第四十四話
「和佑ェ! 二度目の久しぶりネ!」
比巻の困惑した声を一切気にせず、俺との再会を喜んでいる彼女。
そう、中国の特別指定魔術師であり、俺の旧友でもあるリ・シェンメイだ。
デスアスクの事件で大けがを負い、一旦、中国に帰国命令が出ていたらしいのだが、どうやら戻ってこれたようだ。
だが、それでもおかしい。
「お前……壁を壊すとか、頭だけおかしくなっちゃったのか?」
「私は見ての通りピンピンですヨ!」
「そういう話をしているわけじゃ――」
「そういう和佑は……本当に義手になったのですネ」
「ん、まぁ不自由はそこまでないし、付ければ都って奴だ」
「ちょっと、貴方たち?」
二人で再開の喜びを分かち合っていたら、目の前には鬼がいた。
どうやら笑ってどうにかならなそうだ。というか、俺でも怒る。誰でも怒る。
「捜査の邪魔よ! 出ていきなさい!」
「ちょ、待ってくれ――――そうだ、シェンメイ! 捜索用の妖精は出せないか?」
「出せますケド……彼女に貸すんですカ?」
少し嫌そうな顔をするシェンメイ。シェンメイにとって、比巻は水を差す邪魔ものだ。
「荘厳屋のカツカレーおごってやるから、少しだけ貸してやってくれ! じゃないと、後が怖い!」
「むぅ、仕方ないネ」
「比巻も、これでひとまず許してくれないか……?」
「ふん、いつかまた豚箱にぶち込んであげるから」
ダメそうだ、こりゃ俺を犯罪者か何かだと思い込んでやがる。
とりあえず、謝罪の気持ちとして妖精を貸し出す。シェンメイの妖精は万能だ、捜査の良い手伝いをしてくれるだろう。
後はこれ以上怒らせないためにも、この場を退散するのが吉だろう。
俺とシェンメイは、さっさと退場した。




