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第43部 終わり

3月になった。


いよいよまーさん、つーさんとはお別れの時が来た。


祐樹は久し振りに会う2人に心を弾ませていた。


「お久しぶりです」


「おぉ、祐樹久し振りだな!! そうだ、この前送ったけど結婚式やるから来いよ!! あ、ユキちゃんもちゃんと連れてこいよ」


つーさんは相変わらず優しい。


「お、祐樹か。 彼女出来たんだってな」


まーさんは相変わらず冷たい気がする。


「それで? 何か用か?」


「いえ、特には無いですけど最後なので挨拶をと思いまして」


「なるほど、良い心がけだ!! そうやってやると先輩は喜ぶものだよ」


「はぁ……」


「まぁ、中には関係のない奴もいるがな」


つーさんはまーさんをチラリと見ながら付け足す。


「俺がどうかしたのか?」


「いや、ラブラブすぎて盲目になってるなと言ってただけさ」


つーさんはまーさんと肩を組むと歩いて行ってしまった。


祐樹はそんな2人を見送りながらも涙が溢れそうになった。


「ダメだ、まだ泣いちゃダメだ」


祐樹は涙を堪えると体育館に行く。


卒業式はまともに進んでいく。


まーさんもつーさんも流石に真面目に出席していた。


最後は卒業生代表の挨拶でユウナさんが壇上に上がる。


卒業生、在校生のほとんどが彼女に目を奪われている。


ユウナさんが話せば声で心を奪われる。


そんな素晴らしいスピーチを聞いた後に在校生の代表が壇上に上がる。


彼女はユウナさんほど綺麗ではなく本人も気にしているのかどこか可笑しかった。


みんなの挨拶が終わると卒業生は退場していく。


「ユウナさーーーーん!!!!」


和也は叫んでいたが周りの男の子達も同じ様な気持ちだったのかもしれない。


ユウナさんは微笑みながら手を振るとそのまま歩いていく。


卒業生が見えなくなると祐樹は本当のお別れの様な気がし、涙が溢れてきた。


周りのユウナさんファン達も泣いている。


教室に戻るとまだ帰ることは出来ない。


外を見ると卒業生達が話しながら学校を出て行く。


予想外なのはつーさんの方が女子に人気がある事だった。


つーさんの周りには女の子が大量に群がりまーさんの周りにはユウナさんしかいなかった。


祐樹は嬉しそうなつーさんを見ていたがとなりのクラスにはカレンちゃんがいる。


彼女が見ていたら帰ってから叱られるだろうと思うと笑えてきた。


「おい、上杉、黙ってろ」


「すいません!!」


祐樹は謝ると授業に集中することにした。







学校を出るとつーさんはじっと校舎を見ていた。


「どうした? カレンちゃんが心配か?」


「いや、折角だから目に焼き付けておこうと思ってさ」


「そうか……そんなに思い出深いか?」


「おいおい、卒業生だぞ? そりやぁお前……うーん、多分なんかあるだろ?」


「無いんじゃねぇかよ……学校の中ではあまり思い出は無いからなぁ」


「祐樹に会ったじゃねぇか!! 思い出あった!!」


「そのレベルかよ……」


「良いじゃねぇかよ。 それよりも祐樹は進級出来るのか?」


「無理だろ……」


「だよなぁ……」


2人は校舎を見たが祐樹は見えなかった。


「まぁ関係ないし行くか」


まーさんが言うとつーさんは頷き歩き出す。


「それよりも意外だったわねつーくんの方が人気だなんて」


ユウナがまーさんの腕に自分の腕を絡ませながら言う。


「まぁな、それに俺にはユウナがいなかったからな」


実はそれが一番大きい様な気がした。


体育館を出るとユウナはすぐにまーさんのすぐ横に立っていた。


他の女の子はまーさんに近付こうとしてもユウナに勝てないと悟り去っていく。


それに対してつーさんの周りには誰もいないかったので殺到したのだった。


「まぁ俺の方がモテると言うことで」


「いいんじゃない?」


ユウナがあっさりと言う。


「なんでだ!? まーさんは負けでいいのか!?」


「いいよ、俺の負けだ」


まーさんもあっさりと負けを認める。


「俺はな今までまーさんに勝つ事だけ考えてきた。 最後に勝てた、これは最高の思い出だぜ!! 俺はモテモテ男だ!! いつでも女の子が相手をしてくれるんだーー!!」


「良かったわね、ダーリン」


つーさんの背後から声が聞こえてくる。


つーさんが恐る恐る振り返るとカレンが立っていた。


「モテるの? じゃあもう私は要らないのね……どうしよう、誰か他の恋人探さなきゃ」


カレンはニコニコしながら言っている。


「あ、いや、それは困るって……あの、ごめんなさい!!」


つーさんはジャンピングしてからの土下座を決めるがカレンはまーさんの方に行くとピッタリとひっつく。


