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「本当ですか!?ヤッター!おじちゃんにかっこいい剣を作ってもらえますー!」
大はしゃぎするルル。ケイスもホッとして聞いてみる。
「ありがとうございます。それでどれくらいの期間が必要になりますか?」
「んーそうだな。剣を作る工程で1週間は欲しいな。ただ属性インゴットに魔力を込める事が出来る奴を探すとなると…。1か月は欲しいかも知れねぇな」
1か月は非常に困るので提案をするためケイスは聞いてみる事にする。
「あ、その属性インゴットに魔力を注ぎ込むのってどうやるかご存知ですか?やり方さえわかれば俺が出来ると思います」
「あ?兄ちゃん槍を買ったのに魔法使いなのか?だが相当魔力が高くて無詠唱が出来る奴じゃないと出来ないぞ?」
お!これは行けるとぞと確信する。
「大丈夫です。無詠唱はできますし魔力は吐いて捨てるほどあるので」
苦笑いしながら言い出すおっちゃん。
「クックック。インテリジェンスウェポンに認められた兄ちゃんだしな。魔法を放つ時にイメージするだろ?その放つ寸前の魔力をインゴットに込めると属性色の魔力インゴットが出来るんだ。イメージせずに純粋に魔力だけ大量に込めると真っ赤な魔法インゴットになって、好きな魔法を纏わせる事ができる魔法剣になる。魔法剣士じゃないと意味ないから獣人の嬢ちゃんには意味がないな」
「なるほど。だから雷神剣は黄色であったり、疾風のレイピアは緑色だったのか」
「そうだ。その属性に合った色になる。あーそれと熟練の獣人族は気力を込めて青いインゴットを作るな。これは切れ味が増すんだが嬢ちゃんに込める事が出来るほどの大量な気力があればだがなぁ」
ケイスは驚いてしまう。
「え?気力も込められるのですか?」
「おう!獣人族なら気力を持っているからな。スゲー切れ味になるんだよ!獣人族は他種族と交流しねぇし、属性インゴット自体が相当希少だから滅多に見ねーがな!ワッハッハッハ!」
笑っているおっちゃんを見ながら考える。
確かにルルは気力を毎朝グルグルさせるトレーニングを魔力と同量になるくらいはやっているが、どれほど必要かはわからない。
しかし、日常で常に魔力も気力もグルグルさせているケイスは両方共に大量にある。
ここでケイスはある事に気づく。
ジャンヌやリルなら知っているかも知れないと思い、ジャンヌと念話をする。
『リル、ジャンヌ、知っていたら教えて欲しい。魔力と気力を混ぜると神闘法でスパークが紫色になる。そして神特効を持っていた残虐覇王の鎧は紫色だった。属性インゴットに両方を込めれば紫色になるんじゃないかと思うのだが・・・』
『すまん。我の時代には属性インゴットは見つかっていなかったため、宝玉に魔力や気力を込めていた』
『わ、童も神獣だから警戒するために神特効なる装備がある事は聞いていたが・・・実際に見たのは初めてじゃったし作り方は流石に知らないのじゃ・・・ご主人様の力になれずにごめんなさいなのじゃ』
いきなりシュンとなったリルに皆、変な顔をして見ている。
「おっちゃん。もし込めた魔力が失敗した場合ってどうなりますか?」
「ん?弾かれるだけで何も起きねーから安心しろ」
よし!チャレンジできる!
「一回試してみたい事があります。やって見てもいいですか?」
「おう。構わねーよ」
ケイスは属性インゴットを両手に持って同量となる様に魔力と気力を注ぎ込み始める。
魔力はまだ1%も注ぎ込んでいないが気力は10%程度を注ぎ込んだ所でインゴットは紫色に変化した。
「で、できちゃった」
「おおお!流石ご主人様じゃ・・・まさか本当にできてしまうとは・・・かっこ良すぎるのじゃ~」
リルがシュンとしていたのにいきなりクネクネし出す。
「お、お、お、お、お、お、お、お、お、オイ!その色は!?ま、ま、ま、ま、ま、まさか・・・オウタンと同じことが出来る奴がいるとは・・・」
おっちゃんが驚愕といった顔をしながらラッパーになっている。
「え?オウタン?おっちゃん。この色のインゴットを知っているんですか?」
「あ、あぁ。昔、召喚された勇者に装備を作る様に頼まれてよ。何かちょっとおかしな事を言う奴でな。神と戦う必要があるとか言って、紫のインゴットを渡されてよ。神を殺すとか面白いからやって見ろと作ったんだよ。作った鎧は物凄い性能で全ての耐性が最高の物が付いたんだよ・・・まぁ仲間に殺されちまったがよ・・・」
何か聞いたことある話が飛び出して来たぞ。
しかも召喚された勇者なら日本人のはずなのにオウタンってなんだよ!
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