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救済の英雄譚~ゆかいな乙女達~  作者: アビ
1章 森からの脱出
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9

 解体を始めて約1時間後。


「レッドウルフ・・・。すまん。俺の解体が下手過ぎてズタズタになってしまった。だがお前のおかげで数日は空腹にならなそうだ。ありがとう」


 巨体ゆえに可食部の肉は相当な量が確保できたが、初めての解体で見るも無残な光景が出来上がっていた。

 食べきれない部分は大きい葉っぱで包み、蔦で縛って収納に確保する。

 これでにおいが臭くなったり、腐ったりしなければ時間停止の証明にもなる。

 レッドウルフの肉を焼いて食べる。


「え?うまい!」


 調味料なんてあるはずがないので、味付けはしてない。

 肉に油も少ないのに弾力があり、噛めば噛むほど肉のうま味が出てくる。

 ひたすら無言で肉を食い続ける。

 満腹で精神疲労が少し回復する。

 身体の疲れはないが木のこんで色々とガンガン殴ったからか、手の筋が痛いくらい。


「とりあえずはする事もないし、魔力操作訓練をしながら明日以降の事を考えるか」


 先ほどあった意識が一瞬朦朧とする奴が来るし、どんどん動かしにくくなるが気にせず明日以降のことを考えながらガンガン回す。

 多少リラックス出来たのかしばらく経って気がついた。


「なんで魔力操作に意識を向けているのに物事を考えられるのだ。冷静になれば考えている事も複数同時にできている・・・」


 今日の出来事を振り返ると元々頭は良かったが、こんな環境に放り込まれて精神不安定な状態なのに、即座に状況判断して行動できており普通に五体満足でやれている。

 何故かは知らないが複数の事を同時に考えていたのだ。


「脳みそ一つなのに並列思考とか。完全に化け物だな」


 また涙が出てきた。

 もう寝ようと思い、妻と子供の笑顔を思い出しながら一言。


「おやすみ」


 と言い、寝息を立て始めた。


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