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第36話 紅葉

新学期が始まり祐樹が学校へいくとすでに茜ちゃんが登校していた。


「おはよう、今日もいい天気だね」


「おはようございます。 いいてんきですね」



茜ちゃんはキャンプに行ってから少しずつ話してくれるようになったのが祐樹には嬉しかった。


「ねぇ、今度紅葉見に行かない?」


茜ちゃんが誘ってくれる。


「行きたい!! ぜひ行きましょう!!」


言葉に力が入ってしまう。


「あのね、私誘いたい人いるの……」


「つーさんとかまーさんですか?」


「……お兄ちゃんはいらない」


「でも誘わないのはひどくないですか!?」


「あのね、お兄ちゃん今日寝ぼけてカレンちゃんと間違えて抱きついてきたの。 だからお兄ちゃんとはいかない」


「羨ましい……」


つい本音が出てしまう。


「あのね、私実は昔男性に襲われそうになったことがあってね……それ以来男性に触れられるのが無理なの。 でも祐樹くんは近くにいても気にならないの」


「え!? ほんとですか!?」


「うん。 だから祐樹くんはいい人だと思うよ」


「ありがとうございます」


「じゃあまーさんとユウナさん誘って行こうね」


「はい!!」


祐樹はワクワクで連絡を待つ事にした。


その日の放課後茜ちゃんが小走りで走ってくる。


「今度の日曜日に行きましょう。 まーさんとユウナさんもオッケーしてくれたから」


「はい!! 頑張ります!!」


言ってから恥ずかしくなって祐樹は頭を下げると走って帰る。


ダブルデートである。


これはかなり期待しても良いのではないかと祐樹は思いながら日曜日を待った。





日曜日は見事に晴れた。


祐樹は準備すると家を飛び出し茜ちゃんと合流するとまーさん達の家を目指した。


「ねぇ、最近ユウナちゃん可愛くなったよね? 恋の力かな?」


「そうかも知れませんね!! 恋って凄いですね!!」


「私も恋人が出来たらあんなに綺麗になれるのかな?」


「なれますよ!! 今でも十分可愛いですけれどね」


「ありがと」


そんな会話をしながら歩いていると2人は家の前に着いた。


すでにまーさんとユウナさんは外で待っていた。


「おはようございます」


「おう」


「おはよう」


「早速行きましょう」


茜ちゃんは張り切りながら先頭を歩く。


そのすぐ後ろを祐樹が歩きまーさんとユウナさんはゆっくりついてくる。


「祐樹、今回はどんな意図があって誘われたんだ?」


「わかりません……」


祐樹は少しニヤける。


「お前気持ち悪いぞ……」


まーさんは引き気味に言う。


「なにか良い事あったのかな?」


「えぇ、少し茜ちゃんの秘密を知りました」


「そう、良かったわね」


ユウナさんは微笑むと茜ちゃんを見ていた。


紅葉はすぐ近くの山で見ることができる。


4人が山頂に行くと怒ったつーさんとカレンちゃんが立っていた。


「おいおいおい!! 俺たちは誘わないのか!?」


「なんでお兄ちゃんがいるの!?」


「フフフフ、それはな、カレンが話を聞いたのだ!!」


「カレンちゃん、言わないでって言ったじゃない!!」


「ごめんね、ダーリンがあまりにも可哀想で……」


「でもお兄ちゃんはカレンちゃんと私を間違えたのよ!?」


「え!? それは本当なの?」


「いや、寝ぼけててさ」


「寝ぼけてたら私をほかの人と間違えるの? 私はダーリンの事寝ぼけてても見間違えたりしないわよ?」


「あ、いや……俺だってわかっててワザとやったんだ」


「わざと? ならダーリンは茜ちゃんに抱きつきたかったと? 私だけでは満足出来なかった訳?」


「これは家族愛なんだ!! スキンシップをとるのがいいと思ってな、でも恥ずかしくて言い出せなくてカレンと間違えたと言っただけだ!! 俺がカレンを見間違えるはずないだろ?」



