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エリさんが魔力切れになりケイスの胸元に倒れてスースーと寝息を立てている。
「ひ、酷い目にあった・・・。で、でも流石に責任は取らないとダメだよな・・・リルの忠告をもっとしっかり聞いておくべきだった・・・」
見た目は清楚で普段の発言も控えめなエリさんからは想像が付かない強行であったため、完全に油断してしまったケイスはエリさんの寝顔を見ながら思う。
こうしていると普通に清楚で可愛らしい女の子なのになぁ・・・。
「責任は持つとしてもあの『ショック』プレイだけは何とかしてもらわないと・・・」
エリさんは天然バイブとなったケイスで何度もイっていたため、癖になられると非常に困る。
ただでさえうちのメンバーは癖だらけなのに・・・。
はぁとため息をついて眠りにつくケイス。
翌朝、目が覚めると胸元にいたエリさんと目が一瞬だけあった。
何故、一瞬だけかと言うとエリさんが寝たふりを開始したからである。
「エリさん、目が合ったよね?おはよう」
「うぅぅ、お、おはようございます。ケイス様」
恥ずかしそうに両手で顔を塞いでいるエリさん。
「えーっとその、昨日はあんな形でする事になってしまったけど、男として責任は取るから安心してね。次から『ショック』は辞めて欲しいな・・・」
ケイスが言うと顔を隠しながら泣き始めるエリさん。
「ご、ごめんなさいぃ。わ、私、我慢できなくなってしまってあんな事を・・・嫌わないでください。生きていけなくなってしまいます。うぅぅ」
何でこんな清楚な子があんな強行に出たのか不思議に思っていたケイスにエリさんがハっと何かに気づいた様に続けて言う。
「え?今・・・責任を取ってくださると仰って頂いたのですか?」
「え?うん。流石に抱いてしまった子に責任を取らないなんてことをしたくはないからね」
「う、嬉しいです。あんな事をしてしまったのに・・・。あ、愛しております。ケ、ケイス様」
両手で顔を覆い泣きながら言うエリさん。
可愛いのか怖いのかわからない子だな・・・。
「急だったからちょっとあれだけど・・・少しずつ愛を育んでいこうね。エリさん、愛しているよ」
エリさんは両手を外してケイスの顔をびっくりした顔で見た途端。
「う、うえーん!嬉しすぎてどうすればいいのかわかりませんー!」
ブルブル震え出して号泣してしまうエリさん。
ビックリしてしまうがそっと抱きしめてあげるケイス。
こりゃ朝練はちょっと遅刻かな・・・。
泣きじゃくるエリさんの背中をポンポンと優しく叩きながら、日本で愛は人を狂わせるという言葉が頭に浮かび上がったケイスであった。
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