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救済の英雄譚~ゆかいな乙女達~  作者: アビ
6章 この世界の真実 ~感情のない軍人美女ジャンヌ~
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 そして翌日、朝5時に目を覚ましたケイスは隣にブリキッドが寝ているのを見た。

 横になりながら両手の手の平を合わせて頬をそれに乗せて寝ていた。


「なんだこの乙女すぎる寝方は初めて見た!ハハハ」


 流石に面白くて少し見ていたが朝練しなきゃと思い直してブリキッドを起こす。


「ブリキッド。起きて。朝練するよ」


「うぅん、ケイス様もうちょっとぉしてぇ」


「置いてっちゃうよ?」


「だめぇ、ケイス様ぁ」


 ちょ!普段の口調とどっちが素なのかわからん!


「ほら!起きて!」


 ブリキッドをゆする。


「ハ!ケイス様!ア、アタイ!」


「おはよう、ブリキッド」


「お、おはよう、ケイス様」


 ブリキッドにキスをする。


「ん、ん!いひひ」


 上の空でニヤケながら変な声を出すブリキッド。

 もはやブリキッドがわからん!

 そしていつもの広場に行くと既に全員が揃っていた。


「あ、そうか。勇者パーティに特訓と無詠唱魔法を教える話をしていたんだった」


「はい!ケイス様!宜しくお願いします!」


 エリさんがケイスの目を見ながら返事をするとリルの鼻が「スンスン」と鳴る。


「う、うん。宜しくね」


 そして魔力グルグルトレーニングのやり方を飽き男君以外の勇者パーティに教えて始める。

 飽き男君と他の全員が潰れたカエルになるのを繰り返す。

 勇者パーティは皆が潰れているのを見て「え?」みたいな顔で見ている。

 飽き男君が潰れながら不穏な事を言っている。


「皆もすぐこうなるよ・・・ようこそ、ふふふ」


 勇者パーティのメンバーも始めたところでやはり「ふぎゃ!」と倒れていた。

 勇者パーティのミクさんは魔力操作が一番上手であり、エリさんも魔力操作がそこそこ上手だったため、補助すればすぐに無詠唱で行けるかも知れない。

 他の皆が模擬戦を始めたところ勇者パーティの魔力量などを確認するケイス。


「あれ?きららさんって英雄職のエリさん並みに魔力が多いね」


「え?でも私は聖騎士だからほとんど魔法使わないし・・・」


「いやいや、無詠唱できららさんがヒールやバリア、更に魔闘法が使える様になったらきららさんがパーティの要になるかも知れないよ。今より安定したタンクをしながらアキオやカイよりダメージを出せる様になるかも知れないし」


 チラっとアキオとカイを見るとまさになんだと・・・というような驚愕を絵に描いた顔をしていた。

 こりゃ二人にいい刺激になったかも知れないなと心の中でクスリと笑う。

 魔闘法を実際に見せてあげて1.5倍の身体能力になる事を説明する。


「わ、私がパーティの要に・・・」


「うん、しっかり訓練すれば普通にあり得る話だよ」


「わ、私、頑張る!ケイスさん、お願いします」


「うん。任せて!がんばろうね!」


 次に勇者パーティメンバーに無詠唱の話をする。


「じゃあやり方を教えるね。使いたい魔法を正確にイメージしながら使いたい手に正確な魔力量を込めると発動する。魔法陣は少し無駄があるから無詠唱の方が魔力を少なくて使えるんだ。しかも使っていると熟練度が上がって効果が上がるよ」


「え?使用魔力も減って効果が上がるのですか?でも確かにケイス様のブースト系の効果は私よりもずっと高かったです」


 エリさんが驚きの顔をして答える。


「そう、だから無詠唱を覚えるとサポート役としては高速で使える様になるし、効果も上がるし良い事だらけだよ。一回目はどれくらいの魔力量で発動できるかサポートしてあげるね」


 言った途端になんと驚きミクさんが言う。


「で、できたなの・・・。点火の魔法が無詠唱でできちゃったなの・・・」


 流石に即できたのはびっくりだが一番魔力操作が出来ていたミクさんならあり得る。


「おおお!流石!魔力操作の技術も高かったし、陰でいっぱい努力していたのが良くわかるよ。すごいねミクさん!」


 ミクさんの頭をナデナデしながらケイスは言う。

 ミクさんは130cm位しかないし、これで巨乳じゃなければなぁと裏で失礼な事を考えるケイス。


「えへへ、嬉しいなの。努力していたのが報われた気がするなの」


 照れるミクさん、陰で努力をしていたのが良くわかる。


「たぶんエリさんも俺が補助すればできると思うから一回感覚を掴むためにやってみようか」


 エリさんの右手を両手で包むようにして目を閉じる。


「じゃあヒールをイメージして少しずつ魔力を込め始めて」


「は、はい!」


「スンスン」と聞こえてくる。


 じゃ、、邪念を捨てろーー聞こえなかった何も聞こえなかった!


「もう少し、もう少し、あ、多すぎかな。あ、今度は減らしすぎ、本当にもう少し、お!」


『ヒール』が発動した。


「で、できました・・・」


「これで後は座標を決めてからイメージすれば思ったところに発動もできるし、イメージさえ合っていれば神官系魔法以外も使えるよ」


「え?攻撃魔法も使えるのですか!?」


「うん、だって俺は使っているでしょ?」


「た、確かに・・・」


「詠唱だと何故か職業にあった物しか使えないけど無詠唱だと使えるんだ。でもまずはヒールから慣れてね」


 エリさんの目を見ながらニコっと笑う。


「・・・は、はい!わかりました!」


「スンスン」と聞こえてくる。


「じゃ、じゃあ俺は模擬戦の方に加わってくるから練習していてね」


 そして朝練が終わり、風呂に入って食事を取った後にケルベロスの模擬戦を行う。

 今回はケイスの補助なしで勇者パーティは5戦1勝4敗だった。

 まずは自力で1勝をもぎ取る事が出来たのは大きい。


いつも読んで頂き、ありがとうございます。

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