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翌日の朝練を終えて男風呂にケイス、リル(子犬)、飽き男君、カイ、キースの5人で入っていた。
「くっそー!未だにケイスパーティメンバーから一本も取れねーぜ」
カイが笑いながら言う。
「僕も吹っ飛ばされまくりだよ。なんか僕の時、ケイスさんのパーティーメンバーは何故か殺気が感じられるんだよね」
ブルブルっと震えながら言う飽き男君。
「当たり前じゃ。アキオはご主人様に危機を覚えるからのぅ。訓練中の事故なら問題なかろ?」
「リル、流石にそれは無いから辞めてあげてよ」
「そうです。僕はケイスさんを敬愛しています!一生後ろからでもついて行きたいだけです!」
何でコイツはこういう発言ばっかするんだ・・・。
「アキオはやはり排除する必要があるのぅ」
話題を変えようと思いケイスは飽き男君に話をする。
「アキオって最初とキャラが全然違うけどどっちが素なの?」
「今のが素なんですけど3年前、こちらに来る2年前ですかね。大事な人を亡くしてしまってから荒れちゃって・・・アハハ。お恥ずかしい限りです」
「そうだったのか。それは荒れても仕方ないかも知れないな・・・。今のアキオの方が絶対いいよ。そろそろ女の子とかからお誘いとか来ているんじゃないの?」
「えっと・・・ちょっとはお話し頂いたりしているのですが・・・まずは自分の立場をしっかりと確率させて、自分が納得したら一人の人へ告白しようと思ってて・・・」
いきなりカイとキースが乗り出してくる。
「オイオイオイオイ!なんだそれは?誰だよ?」
「やめてくれよー恥ずかしいんだから・・・。ひどい事したのにずっとついてくれてさ。もちろん心を入れ替えて謝った時も笑顔で応じてくれて・・・素敵な人だなって思って。大暴走でいい結果を出せたら告白しようと思っているんだ」
誰に告白するかバレバレだぞ飽き男君、でもその恋は実りそうだな。
「リーンですか?アキオさん」
キースが空気を読まずに飽き男君についている侍女さんの名前をぶち込む。
「え?え?え?な・・・何でわかったの?」
「ふはははは!バレバレだろ。でも結果を楽しみにしているよ。アキオの恋を実らせられる様に俺もボスまでしっかりフォローしないとな」
わかりやすすぎて全員で笑ってしまう。
「そ、そういうカイやキース様はどうなんだよ!お前らも教えろよ!ずるいだろ!」
飽き男君が顔を真っ赤にしながら二人に問いかける。
「俺は強くなりたいし師匠との訓練で頭がいっぱいですね。今は恋なんてしている暇はないです!師匠からいつか一本取ります!」
キースが12歳とは思えないかっこいい事を言っている。
「俺はもちろんいるっちゃいるけどよ。流石に名前は言わねーよ。やっぱあれだな。身近でずっと甲斐甲斐しくして貰うといいなぁって思っちまうよな」
飽き男君と言いカイと言いバカなのかな?バレバレすぎだろ。
「ターニャですか?カイさん」
相変わらず空気を読まないキースはカイについている侍女の名前を言う。
「な!なんでわかったんだよ!キースお前はエスパーか!?」
「こやつらはアホなのかのぅ。誰でも気づくじゃろ」
子犬が呆れたように言い出す。
「侍女達は貴族の娘たちの花嫁修業と出会いを兼ねて侍女をしているのでいいと思いますよ。勇者が活躍したら叙爵は間違いないですし、是非是非コースランデに勇者の血を入れてください」
キースは大物かもしれん・・・そして勇者パーティーはバカばかりだ。
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