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救済の英雄譚~ゆかいな乙女達~  作者: アビ
8章 新装備と新たな仲間 ~縛られていたゼフィール~
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 翌朝、朝練のために5時に目を覚ますと恐らくずっと抱きしめていたのだろう。ジャンヌと目が合った。

「おはよう、ジャンヌ」


「おはよう、相棒」


 ジャンヌが目を閉じて口を尖らせる。

 何故、男女の関係に疎い癖におやすみとおはようのキスは知っているんだよ!

 でもジャンヌの可愛い笑顔がまた見たくてキスしてしまうロリコンケイス。


「ん・・・」


 ジャンヌが可愛らしい声を出してケイスが離れるとまたぎこちないが笑顔になるジャンヌ。


「相棒。ありがとう。幸せだ」


「ジャンヌの笑顔が見られて俺も嬉しいよ。ジャンヌは寝ないでも活動できるのか?」


「我はアンドロイドだ。そもそも睡眠をとる必要が無い」


 ジャンヌは一晩中、抱きしめて動けない状態で起きていたという事か。


「あーそうだったのか。ごめんね。抱きしめていたから流石に暇だったでしょ」


「そんな事はない。好きだとわかった相棒の顔を見ていて暇と思うはずがない」


 ジャンヌは無表情のまま平然と男前な事を言う。逆に寝顔をずっと見られていたという事実を聞いたケイスが恥ずかしくなる。


「そ、そうか。なんか恥ずかしいけど・・・。嬉しいよ」


「相棒に喜んでもらえて良かった。嬉しいと思って貰えるなら我も幸せを感じる。何時でも見ていて欲しいと言ってくれ」


 あれー?ジャンヌが怖いと言うから一緒に寝たはずなのに立場が逆転しているような。


「わ、わかった。ジャンヌも怖い時とかは遠慮なく言ってくれよ」


「ありがとう。相棒は優しいな。我も遠慮なく言わせてもらう」


 おかしいなーと思いながら朝練に向かうとケイスパーティの女性陣がジャンヌの変化している胸当てをニヤニヤしながらコンコンと全員叩いて行く。


『相棒。何故、皆は我をノックする様に叩いて来たのだ?』


『あーえっと、良かったねって合図をしたつもりなんだと思うよ』


『そうか。我が相棒の事を好きだと気づいた事を喜んでいるのだな。皆いい奴らだな。流石は相棒のパーティメンバーだ』


 あのニヤ付いた顔でのノックは確実に冷やかしだろうと思うが、良い方に捉えてくれたのでほっとく事ににしよう。

 そう考えていたらリルから焦った口調の念話が飛んでくる。


『ご、ご主人様?その…アンドロイドとのエッチはどうだったのじゃ?変幻自在で物凄くて、ご主人様を凄く気持ちよくするとか・・・。生殺しにしている童なんざもう要らないと思うほど良かったとか無いかの?』


 この駄犬は何を心配しているのだろうか。ただのアホだ。ちょっと虐めてやろうとケイスは思った。


『凄く可愛くてドキドキしすぎちゃったよ。俺が先にダウンして眠っちゃった位だからな。先にダウンして寝ちゃうなんて初めてだったからずっとが良いかもって思ったよ』


『そ、そんな!童はもう・・・。うわ――――――ん』


 急に座り込んで泣き出したリルに朝練メンバーはビックリして騒ぎ出す。

 それを見てちょっと虐めすぎたと反省して再びリルに念話を送る。


『ごめん。冗談だよ。むしろエッチはしてないしジャンヌはアンドロイドだから寝ないらしいよ。だから先に俺が寝るのは当たり前だよ。本当に可愛いなリルは。愛してるよ』


 泣いていたと思ったら急に満面の笑みに切り替わったリルに朝練のメンバーは腰が引けてしまっている。


「さ!朝練を頑張るのじゃ~。良い朝じゃ~」


 リルが泣いていたのにいきなり立ち上がって意味不明な事を言い出したのでブリギットが爆笑し出す。


「ババァ!いつかはあると思ったが遂に痴呆が始まったか!ガッハッハッハ!」


「頭をブッ叩けば治りますかねぇ」


 ルルのバカ力で頭を殴ったら痴呆よりも記憶障害になりそうだ。


「気にしないでいいのじゃ~。童は幸せな朝を迎えられて喜んでいるだけじゃ~」


 リルは上機嫌でニヤケ顔で目を閉じて首を振り子の様に振りながら魔力グルグルトレーニングを始める。


「いつもなら殴りかかって来る癖にババァはやっぱりおかしいぞ?ルル殴ってみた方が良いかも知れねぇ」


「そうですねぇ。ちょっと今日のリルちゃんは不気味すぎますねぇ」


 このままでは目を瞑って魔力グルグルトレーニングをしているリルが本当にルルの全力で殴られ兼ねないのでケイスは言う。


「あー。さっきリルと目が合ったからウィンクしたら喜んだだけだよ。ほっといてあげて」


 ブリギットが急にケイスの方を向いてバチバチと片目を必死に閉じてくる。


「目にゴミでも入ったのか?」


 ブリギットが悲しそうな顔をして崩れ落ちて、四つん這いの体勢になり項垂れる。

 ルルがそれを見て首を捻ってから何かを閃いた様で急に四つん這いになる。


「斬新な体勢で魔力グルグルトレーニングを始めましたねー!でもケイスさんに後ろからパコパコされている気分になりそうなので真似しますー!」


 ルルはブリギットとは違い目を閉じて四つん這いで顔を上げながら体を前後に揺らしながら魔力グルグルトレーニングを始める。

 アキオがそんな3人を見て真顔で聞いてくる。


「ケイスさん!新しいトレーニングですか?僕にも教えてください!」


「あー、えっと各自で何か思った事があったみたいで試しているだけだから気にしないで」


 コイツら全員アホだろと思うケイスであった。


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