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現在飽き男君の裁判が行われている。
女性4人のルル、リル、ブリキッド、ジャンヌが飽き男君の四方を十字の様に囲むように椅子に座り、その中央で飽き男君は正座をしている。
しかもゴツゴツすぐ蹴れる様に距離が物凄く近い。
そして飽き男君の顔がボコボコに殴られて完全に変形していた。
ケイスはこのままでは飽き男君が本当に殺されてしまうかも知れないと思い、庇う様に飽き男君の隣に立っている。
リル裁判長が進行を行う。
「ではこれから被告人アキオの裁判を始めるのじゃ。罪状はご主人様の部屋にノックもせずに入り、ご主人様の秘密を知った。それだけでなくご主人様のお尻まで狙っておる疑いがあるのじゃ」
「これは許せませんねぇ」「ああ!絶対に許せねぇ」「・・・・・・・・・」
ジャンヌは無言で可愛らしい顔をしているのだが、流石の元将軍だ。
目力が凄いので一番怖い。
「では多数決で決定するのじゃ。被告人アキオは死刑に処するのじゃ」
「異議なしですぅ!」「異議なしだ!」「・・・・・異議なし」
えーーーーージャンヌまで意義ないのかよ!
「ひぃーーーー!」
飽き男君は完全にボコボコの顔で泣きそうな、いや泣いている。
この流れはマズイ!
「ちょっと待て待て待て!それだとお前らだけで完全に決まっちゃうだろ!アキオは恋が実った嬉しさでノックを忘れただけだぞ!?流石に許してやってくれよ!」
流石に一方的な判決で飽き男君が殺されてしまうのは見ていられないので助け舟を出す。
「むぅ。ご主人様はアキオに甘すぎるのじゃ!誰にでも優しいのもご主人様の魅力でもあるのじゃが・・・」
「そうですねぇ。ケイスさんの半分は優しさで出来ていますねぇ」
「そうだな!ケイス様は優しいくてかっけぇ!」
バファ〇ンかよ!とりあえず流れは変わってきたから後一押しだ!
「だから情緒酌量の余地があると思うんだ!俺は元々アキオをこっちに引き込むつもりだったし」
「ケ、ケイスさん!ありがとうございます!一生ついて行きます!」
飽き男君がケイスの足にしがみ付いてお礼を言っているが半分俺のせいな気もする・・・。
裁判長が困った顔をして考えながら言い、急に恐ろしい事を告げる。
「むぅ。ご主人様の願いを叶えるのが我らの使命じゃ。アキオ!お主を情緒酌量の余地ありとして契約書を結ぶのじゃ!もし違反した場合はご主人様の奴隷となるのじゃ!」
とりあえず死刑は免れたが奴隷はかわいそうだろ・・・。
「わ、わかりました!ん?ケイスさんの奴隷?むしろずっと一緒に居られていいかも知れない・・・」
おい!そういうこと言うな!やはり飽き男君はバカなのか!
「やはり殺すとしようかのぅ」「ええ、殺しましょう。今すぐにでも」「ああ!殺そう!アタイにやらせてくれ!」「・・・・こいつは死んだ方がいい」
「ひぃぃぃーーーー」
ケイスの足に抱き着いてくる飽き男君。
このバカすぎるのは死ななきゃ治らないと思うが死なれては困る。
「待て待て!アキオにはやって貰いたい事があるんだ!落ち着け!アキオをもし殺したらこの国にもいられなくなるし、今後が困る!俺がアキオをお前らから全力で守るからな!」
「ケ、ケイスさん!そこまで僕の事を!」
「ぐぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎ」
歯ぎしりし始める3人、どんだけアキオを殺したいんだよ!
「チ」
舌打ちするジャンヌ。
ジャンヌ!キャラが変わってきているぞ!いい事のはずなのに何故か残念で仕方ない。
「アキオ。いいか?今から言うことは絶対に誰にも言ってはいけない事だ。今まであったと思うが今日はボーっとしている感覚は一度でもあったか?」
「い、いえ!ありません!前は急にボーっとする瞬間はありましたけど。多分ですが改心してからはないです。何で知っているのですか?」
恐らくケイスに心酔して見限られたのであろう。飽き男君にこれまでの経緯や偽の神の話しをして、それを倒そうとしている事を話す。
「そ、そんな・・・。僕がケイスさんの敵になっていたなんて・・・確かにローヌ商会へ1日早く行くと強力な武器がある夢を見たり、ケイスさんと決闘をする夢を見ました・・・。それ以前にも夢の通りにすると些細な事でしたが都合が良い事ばかり起きていました・・・。あ!今考えると途中から夢を見るとケイスさんが必ずいた・・・」
もはや間者確定である。
「そうか・・・。やっぱり偽の神は俺を監視させようとしていたんだな・・・。でもお前が偽の神から見限られていてよかった。それでなアキオにやってもらい事があるんだ」
飽き男君いや、そろそろアキオに戻そう。
アキオをケイス側に引き込み、ある事を願いする。
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