「私はまーさんの愛人になります。 今までお世話になりました」


「ちょっと待ってくれよーー!!」


つーさんは土下座からのジャンピング泣き付きを繰り出すがカレンの膝が見事につーさんのボディに決まる。


「私以外の女に色気付いた罰よ!! そこで一日寝てなさい!! さぁ、帰りましょう」


まーさんとユウナは憐れみの眼差しをつーそんへ向ける。


「俺は……俺はモテモテ王になるんだ!!」


つーさんは立ち上がるとまーさんを突き飛ばしユウナとカレンの間に立つ。


「どうだ!? 俺こそがモテモテ王だ!!」


つーさんは喜びながら2人の肩を抱いているが立ち上がったまーさんの様子がおかしい。


ゆっくりとまーさんの顔が見えるとつーさんの表情は固まる。


「あ、いや、冗談だよ。 本気じゃないよ。 まーさんの方がモテモテ王だよ。 いやぁ、今日はもう暑いねぇ……そうだみんなでご飯食べに行かないかい? 俺がご馳走するよ!! え?」


ユウナとカレンにつーさんは腕を掴まれる。


次の瞬間まーさんの膝がつーさんの腹に決まる。


「ごめんな……さい」


つーさんは倒れると気を失った。


「やり過ぎたか?」


「いいえ、これくらいでいいです。 ありがとう」


カレンはお礼を言うと2人を先に帰した。


つーさんが目を覚ますとカレンが側にいた。


「カレン、居てくれたのか……」


「当たり前でしょ? 反省した?」


「はい、しました!!」


「よし!! 許そう!! じゃあ帰るよ」


「はーい」


2人はイチャイチャしながら帰っていった。




祐樹は放課後呼び出され職員室に入る。


「おぉ、来たか。 上杉、お前留年な」


「はい!?」


「出席日数足りないわ、提出物出さないわ、オマケにテストの点は悪い。 再テストの点数も酷い。 留年な」


「なんとかなりませんか!?」


「無理だな。 諦めろ。 友達にはしっかりと伝えておけよ」


「……はい」


祐樹は肩を落としながら職員室を後にする。


「終わった……僕の未来が終わった……マジかぁ……」



しかしまだ祐樹には希望があった。


ユキちゃんである。


ホワイトデーの日に会うことが決まっていた。


「後は彼女に会うだけしか楽しみが無いよ……」


祐樹はホワイトデーを楽しみに待った。


ホワイトデー当日ユキちゃんを迎えに空港へ行くが一向に現れない。


「あれ? また時間間違えたのかな?」


祐樹は一日中待っていたがついにその日は現れなかった。


次の日の朝も空港へ行くがユキちゃんは現れない。


メールを見てみると行けなくなったことが書かれていた。


『私は嘘をついていたので祐樹君に会う資格が無いと思います。 ごめんなさい』



祐樹は慌ててアメリカに行く準備をし、飛行機に飛び乗ると一人アメリカに降り立つ。


聞いていた住所を何とか見つけ尋ねるとそこにはユキちゃんがいた。


「ユキちゃん!!」


祐樹が話しかけるとユキちゃんはこちらを見て驚いていた。


しかしこっちに近付いて来るどころか家の中に逃げていった。


「ちょっと待ってください!!」


祐樹が慌てて追いかけ家の扉をノックすると中から出てきたのは小さな女の子だった。


「えっと……ユキちゃん?」


「違う。 マリー」


「マリーちゃんなんだ……ユキちゃんは? お姉さんかな?」


「ユキちゃん? 待ってて、ママー」


マリーは何故かお母さんを呼ぶように部屋の奥へ歩いて行く。


しばらくするとユキちゃんが出てきた。


「あー、ごめんなさい。 私実は結婚してて……子供もいるの……言い出せなくて……」


「あー、そうでしたか……気にしないで下さい。 僕帰りますから」


祐樹はすぐにその場を離れて来た道を戻る。


「あの……」


ユキちゃんが何か言っていたが祐樹には聞こえなかった。


航空券を買うと日本に舞い戻る。


つーさんからメールが入っていた。


『結婚式ユキちゃんも出られるか?』


祐樹は涙をこぼしながらも返信した。


『ユキちゃんは用事があって出られません。 すいません』


祐樹は返事を送ると涙を拭って歩き出した。











ここまでが祐樹が思い描いていた普通の生活からかけ離れたお話でした。


その後祐樹がどうなったかって?


それはきっと幸せに暮らしたに違いないよ。


なぜなら彼は生き続けているから。


きっと幸せさ。


え? 俺か?


俺はカレンとチビの悠太の3人幸せに暮らしている。


まーさんとユウナにも最近、子供が出来たらしい。


幸せだな。




パパ、ご飯だよーー



おっと行かなきゃ。


みんなも普通に生きるのは難しいと思うけどまた機会があったら普通な話してやるよ!!

じゃあな!!


バイバイ。


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