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救済の英雄譚~ゆかいな乙女達~  作者: アビ
6章 この世界の真実 ~感情のない軍人美女ジャンヌ~
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 ジャンヌの話しを聞いてこの世界の真実を知ったケイスパーティは今後の事を話し合っていた。


「俺達の敵はわかったが、恐らく勇者も自覚はないが間者だろう。この国には勇者パーティがいる。情報が漏れてしまってはこちらが不利になってしまう。まずは勇者パーティを神に見限らせなければならない」


 みんなうーんと考える様な顔をしている中でリルが言う。


「童も含まれる話なのじゃが目を共有する事ができるのであれば何故見限る事をするのかが不明じゃ。童を完全に見限らずに目だけを利用しなかった理由がわからないのじゃ」


 ケイスもそれは思っていたが、ある仮設を立てていた。


「俺の仮説にはなるが恐らく神の目を利用したり、夢を見せたりするには力、神力とでもいうのかな?を使うのではないかと思う。そして間者と繋がっている間も使っている可能性があると思う。特にリルの様な神獣や使徒の様な強力な相手と複数繋がっている事は神力にかなり制限がかかっていたんじゃないかと思う。ただでさえ今回は神がイレギュラーで神力を使いアベルや魔王、獣神を蘇らせた事もあるからな」


「なるほどのぅ。それであれば辻褄が合うのじゃ」


「例えばリルの様に既に神よりも俺を完全に選んだ者であれば神の目に乗っ取られた感覚が出たら、合図を出してその場から退出してもらえば済むだけだしな」


「な、なるほど。そんな手があったのじゃな」


「ああ、ブリギットも恐らく神は全く操れなかっただけで見限っている事を考えると、勇者パーティも同じ状態にすれば5人もいるし見限る可能性は非常に高いと思う。ただ保険として1人くらいは残す可能性はあるかも知れないな」


「アタイを操ろうなんざ甘いんだよ!クソ神め!ガッハッハッハ!」


 ブリギットが大爆笑しているがエルフを滅亡寸前に追い詰めたのはお前だぞ?と言いそうになるのをグっと堪える。


「なるほどのぅ。それであれば恐らくじゃがアキオ辺りは既に見限られてもおかしくないかも知れんのぅ。エリもあり得るのじゃ」


「ああ。今考えるとローヌ商会へ装備の商談を一日早く来たのも、アキオ辺りにもっと強力な装備が手に入るかも知れないと夢を見させたのではないかと思う。そしてアキオを使って俺の実力テストをした可能性は非常に高い。あの時のアキオはすぐに手を出していたからな」


「じゃが、どうやってご主人様の存在に神は気づいたのじゃ」


「それは俺も堪になっちゃうけど、神が作った石板が女神様に乗っ取られて異物が世界に入り込めばわかるんじゃないかな。よく考えてみたらソードグランスに着いた時はボロボロの血まみれの服なのにすんなり街に入れたし、どう考えても怪しい俺が魔王候補が街に来るとか夢を見せてソードグランスにいる勇者や兵士に監視させていたとかもあり得るかもね」


「た、確かに普通にあり得る話じゃな。ご主人様は本当に良く頭が回るのぅ」


「こっちに来る前の自分に比べて頭が回りすぎたり、何となく勘が鋭かったり、並列思考があったりするのは恐らく女神様に頂いた『全てを内包するもの』によるのだと思う。なんかこの能力がわかった気がするんだよね」


「ほぅ、どんな能力だと思うのじゃ?」


「恐らくこの世界の中に存在している能力を全て使えるのだと思う。魔王が持っている飛行とかは試した事が無いけどコツがわかれば使えちゃうんじゃないかな。勘がするどいのは予知みたいな物なのかもね」


「んな!ただでさえ力も魔力も化け物なのにそんなの正真正銘の化け物じゃ!」


 ゴチーン!「誰が化け物だ!」


「いったーーーーーいのじゃ!じゃってどう考えても化け物じゃろうが!ぁぁぁ気持ちぃぃぃのじゃ」


「さっきのジャンヌの話で能力に推測が立ったわけだが俺の敵は神だぞ?人間の俺が立ち向かうにはそれくらいの能力が無いと無理だと思うのは普通だろ」


「そ、そうじゃったな。神と戦うにはそれでも足りない位かも知れないのじゃ。しかし女神様はなぜ直接手を下さないのじゃ」


 ずっと黙っていたジャンヌの口が開く。


「我が国と敵対していた法王国は二柱の神を信仰していた。男神と女神だ。しかし、男神が直接的に夢で助言をしたりするため信仰が男神に偏っていた部分が大きいのかも知れない」


 ふむっとケイスは考えながら言う。


「なるほどな。そして現在は神自体の信仰を忘れさせて、神の眷属である神獣や英雄達を信仰させることで信仰心を独占して女神に介入を許さない様にしているのではないかと考えられるな。この世界に200年前の歴史はアベル以外残っていないのも意図的なのかも知れない。ちなみに神の名前はなんだかわかるか?」


「男神の名前はヤルダパオート、女神の名前はメティスだ」


「まじかよ!俺の元いた世界ではヤルダパオートって邪神であり偽の神の名前だぞ!女神様が作ったのに乗っ取られたってことなのか・・・」


 邪神に作られたとわかったリルは悲しい顔をしている。


「これからは強いメンバーをもっと集めないと対抗できない。もしかしたら、いや今までの事を振り返ると色々と偶然が重なりすぎる事が多かった。ルルとリルとの出会いもそうだが、魔法石や神のしずくもそうだ。間接的ではあるが女神様のサポートがあるかも知れない。恐らく勇者パーティに出会ったのも意味があってのサポートかも知れない。勇者パーティは仲間に何としてでも引き入れるべきだな」


「じゃがこんな壮大すぎる話しは勇者パーティではご主人様をもはや心酔しているアキオしか聞き入れてくれるとは思えぬのじゃ」


「ああ、まずは地盤固めが必要だ。親友をまず引き込む。王様に信じてもらえるかもらえないかはジャンヌ、お前にかかっている部分が大半を占める。頼むぞ」


 コクリとジャンヌは頷いた。


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