103
王様と王妃様は既に応接間におり、王子二人も同席していた。
「ケイス殿、おかえり。エルフ族の方々は説得できたのか?」
「ただいま戻りました。はい、それでエルフ族の代表としてエルフ族の勇者もパーティの仲間になりましたので、部屋をお借りできればと思っております」
「ほぅ、エルフ族の勇者殿がいらしてくれたのか」
バっと立ち上がるブリギット。
「ア、アタイがエルフ族の勇者、ブ、ブリキッドだです!よ、宜しく頼みますだです!」
だから何で増田さんなんだよ。
そして王族の方々が挨拶をする。
おや?第一王子カールさん?ブリギットを見ながら赤い顔していますね?一目ぼれってやつですか?
王様が嬉しそうに言う。
「うんうん、元気なお嬢さんだ。それとなケイス殿に活を入れてもらった後にアキオ殿が侍女に謝ったり、今まで迷惑をかけた店に謝りに行ったりしたのだ。ダンジョン攻略も頑張っており勇者パーティの評判もかなり回復してきておる。ケイス殿、本当にありがとう」
「いえいえ、俺は一言ヒントをあげただけで実際に頑張っているのはアキオですよ」
「グッハッハッハ!そうかそうか。流石ケイス殿だな。それで・・・」
王様がコホンと咳をしながら続けて言ってくる。
「部屋の準備をしたいのだが、えっとケイス殿?ブリキッド殿はあれなのかな?」
「あれ?あれってなんですか?」
ケイスが、んー?という顔をしていると王妃様が笑いながら言ってくる。
「ふふふ、あれですよ。あ・れ」
ケイスはハっと気づき立ち上がって両手を振りだす。
「あ!いえ!ブリキッドとはそういう関係じゃないです!」
そしたらブリキッドがバンと机を叩きながら立ち上がる。
「す、既に一度しているからそういう関係だ!お願いしますだ!」
え?増田さん?何言っているんですか?
「え?ブリキッド?何言っているんだ?そんな事してないだろう?」
本気で訳がわからないケイスは立ちながらブリキッドの方を向いて聞く。
「ケ、ケイス様とは初日の宴の時に・・・お互い酔っぱらって・・・」
え?え?え?確かにあの時・・・記憶がない・・・本当にやっちまったのか・・・。
「そ、そうだったのか・・・それは・・・すまなかった・・・」
脱力してしまい、ストンと座るケイス。
そこでリルが普段と違う笑い方で爆笑し出す。
「カラカラカラカラ!これは面白いことになったのじゃ。小娘、策士よのぅ」
リルは起きて見ていたので二人がやってない事はもちろん知っているが面白いことになってきたので黙っている。
王様が修羅場を目撃してしまった気分になり、申し訳なさそうな顔をして聞いてくる。
「そ、それでケイス殿。そういう部屋割でいいのか?」
「は、はい。お願いします。責任は取りますので・・・」
王妃様は笑っている。
「ふふふ、若いっていいわね」
第一王子は恋して3分で失恋して青ざめていた。
キャロちゃんと第二王子キースはあれってなんだ?みたいな顔している。
ルルはお茶請けを口いっぱいに入れてリスになっている。
「カラカラカラカラ!楽しみになってきたのぅ」
爆笑しながら今後を楽しみにしているリルであった。
いつも読んで頂き、ありがとうございます。
今後も読みたい!楽しい!と思って頂けたら是非、ブックマークや下にある☆に評価を入れて頂けると嬉しいです。
励みになりますので宜しくお願いします。