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救済の英雄譚~ゆかいな乙女達~  作者: アビ
7章 大暴走を止めろ ~ムッツリ神官エリの狙い~
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 大暴走の魔物がグングンと近づいてきており、王都の150m付近まで近づいた所で移動阻害の風が吹き始める。

 ダリル隊長が声を拡声する魔道具で全部隊に聞こえる様に合図を出す。


「射撃開始―!」


 一斉に3000の兵士や冒険者たちから矢と魔法の嵐が魔物たちに降り注ぐ。

 移動が阻害されているため、避ける事もなくバタバタとゴブリンやコボルトは倒れていく。


「すぐには無理だろうけどオークキングだとここから行動は変わるかな?」


 ケイスはここから敵の軍の動き次第でボスがわかるだろうと考えていた。

 魔物の軍勢は突撃し続けて弓や魔法を浴び続け既に4000近くの屍を晒していた。

 しかし、突撃が止まり魔物軍勢は射程外の300m付近で一塊になり始めた。


「やっぱオークキングだな」


 ケイスが呟くと、ダリル隊長が同意の意見を言ってきた。


「そうですね。予測としては一塊になって突っ込んでくるか迂回を始めるか。それとも引いてしまうかのいずれかだとは思いますが引かれてしまうと討伐隊を組む必要が出るので決着を付けたい所ですが・・・」


 ゴブリンやコボルトは大体120~140cm程度でオークは大きくても200cmほどであるが、軍勢の中に4mほどが3体、6mはありそうなのが1体見える。


「あの6mくらいありそうなのがキングで4mくらいのはジェネラルですか?」


 質問するとダリルさんが答えてくれる。


「そうです。ジェネラルが3体もいるのは想定外ですね」


 うーん、ケイスが敵の軍勢の背後から強風を吹かせてこちらに転がさせる事は可能だが、そこまでやってしまうとケイスの功績が目立ちすぎてしまう。

 どうするかなぁー来てくれないかなーと考えていたところに戦況が動き出す。

 王都の塀の北西から一人が飛び降りて魔物の軍勢に向かって走り出したのである。


「逃げるのは卑怯なのですー!かかってこいこの豚やろう共ー死に晒せですー!」


 そこには巨大な剣を振り回しながら魔物軍勢に向かって走っている兎さんが居た。

 ブーーーーー!と吹き出してしまうケイス!

 あのバカ兎が!作戦のさの字もないぞ!


「あのバカ!ルルなら大丈夫だろうとは思うが流石に目立ちすぎるだろ!」


 そしてルルは兵士さん達に大人気であるため、兵士さん達も勝手に門を開け突撃し始めた。


「ルルちゃんに続けーーーーー!絶対に守れーーーー!」


 ダリル隊長も焦ったのか全軍に指令を出す。


「ぜ、全軍、待機組も突撃―!」


「はぁ、アキオ。行こうか・・・。ごめんな。形は違うが絶好のチャンスであるのは間違いない」


「はい!流石にルルさんにはびっくりしましたが逃げられるよりはいいかも知れませんね・・・」


 苦笑いする飽き男君。

 作戦は違うが逃げられるよりいいかと全兵士や冒険者達に向かってエリアトリプルブーストをかけるケイス。


「うおおおおー!ルルちゃんへの愛で力がみなぎってきたぜ―――――!」


 兵士さん達は勘違いも甚だしい事を言いながら突撃していく。

 敵の軍勢も逃げている最中に追撃されるのは被害が大きくなるため、こちらに向かって突撃を開始し始めた。


「ブリギットならここからでも狙えると思うからオークを優先的に排除してくれ。トリプルブーストがかかった人達ならゴブリンやコボルトには負ける事はそうそう無いと思う。リルが来たら敵の前線に『ショック』を使い続ける様に伝えてくれ」


「わかった!ケイス様!気を付けてくれ!」


 コクリと頷いて勇者パーティーと塀から飛び降りて前線へ向かうケイスであった。


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