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王様に時間を貰え王様の執務室に集まり、ジャンヌはパフォーマンスのために槍に戻っている。
「全員揃って来たという事はかなり重要な話しなんだな?ケイス殿が持ってくる話しは寿命が縮まりそうで怖いわ!グッハッハッハ!」
ケイスは槍を壁に立てかけ防音結界を張りながら答える。
「はい、今回のはスケールが大き過ぎます。一応、防音の結界は張りましたがリーンハルト殿、大きな音は流石に漏れてしまうので大きな声は出さない様にお願いします」
説明しながらケイスはリーンハルトの座っている後ろに立つ。
「なんだ?どうして後ろに立つのだ?」
「保険のためですよ、ハハハ」
ん?っという顔をしたがわかったと王様が言う。
「ジャンヌ。では頼んだ」
槍が光だし収まると緑の軍服を来たジャンヌがそこにいた。
「な!モゴモゴモゴモゴ」
「リーンハルト殿。大声を出さない様にお願いします」
少ししてリーンハルトがコクコクと首を縦に振ったので、ケイスはリーンハルトの口から手を離す。
それを確認したジャンヌはゆっくりと語りだす。
「我の名はジャンヌ。3,000年前に滅んだ文明の軍事国家の将軍、わかりやすく言えば王をしていた者だ」
「な!モゴモゴモゴモゴ」
「リーンハルト殿?」
また少しするとコクコクと首を縦に振ったのでケイスは手を離す。
「す、すまん。王として恥ずかしい姿を見せてしまったな。もう何が来ても大丈夫だ。覚悟が出来た」
「わかりました。これからは今まで以上にスケールが大きい話しになるので覚悟をもっと大きく持って置いた方がいいですよ」
ケイスとジャンヌはソファーに座る。
そしてジャンヌが3000年前に滅んだ経緯と偽の神の話をした。
そしてジャンヌが終わった後にケイスが勇者や神獣は間者であり、世界を偽の神が都合の良い様に操っており、今度の100年戦争について話をする。
「な・・・なんと恐ろしい話しだ。し、しかし3000年前は文明が発達しすぎたことや2国しか残らず戦争を繰り広げていたから偽の神が現れてリセットしようとしたのだろう?今回もそうなるとは限らないのではないか?」
「いえ、3回目の100年戦争で偽の神も意図せぬ大戦争になる傾向が出始めたので、今回の100年戦争を意図的にもっと大きな大戦争にして楽しんだ後にリセットすると思います。人族とエルフ以外は使徒を召喚しており、偽の神によって過去の英雄も再召喚されています。間違いなくいくつかの種族が滅ぶまで止まる事はないでしょう。俺と言う異物もいますしね」
「し、しかし戦争をしかけられても海にすぐ逃げる海人族や全種族と仲良くしているドワーフもいるのだぞ?」
「俺が偽の神なら海人族の使徒に海人族が信仰しているリヴァイアサンを使役できる様に夢をみさせて召喚させますね。アークランドからしょっちゅう戦争を仕掛けられた恨みが貯まっているはずなので仕掛けてくると思います」
「ぐぅ。確かにあり得る話しだ・・・。し、しかしドワーフは全種族とも仲良くしているのだから流石に・・・」
「いえ、ドワーフ族は間違いなく仕掛けて来ます。ちなみにこの国のドワーフはまだいますか?」
「なんでそれを知っているのだ?戦争準備のために装備の依頼をしに行ったのだがもぬけの殻だったのだ。ま、まさか・・・」
「はい、ドワーフだけ既に100年前から戦争を開始していたのですよ。経済戦争という別の形でね。一番賢く狡猾な手段ですよね。装備作成でお金を他国から吸い上げつつ、ドワーフに注文が偏るから各国の鍛冶師が減る。集めたお金で冒険者を大量に雇い、自国の装備もドワーフの技術とそのお金を贅沢に使い完全に強化する」
「ぐぅぅぅぅぅ」
王様が唸り声を出して沈黙してしまう。
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