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木に転生したけどチートでした!  作者: 酸味パイン
1/5

第1話 転生先は木でした。

「キミ、異世界に転生してみない?」

僕こと霧崎紅葉(きりざき くれは)(17)は、目の前の少女からそんな事を提案された。

少女の名は、女神レイティア。

彼女曰く、魔法や魔法道具が存在するファンタジー世界に転生してみないか、ということらしい。

転生。女神。これらのワードから分かる人もいると思う。

ーそう、僕は死んだ。

高校に行く途中、交通事故に遭い、死んで、気がついたら、僕は真っ白な空間にいた。

そこで少女と出会い、彼女が女神であると告げられ、現在に至るって感じ。

なんだか、ラノベみたいな話だなぁ。

「ラノベ・・・。確か"ニホン"で流行ってる書物だっけ」

あぁ、そうそうー

「ーって、え!?」

「アハハハ、口に出てたよ?」

「す、すみません、女神様!」

口に出てたんだ・・・。

なんか恥ずかしい。

「別に、タメ口でいいんだよ?名前もレイティアって呼んでくれて構わないし」

「あ、いや、でも・・・」

「そっちのほうがお互い、気が楽でしょ?」

女神様に対してタメ口・呼び捨ては、ちょっと気が引けるけど・・・。

まぁそっちの方が楽だし、いいか。

「確かにそうですね。・・・じゃあ、そうさせてもらうよ」

「うん、そうしてよ」

女神さ、いや、レイティアは、微笑んだ。

ーさて、そろそろ本題に戻ろう。

「話を戻すけどさ、さっき転生するかどうか、僕に聞いたよね?」

一応確認をとる。

「うん、聞いたよ?」

「それを決める前に、もうちょっと情報がほしい」

もし、悪役や奴隷だったら嫌だしね。情報は、ある程度得たい。

「情報ね〜。転生先はこれから決めるし〜」

「あ、まだ決めてないんだ」

少しホッとする。

これからってことは、僕の意見も取り入れつつ、転生先を決められるかもしれない。

「あのさ、もし僕が転生するとして、転生先を決めるのに、僕が関わることってできる?」

とりあえず聞いてみた。

「うん、できるよ。というか、ほぼキミが決めるようなものだよ」

レイティアはサラリと答える。

へぇ〜。

ほぼ僕が決めるようなものだって?

なにそれ、最高じゃん!

「レイティア!僕、転生するよ!」

「やった〜‼」

やや興奮気味に答えた僕。

それに対し、レイティアは「やった〜‼」と喜んだ。

ん?

「やった〜‼」?

「いやぁ、よかった。転生を受け入れてくれて」

「えっと、何で?」

「だって、キミ、ボクの手違いで死んじゃったからさ〜」

「・・・え?」

「そのまま、あの世に送るなんて出来ないでしょ〜?」

「・・・」

今、何て?

「ボクの手違い」?

あ、レイティア、ボクっ娘なんだ。

ーってそうじゃなくて!

「ねぇ、レイティア。僕は君の手違いで死んだから・・・」

「うん、だから転生を提案したんだよ♪」

ウィンクして、グッと親指を立てるレイティア。

はぁ・・・。

おいしい話には裏があるってこのことだよね。

「ごめんごめん。でも、掟で元の世界に戻すのは禁じられているんだよ〜」

「だから許して♪」とレイティアは、パチンと顔の前で合掌し、上目遣いにこちらを見た。

クッ・・・!

そんな可愛い仕草しても無駄だからッ!

「あ〜もうっ!分かった!死んじゃったのは、過ぎたことだし仕方ない。だからさっさと転生させてよ」

・・・決してさっきの仕草に騙された訳じゃない。

レイティアは、「了解っ!」と言って承諾した。


〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜


「さてと、転生先を決めるよ〜」

レイティアがそう言って持って来たのは・・・

「ねぇ、何でルーレット?」

そう、ルーレットだった。

いや、確かにほぼ僕(の運)が決めるようなものだけどさ。

ルーレットは、赤・青・黄・緑・紫・黒・白・金の八色に色付けされていた。

赤→村人

青→貴族

黄→王族

緑→勇者

紫→魔物

黒→魔王

白→神

というように、八色中七色は文字が書かれている。

だけど、金は何も書かれていなかった。

「レイティア、金だと何に転生するの?」

僕が尋ねると、レイティアは、ニヤリと笑った。

「金は、お楽しみだよ〜♪で~も、この中で一番いいヤツなのは間違いないね!」

ふぅん。

転生先がルーレットの結果次第なのは、まだ腑に落ちないけど、白の"神"よりいいのがあるってできる少し気になるかも。

・・・うーん、「転生させて」って言ったのは僕だしなぁ。

・・・よし、やってみるか。

「チャンスは一回だけだからね」

レイティアはダーツ用の矢を一本、僕に手渡した。

一回だけ。そう言われると少し緊張するな。

「準備はいい?」

「・・・うん!」

「それじゃあ、スタート!」

レイティアがルーレットを回した。

ヒュッ

タイミングを見計らって、僕は矢を投げる。

さぁ、結果は!?

「金だよ〜!!大アタリッ!!」

僕の矢は、見事金へ。

「よっしゃあぁぁ!!」

僕は思わずガッツポーズ。

金は何に転生するんだろう!?

僕は期待に胸を膨らませる。

「じゃあ、転生先を告げるよ〜」

「うん!」

「見事、大アタリを射たキミは〜、」

「(ゴクリ)」

「"木"に転生することになりましたぁ!」

「イエーイ!・・・って、はぁ!?」

はいぃぃ!?

ちょっと、どういうこと!?

いつの間にか金には、"木"という文字が浮かび上がっていた。

「大アタリが"木"って、おかしくない!?」

「正確には、"木"っていうより"大樹"なんだけどね」

「どうでもいいよッ!!」

何で、"木"が"神"よりいいのさ!?

この選択肢の中なら、"神"を大アタリにするべきだよね!?

「まぁ、決まったものは仕方ないよ〜」

「・・・何が『この中で一番いいヤツなのは間違いないね!』だよ」

「ん?それは本当だけど?」

「嘘つけッ!」

嘘付くなら、せめてもうちょっとマシな嘘付こうよ。

誰が、「木は、神や勇者、魔王よりもすごい」って言われて信じるのさ?

あ-あ、木かぁ。

「う-ん。これは、"木"を射ることのすごさが分かってないみたいだね〜」

「いや、分かる訳ないでしょ?」

だって木だし。

「あれはね、一億回、いや、一兆回に一回、射るか射ないかってぐらいレアなものなんだよ」

そりゃそうでしょ・・・。

だって転生モノのラノベで、「木に転生する」とか聞いたことないし。ホイホイ出たら逆に困るわ。

というか、そんな低確率なもの、よく射れたね僕!!

「まぁ、今は分からなくてもいいや。実際に転生してみれば分かると思うよ、きっと」

レイティアは、そう言って、僕の肩にポンッと手を置いた。

それと同時に、僕の足下に、ポッカリと穴が開く。

ん?

「じゃあ、いってらっしゃい、クレハ♪」

ニッコリ笑うレイティア。

「え、ちょっと待ー」

まだ言い終わらないうちに、僕は穴に落ちていった。

ー後に僕は知ることになる。レイティアが言っていたことは本当だったと。




この小説を読んでくれた方、ありがとうございます!下手くそな文章だなぁと思った方もいらっしゃると思いますが、温かい目で見てくれると嬉しいです。第二話も掲載する予定なので、その時はそちらも見てもらえたら、と思います。

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