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30分程の戦いだったがいつも通り心配性のリルが駆け寄って来た。
「ご、ご主人様、痛い所はないか?毒は大丈夫じゃったか?そ、そうじゃ神のしずくを・・・」
「リル、大丈夫だよ。ありがとう。ちょっと危ない所もあったけど無事に倒す事が出来たよ」
ブリキッドが驚いて言う。
「ケ、ケイス様でも危ない所があったなんて・・・アタイ達は参加しなくて良かったな」
「そうかも知れない。正直スピードが速すぎて石弾を放ち過ぎたし、初めて全力で戦ったから森が大変な事になっちゃったよ・・・」
ルルがピョンとしながら言う。
「ケイスさんは英雄であり、すけこましで破壊王なのですぅ!」
それ褒めてねーだろ!すけこまし破壊王って何かヤバい奴にしか聞こえないぞ!
「おっちゃん。倒してきた巨大弾丸蟻の素材はいりますか?結構硬い甲殻だったと思います。ランク5上位が恐らく暴走でランク5を大幅に超えた魔物でした」
「な!なんじゃそりゃ!見せてくれ!」
おっちゃんが驚きつつも興味津々な様なので足の部分だけ収納から出して見せてみる。
「こ、コイツはぁ・・・すげぇな。弾力がある癖にドラゴンの鱗よりも比較にならない程にかてぇぞ」
これは嬉しい!ケイスは武器と一緒に仲間の防具を強化かもと喜ぶ。
「おお!これで仲間の胸当てなどの部分的な防具を強化はできそうですか?」
「ああ、問題なくできるぞ」
「助かります。出したいのですが大きすぎるので、今工房にある素材を全部片づけてから出しますね」
先ほど投げ込んだ死者の森の魔物を皆で手分けして解体して片づける。
「おっちゃん、全長30mくらいある蟻で尻尾の針には強烈な痛みが走る毒針があるので気を付けてください」
「ああ。わかった」
巨大弾丸蟻を出して皆でおっちゃんの言われた通りに解体していく。
「こりゃー・・・硬すぎて俺以外の鍛冶師には無理かも知れねぇな。全員の部分的な防具を作ればいいか?」
おっちゃんが作って欲しい部位を聞いてきたので俺以外のメンバーのを作って貰う事にする。
リルはおっちゃんに追加注文をし出す。
「ベルベウスや。童は狼に変身する事がたまにじゃがあるから、付け外しをしやすい様にして欲しいのじゃ」
「なるほどな。わかった。後、リル様の胸はでけぇから少しサイズを測らせろ」
「な!童の胸に触れて良いのはご主人様だけじゃ!」
「それじゃ測れねーだろが!無茶言うんじゃねぇよ!」
「童の胸が触りたいからと言う口実じゃろ!」
「男だから美人の胸を触りてーのは間違いねーが今回はちげーだろ!」
「本性を現しおったな!ベルベウス!あの世に送ってくれるわ!」
リルが雷の特級魔法を唱え始める。
ゴチーン!
「いったーーーーーいのじゃ!ご、ご主人様、恋人の胸を触ろうとしている不埒者を懲らしめるだけなのじゃ!ぁぁき、気持ちぃぃのじゃ」
ケイスはリル羽交い締めにしておっちゃんに言う。
「おっちゃん、サッサと測ってください・・・。測る目的だから触っても大丈夫です」
「お、おう。触ったら後で殺されそうだからなるべく触らない様に測るわ・・・」
バタバタ暴れるリルを何とか測り終えた頃には夕方になっていたので一旦、城に戻って明日から死者の森にあるダンジョン攻略をする事にした。
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