
ゼフィールは光明が差したと思ったのか土下座状態からガバっと顔を上げるのが見える。
「あ!なるほど!契約して送還しちゃえばいいのか。でもなぁ・・・」
ちらりとゼフィールを見てしまう。
「旦那!某は稀代の天才と言われた魔道王ですぞ!?必ず使い道がございます!どうか契約してくだされ!」
うーん・・・。コイツ使い道あるのか悩ましい。
「でもフレア一発で魔力切れする魔道王って使い道あるの?」
リルが残念そうな顔になってしまう。
「え?それは流石に魔道王と呼ばれるにはおかしいのじゃ・・・。特級だと童で5発は打てるぞ?弱い上に何で女神様が導いたかわからんのじゃ。稀代の詐欺師か?コヤツは」
(魔道王)のゼフィールが焦って必死にアピールを始める。ここは面接会場か?
「旦那!良く思い出してくだされ!某はフレアを残りカスの様なMPで最後の賭けに出たにすぎませぬ!30体のスケルトンを10分程も召喚し続けたではござらんか!」
雑魚のスケルトンを永久に召喚しても雑魚は雑魚なので面接として大失敗確定なので残念な気持ちになって困ってしまうケイスであった。
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