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救済の英雄譚~ゆかいな乙女達~  作者: アビ
8章 新装備と新たな仲間 ~縛られていたゼフィール~
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「俺は1350年前にドワーフの鍛冶屋の夫婦の間に産まれたドワーフだ。だがよ小さい頃から親父に教わった物が簡単に作れちまうし、何かあると親父が思って能力鑑定をしたら『長寿』と『鍛冶』の能力を持っていた事がわかった」


 そこからおっちゃんは鍛冶にのめり込んで、50年の間に鍛冶を続けていたらあっという間にドワーフで最高の鍛冶師となり、数多くの遺跡級から神器級装備を作り出していった。

 そして世界最高の鍛冶師と呼ばれて調子に乗ったベルベウスは300年間も種族問わずに素材を持ってくれば最高の装備を作り、手に入った素材でも最高の装備を作り続けて高く売った。


「だがよ・・・世界最高の鍛冶師だなんてもてはやされてよ・・・300年も籠って装備を作り続けて来たが装備なんて冒険者や戦争でしか使われねぇ。冒険者ですら戦争に参加する。そして気が付いたんだよ。俺が作った装備で世界が荒れているってな・・・俺のせいで戦争が起きて大量に死者が出たって気がついちまってな」


 確かにこの世界は種族で仲が悪いから常に戦争をしているし、種族内でも争ったりしている。

 そこに凄い装備が手に入ったら戦争を仕掛ける事になるきっかけとしては十分だ。

 そして守る側も良い装備を用意しておかなければ対抗できないとおっちゃんに依頼して更に戦場が悪化するという最悪の悪循環だ。


「だから俺はもう装備を作らないと決めてドワーフの国をこっそりと抜け出した。もう鍛冶はしたくないから色々な国へ放浪の旅をし続けた。そして暫くしたら俺の名前を聞かなくなって死んだことになったんだろうな。そして750年前にコースランデ王国で遊び半分の金物屋を始めた。そしたら笑っちまうぜ!俺の作った鍋とか包丁とか最高に話題になってよ!飛ぶように売れるんだぜ!ワッハッハッハ!」


 だが素晴らしい金物や包丁を作るなら最高の装備も作れると思われてしまい、国から装備を作ってくれないかと言われてしまう。

 ずっと断り続けていたがある時、殺戮者と言われる勇者がふらっと店に来て世界を操り、戦争をさせて荒らしている神を殺さないといけないと言うオウタンに出会ったそうだ。

 何でオウタン?OUTAN…NATUO…ナツオかよ!

 戦争を嫌うおっちゃんはその言葉に面白いと感じ、依頼を受けて紫のインゴットを渡され覇王の鎧を作ったそうだ。

 オウタンが一緒に召喚された仲間の勇者に裏切者として殺されてしまい、本当に神はおかしいのかも知れないと思い、オウタンから聞いて知ってしまった自分も殺されるかも恐れがあると思った。

 そしてすぐにコースランデ王国を出たようだ。

 そこからひっそりとしながら世界中を回って、20年前にこの街について飯処の砂漠のオアシスでマズイ飯を食っている所で、現在の奥さんに一目ぼれしてソードグランスに生活を始めた。

 生活費を稼ぐために本気を出さずに鍛冶屋を始めて今の奥さんに告白して現在まで定住しているようだ。


「おっちゃん。壮絶な人生ですね・・・。でも俺と出会ったのは偶然ではないかもしれません。いや女神様の誘導で間違いなく必然です」


 苦笑いしながらおっちゃんはケイスに言ってくる。

「あ?女神様?1350歳の素敵なおじ様を捕まえて、お前さんと出会うのが必然ってどういうことだよ。あっちの気もあるんか?」


 変な事を言い出すおっちゃんにイラっとするがまずは説明せねばなるまい。


「んなわけあるか!ちょっと聞かれたらマズイ話になるので防音結界を張ります」


 断りを入れてからケイスは防音結界を張ってから伝える事にする。

「おっちゃん。絶対に大声で驚いたりはしないでくださいね。流石に防音結界でも外に聞こえてしまうかも知れないので」


「おう。神殺しの話しを聞いても笑った位だから大抵の事は大丈夫だ!兄ちゃんに告白されても軽く断ってやるぜ!ワッハッハッハ!」


「おっちゃん、殴っていいですか?ではまずおっちゃんから貰ったインテリジェンスウェポンの槍が進化したので紹介します。驚くと思いますが大声を出さないでください。ジャンヌ、変化してくれ」


 槍を立てかけてからジャンヌに問いかけると光を放ち、ジャンヌに変化した。


「ベルベウスよ。我を作ってくれた事に感謝する。我が名はジャンヌ。3000年前の滅んだ文明で将軍、いや王をしていた者だ。お前のおかげで最高の相棒に出会えた」


 おっちゃんが顎を外しそうな程に、いや多分あれは外れているかも・・・大口を開けて無言で驚いていた。


いつも読んで頂き、ありがとうございます。

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