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救済の英雄譚~ゆかいな乙女達~  作者: アビ
8章 新装備と新たな仲間 ~縛られていたゼフィール~
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「ルル、お前は何を言っているんだ?」


「えー?でもジャンヌちゃんはケイスさんの事を大好きですよね?」


 このエロ兎は何を言い出すのだ・・・。


「えーっとじゃな・・・。ルルや、少し空気という物を読むといいのじゃ・・・ちょっとこっちに来るのじゃ」


 リルがルルの首根っこを掴んで引っ張って外に出ていく。


「ジャンヌ・・・ごめん。ルルが変な事言い出して・・・」


「構わない。我は人を好きになるという感情自体がわからない・・・。すまない」


 本当にジャンヌの人生は壮絶だなぁと改めて感じる。


「そうだなぁ。好きになるとその人と一緒に居たいと思うようになったり、触れたいとか、落ち着くとか色々あると思うよ」


「なるほど。それなら我は相棒の事が好きなのか」


「え?え?なんでいきなりそうなるの?」


「喋れず動くこともできず3,000年の絶望を味わって相棒に出会ってから毎日、我は話せないのに話しかけてくれた。もっと相棒と一緒に居たいと思うし落ち着く。他の者に触れられると不快に思うが相棒だと触れていると落ち着く」


 んーなんか違う様な気もするが・・・。


「他にも色々あるぞ。一緒に居たら心拍が上がってドキドキしたり、身体が熱くなったりとか」


「ドキドキと言うのは運動後の心拍数の高まりと同じような事か?」


「まぁ感覚的には近いだろうね。熟年の夫婦とかだとそういうのは無いかも知れないけど」


「なるほど。我は弱点となる心臓は取り除いたからドキドキはしない。では常に一緒にいるし我と相棒は熟年の夫婦と言う事か」


 ジャンヌは異性との事を知らな過ぎて逆に面白いんですけど!


「ハハハ。全てをすっ飛ばして熟年の夫婦にいきなりなる事は流石にないだろ。幸いリルが空気を読んでルルを連れてってくれたし今日はもう寝ようか」


「わかった」


 ケイスがベッドに入るとジャンヌが当然の様に入ってくる。


「ジャ、ジャンヌさん?なんで布団に入ってくるんですか?」


「微量だが相棒の魔力を貰い続けないとこの人化は保てない。すなわち触れてなければならないのだ」


「槍になっていればいいんじゃないか?」


「何度も言わせないでくれ・・・。今日は怖いのだ」


 触れていないと人化を保てないのか・・・。槍になっていると俺が寝返りをうったら顔が真っ二つとかも困る・・・。


「わ、わかった。手を・・・」


 ケイスが言おうと思ったらジャンヌが普通に抱き着いてきた。


「やはり落ち着くな」


 俺は全然落ち着きません!目力は強いけど普通にジャンヌは可愛いんだよ!


「じゃ、ジャンヌさん?俺がドキドキして落ち着かないんですが・・・」


「ドキドキするけど落ち着かないとは先ほど相棒が言っていた事に相反するのだがどういうことだ?」


 ジャンヌは論理的過ぎて説明が難しい・・・。


「えーっとね・・・。ジャンヌと一緒にいると落ち着くんだけど、俺は可愛いのが大好きなので目の前に可愛い人がいるとドキドキしちゃうのですよ」


「相棒にとって我は可愛いと言う事か?」


「うん。ちょっと目を瞑って見て貰っていい?」


「わかった」


 目を瞑るジャンヌ。

 ヤバい!めっちゃ可愛い・・・。


「相棒。胸の心拍数が凄い事になっているが大丈夫か?」


「ダメ。ジャンヌが可愛すぎて胸が破裂しそう」


「相棒の胸が破裂しては困る。我には回復魔法が使えないから目を開けていいか?」


「お願いします・・・ちなみにさっき心臓を取り除いたって言っていたけど他には何を取り除いたの?」


「偽の神と戦うために弱点となる心臓や肺や胃、激しい動きに耐えられる様に筋や骨、大きな痛みは邪魔になるので軽い痛覚で済む様にしたが他は残っている。血の代わりに魔力で動く様になっている」


「なるほど。戦うために徹底したと言う事だな」


 本当にジャンヌの人生は壮絶すぎる・・・可哀そうになるな。

 気が付いたらジャンヌを抱きしめていた。


「相棒・・・ありがとう。凄く落ち着く」


「俺も少し落ち着いてきたよ。おやすみ、ジャンヌ」

「おやすみ、相棒」


 ジャンヌが目を閉じたのでアンドロイドなのに寝るのかなと思い、自分も目を閉じた。


「・・・・・・・・・・相棒、まだか?」


「え?」


「夫婦と言うのはおやすみの前にキスをすると聞いたことがあるのだが違ったか?」


「え?」


 目を開けると無表情だが目を閉じて口を尖らせているジャンヌがいる。


「えっと・・・結婚してないから夫婦ではないんだが・・・」


「そうなのか・・・」


 無表情ではあるが脱力して何かショボンとした感じが受け取れる。


「えっと・・・キスしてみたいの?」


「我も女だ。好きな人とわかったのならしてみたい」


 ジャンヌさんが男前すぎる・・・。ここまで言われて引っ込みが付かないし、ジャンヌには感情を取り戻してもらって笑顔を見てみたい。


「わ、わかった・・・。じゃあするぞ」


 再び目を閉じたジャンヌにケイスはキスをする。


「ん・・・」


 ジャンヌが可愛らしい声を出してケイスが離れると・・・ジャンヌが目を開けて言う。


「幸せという物がわかった気がする」


 ジャンヌがほんの数秒ではあるが、少しぎこちなかったけれど笑顔になった。

 物凄く可愛かった・・・。


いつも読んで頂き、ありがとうございます。

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