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救済の英雄譚~ゆかいな乙女達~  作者: アビ
7章 大暴走を止めろ ~ムッツリ神官エリの狙い~
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 ボス部屋前に分厚い絨毯を引いて各自座ってジャンヌも呼び出して話し出す。


「リル、俺が意識を失って死にそうになったりする可能性もあるから、今回の神のしずくを万が一に備えてリルに持っておいて貰いたいんだけどいいかな?」


「考えたくもない事じゃが保険は大事じゃしな。わかったのじゃ」


 リルに神のしずくを渡すと手のひらに乗った神のしずくはリルが念じたとたん消えた。


「え?え?どうやったの?なにそれ!」


「乙女の秘密じゃ~」


「なんだよそれ。まぁちゃんと持っていてくれるならいいけどさ。それでジャンヌ、残りのパーツってどこにあるんだ?」


「二つのダンジョンに反応が分かれている。一つは大陸の最南西にあるダンジョン。もう一つはここから西よりに北西に行ったダンジョンだ」


「最南西って幻の都かな?」


「多分そうじゃろな」


「西よりの北西って言ったら獣人の森か死者の森あたりになるけど、その辺りにダンジョンってあるかリルはわかる?」


「んーそうじゃな。いくつか候補はあるがヒントが少なすぎて何とも言えないのじゃ」


「ジャンヌ、地図を見ればわかるかな?」


「ああ、反応から距離は大体だが割り出せるはずだ」


 ケイスは収納から購入しておいた世界地図を取り出し広げる。

 そしてジャンヌが指さしたのは森の中央部だった。


「死、死者の森のダンジョンか・・・」


「最も難しいと言われるダンジョンじゃなぁ。見事にNo1とNo2に分かれてしまっているのじゃ」


 ジャンヌが意外な一言を言う。


「いやそれは無い。我の時代から考えれば最南西のダンジョンの方が難しいはずだ。あそこは兵器工場だったから中には自立型兵器が闊歩しているはずだ。しかも北西のダンジョンは普通の森の中にあったはずだ」


「そうか。ジャンヌの時代は普通の森だったのか」


「そのはずじゃ。あそこはランク5ダンジョンが400年前に大暴走を起こして小さな一つの国が滅んだ結果で死者の森になったのじゃよ」


 さらっと重大な事を言うリルにケイスは唖然とする。


「な!物凄く重要な事さらっと言いやがった!俺が死者の森から出てきたって言った時に教えてくれても良いのに」


「ふむぅ。あんまり今後には重要な事ではないから言う必要がないとは思ったのじゃが・・・ごめんなさいなのじゃ」


「あ、ごめん。謝る必要はないよ。俺もまさか知っているとは思わなかったし、内容を教えてもらっていいか?」


 死者の森は元々ダークエルフが住んでおり、数が少なく他種族とは全く関わりを持たずにひっそりと暮らしていたようだ。

 ダークエルフは魔力に優れ、闇魔法と呼ばれる呪いなどにも精通しており、それを元に戦う種族だった。

 しかし、森にあるランク5ダンジョンが大暴走を起こし、全てのダークエルフと勇者が全力で立ち向かったが、他種族と全く関わりも持たずにいたダークエルフ達は応援をお願いする事もなく滅亡してしまった。

 そのまま闇魔法などで荒れてしまった森はランク5ダンジョンから溢れた魔物と呪いがかかった森に変化してしまったようだ。


「なるほど。じゃあそのダークエルフの国で使っていた召喚の石板が残っていて100年後から使徒が召喚される様になったと言う訳か・・・一人目の使徒は魔物に殺されたか、そもそも歴史が消されているだけか」


「恐らくそういうことになるのじゃ。しかし、本来は国が滅びた時には召喚の石板は消えていたのじゃが、何故かあそこにだけは残ったと言うことになるのじゃな」


「偽の神はランク4以上が闊歩する呪いの森に入る人はいないから、面白いとかの理由で残した可能性はあるかも知れないな。確実に強い間者が100年に1度は手に入る訳だし」


「それはあり得る話しじゃな」


「年が明けるまで後2か月くらいだし、大暴走が終わった後の行動が決まったな」


 どっちから行こうかなど相談していたらあっという間に30分が経ってしまったのでドラゴンを始末してからまた後でと言う事になった。


いつも読んで頂き、ありがとうございます。

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