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王城に向かってメイン通りを歩いているケイス一向に多くの住民が声をかけてくる。
「英雄様、おかえりなさい!」「こっち向いてケイス様―!」「ルルちゃんかわいいーー!」
挨拶を返していると子供たちがトテトテと走って近づいてくる。
「英雄様?リルちゃんはどこにいったの?」
あーどうしようと考えていたらリルが吠えた。
「キャンキャン!」
「え?リルちゃん?ママ――――!リルちゃんが大人の女性になっちゃったよーー!」
「あれがリルちゃんなのか!?き、綺麗だ!」
住民の反応を見てコロコロ笑い出すリル。
「お前なぁ。自分からバラしてどうするんだよ」
「童の事はどうせすぐばれるじゃろ?キャンキャン!」
「それもそうか・・・」
そして王城の門番さんにルルがビシっと敬礼をすると兵士さんもビシっと敬礼して返してくれる。
「相変わらずルルちゃんかわいいです!ご苦労様です!」
相変わらずルルは兵士さんに人気があるなーと門を通してもらうと物凄い爆音で聞こえてくる声がする。
「ケイス様――――――――!お帰りなさいませーーーーー!」
猛烈にダッシュしながら走ってくるキャロちゃんと侍女二人が見える。
侍女の一人はリーゼさんのようだ。
キャロちゃんはそのままの勢いでケイスの胸に飛び込んだ。
ケイスは衝撃を殺しながらキャロちゃんをキャッチして抱っこする。
「ケイス様!ケイス様!おかえりなさいませ!寂しかったです!後少しで果ててしまいそうでしたわ!」
ケイスの胸にグリグリしてくるキャロちゃん。
マイエンジェル!相変わらず可愛すぎる!どんどん俺に依存してくれ!
「キャロ様、ただいま戻りました。リーゼさんもただいま」
キャロちゃんはグリグリ、リーゼさんは綺麗なお辞儀をする。
「ケイス様、おかえりなさいませ」
「リーゼさん、新しい仲間が加わったから部屋の話もあるし、王様とお話しできるか確認してもらってもいいですか?」
「かしこまりました。確認して参ります」
キャロちゃんがキラキラした目をしながら言ってくる。
「ケイス様!お話しいっぱい聞かせてくださいね!あら?そちらの方は?」
「あ、アタイはエルフ族の勇者、ブリギットだ!宜しく頼む!」
「あら、わたくしはコースランデ王国の第一王女でキャロリーヌと申しますわ」
「え?姫様?よ、宜しく!た、頼みま、ますだ!です!」
貴方は増田さんですか?
クスクス笑っているキャロちゃん可愛い!
「それでは中に入りましょう!ケイス様!」
「そうですね、王様をお待たせしてしまっては申し訳ないですね」
こうしてケイス一向はエルフの森から無事にコースランデ王国へ帰還したのであった。
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