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パリンという音で目が覚めた。
「うぎゃーーーーー!なんでなんでなんで!」
周りを見渡してあまりの光景に絶叫する。
4m級の〇~さんが1体、3m級のレッドウルフ(仮)が2体、5m近くはありそうな角の生えた真っ黒な鬼みたいやつが1体、我先に啓介を食おうと4体の魔物が結界をガンガン攻撃している。
急いで木のこんを掴み、発狂したように振り回す。
「うわあああああああああああああああああ」
無意識にとにかく魔物に向かって振り回す。
向こうはこちらを攻撃できないので一方的な虐殺が始まった。
2分後には無残に撲殺、いや爆殺された4つ魔物の死体が転がっていた。
「う~~~~~~う~~~~~~」
あまりの恐怖から木のこんを構えたまま歯を食いしばり、獣の様な声を上げて周囲を見渡す。
1分ほどキョロキョロして、結界はまだ4枚も残っているのが見える。
安全を確認したところで落ち着いたのか棒をおろし、何故こんなことになってしまったのか冷静に回りを観察する。
「なるほど、そりゃそうか」
初の獲物であったレッドウルフ君のズタズタ死体が更に食い散らかっていた。
血の匂いで周囲の魔物が寄ってきたのである。
「次から気を付けよう」
次からは魔法で穴を掘って、死体を燃やして埋めなければ非常に危険な事がわかった。
まずはこの場にある爆殺死体は埋めるのは手間なため南側に進み、距離を取ってから再度結界魔法を5重に張って寝た。