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大暴走終了の会議を終えて王城の食卓でいつものメンバーが夕食を取っていた。
王様が全員の着席を確認してから告げる。
「今日は本当にありがとう。皆のおかげでほとんど被害が出る事なく大暴走を終息させる事ができた。これほど嬉しい事は初めてだ!今日は最高級の食材を使った食事になっている。好きなだけ食べて戦いの疲れを少しでも癒してくれ」
おおー!と歓声が勇者パーティとケイスパーティから上がる。
一名の食いしん坊が天井に届かんばかりにジャンプしているのが横目で見えたがきっと気のせいだ。
食事が始まった直後に飽き男君が興奮しながらケイスに話しかけて来た。
「ケイスさん!今日はサポートして頂いて本当にありがとうございました!それで僕の必殺技を見て頂けましたか!?」
ケイスは食べていた物を飲み込んでから苦笑いで答える。
「う、うん。見たよ。凄くビックリしたよ。あんなの良く開発したね。下手すると開発中に死にそうな気がするけど・・・」
飽き男君がよくぞ聞いてくれましたと言わんばかりに興奮して言ってくる。
「いやーははは!ありがとうございます!開発中に何度か死にかけましたけどケイスさんの事を思えば頑張らないと!と思ってエリに回復の協力をして貰って何とか習得する事が出来ました!」
コイツは本物のバカだと思うケイスは若干引きながら言う。
「そ、そうなんだ。無理はしないようにね。後、名前は変えた方がいいんじゃないかな?ライトニングスラッシュでもいいと思うのだけど・・・」
「ライトニングケイススラッシュだと気合が入って威力が1.2倍に上がるのです!勝手にお名前をお借りしてしまって申し訳ないですが、敬愛するケイスさんの名前を入れると気合が入るんです!」
ケイスは飽き男君が本当に怖くなってきた・・・。
「やはり殺すしかないのじゃ」「ぼぶべぶべ!ぼぼびばびょう!」「殺す!」
飽き男君はいつかうちのメンバーに本当に殺されてしまうのではないだろうか・・・。
話題を変えた方がいいなと判断したケイスは他の勇者パーティに会話を振る。
「きららさんのタンクは凄かったね。アタッカーの3人も攻撃しやすかったんじゃないかな。エリさんの補助も凄かったし、勇者パーティの安定性が凄く上がったのが今日の戦闘を見ていて思ったよ」
エリさんが物凄い勢いで聞いてくる。
「本当ですか!?認めて頂けましたか!?」
いきなり勢いづいて言ってくるエリさんに腰が引けてしまう。
「う、うん。実際に無詠唱であそこまでサポート出来たらサポーターとしては完成形に近いんじゃないかな」
エリさんがホッとしたように胸の所に両手を握って下を向きながら言う。
「良かった・・・。ケイス様に認めて貰えてうれしいです!」
リルから「スンスンスンスン」と聞こえてくる。
きららさんも褒められたのが嬉しそうのか上機嫌でケイスに言う。
「本当ですか~!?いや~ケイスさんに言われるとすっごい嬉しいね!頑張った甲斐がありましたよ」
相変わらずイントネーションがおかしいが喜んでいる様なので追加で褒める。
「魔力操作も上手くなってきているから魔闘法ももうすぐ使えそうだしね。成長著しくて実際凄いと思うよ」
「頑張りまっす!魔闘法が出来たら褒めてくださいね!」
照れて赤い顔をしながら目の所に開いたピースサインを作っているがギャルだから全然萌えないね。
ミクさんも便乗して聞いてくる。
「私はどうだったなの?」
何で俺が全員褒める流れになっているんだと思いながらも答える。
「ミクさんも初級魔法は全部無詠唱で使える様になっていたから凄いよね。オークキングはだいぶ嫌がっていたね。流石、メンバーで一番魔力操作が上手だっただけあるよ」
ミクさんはニコ―と首を横にしながら細目になっていう。
「ありがとうなの。ご褒美は安眠抱っこでいいの」
まずはその巨乳を減らす魔法を作る事からしようか、と酷い事を考えるケイス。
そして食事が終わりケイスはパーティメンバーとお風呂に向かう途中でエリさんに声をかけられた。
「ケイス様!お約束させて頂いたお願いの件なのですが、後でケイス様のお部屋に伺ってもよろしいでしょうか?」
「う、うん。俺が、できる事、であればいいよ」
「ありがとうございます!」
エリさんはスキップしながら去っていった。
「積んだのじゃ」「積みましたねぇ」「手遅れだ」
いきなりパーティメンバーが口を揃えて言い出す。ケイスは危険を察知し3人に助けを求める。
「えっと3人とも俺の部屋で一緒にいてくれないかな?」
「そしたら5人でする事になるのじゃがいいのか?ご主人様」
「え?そんな事にはならないでしょ?」
「甘いですねぇ、ケイスさん。今日は私の番でしたのにぃ」「ケイス様は甘い所もかっけぇけどなぁ」
何で確定事項みたいになっているのだ・・・冷や汗を欠き始めるケイスであった。
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