つーさんは苦し紛れに答える。


「本当かな?」


カレンちゃんはかなり疑っている。


「まぁ、いいじゃねぇか。 それよりせっかく来たんだ一緒に回ろうぜ」


まーさんはめんどくさそうに言うとカレンがまーさんに詰め寄る。


「良くないのよ!! それに貴方はユウナさんとキスしたの!? 一緒に寝てるの!?」


「は!?」


「付き合ってるならしなさいよね!! また違うとか言ったらぶっ飛ばすわよ!!」


「……してねぇよ」


「なんで? 可哀想よ……私は毎日ダーリンとキスしてるわよ!?」


「お前達と一緒にしないでくれよ。 それにようやく兄弟として受け入れたばかりなのに次は恋人って……追いつかないんだけど」


「うぅぅぅぅ……ユウナさんはそれでいいの!?」


「え? まぁ、一応真連が他の女のものにならないだけマシかな?」


「甘いわよ!! 男はすぐに浮気するわよ!!」


そこに茜ちゃんが割り込む。


「大丈夫よ。 それにまーさんはユウナさんのこと守るわ、だって俺の女って言ってたもん!!」


「なになに!? なんだそれ!? 俺知らないぞ!!」


つーさんがかなり嬉しそうに入ってくる。


「キャンプ場で絡まれた時助けてくれてね俺の女に手を出すなって言ったの!! 私感動したもん!!」


「ほぉー。 まーさんよ、ちゃっかりアピール作戦か!? それじゃあダメだ!! 男ならはっきりとしろ!!」


「祐樹がハッキリしたら俺もハッキリさせてやるよ」


「え!? なんで僕なんですか?」


「なんでもいいからハッキリしろよ」


ものすごいとばっちりを受けた気がする。


茜ちゃんの前に出される。


「えっと……その……茜ちゃんの過去や、好きな人の事を全部知っても茜ちゃんの事が好きです……どうか僕とお付き合いしてください」


祐樹は頭を下げて手を出す。


しばらく沈黙が続く。


「……ごめんなさい」


予想外の答えが帰ってきた。


「え? あ、はい……理由だけ聞かせてもらってもいいですか?」


祐樹は頭が混乱していながらもなんとか言葉を発する。


「私男無理だから。 祐樹くんは男として見れないのよね。 でもだからと言って女じゃないじゃない? だからペットみたいにしかみれないの……ごめんね」


「ハムスター祐樹って改名しろよ」


つーさんは爆笑しながら言う。


「ちょっとやめなよ……かわいそう……フフフ」


カレンちゃんも後半笑いを堪え切れなくなっている。


「まぁ、祐樹、お前は男だ!! かっこいいぞ」


まーさんは気を使っているのか慰めてくれる。


「あの、祐樹くん、男性で茜ちゃんの側にいれるのはあなただけよ、自信持って」


ユウナさんも慰めてくれるが男性とは思われていない。


祐樹はフラフラと歩き出すとそのまま飛び降りようとしたがまーさんと、つーさんに止められた。


「お前ふざけるなよ!! 危ないだろ!?」


「いや、僕もう終わりたいです……普通に好きな子を遠くから眺めて好きな子の好きなものをこっそり買って家で楽しみたかっただけなんです」


「普通では無いと思うがな……」


「普通に茜ちゃんを遠くから見てるだけで幸せだったんです」


「それストーカーな」


「だけどもう僕は普通に生活する事なんて出来ません!!」


「いやいや、元々ヤバイとは思うぞ。 それに祐樹、普通って何だ?」


「普通は普通ですよ!! 僕が今言ったことが普通ですよ!! あんな喧嘩売られたり、撃たれたりしませんよ!!」


「俺にとっては普通だぞ?」


まーさんは軽く笑いながら言う。


「それは普通ではありません!!」


「じゃあ兄弟で付き合うのは普通じゃ無いのか? アイドルと付き合うのは普通じゃ無いのか? 妹がお姉様しか愛せないのも普通じゃ無いのか?」


「違います!! 全部普通じゃ無いです!!」


「そうか……それはお前の価値観だろ? いいか祐樹、みんな違う考えを持っているんだ。 普通は自分の中の当たり前であって全人類共通の普通なんて存在しないんだよ」


「そうかも知れませんけれども……」


「だから祐樹、普通って考えは捨てろ!! いいか、お前の生きたいように生きろ!! だが死ぬのはダメだ。 それは最大の逃げだ。 お前は最初俺と出会った時逃げたか?」


「……逃げてません」


「そうだろ? まーさんに最初会った時逃げたか?」


「……逃げてません」


「逃げるどころか殴りかかってきやがった」


まーさんは笑っているがユウナさんに叩かれる。


「そうだろ。 それに比べて今一回振られたくらいどうってことないだろ? また告白すればいいんだ」


「……はい」


「いや、一生ないわ」


茜ちゃんの一言で祐樹はまた飛び降りようとするがつーさんに止められる。


「茜は黙ってろ。 いいか、祐樹。 女は幾らでもいる。 これから茜よりいい女と出会える。 それは俺が保証する。 だからこれからも勇気を持って生きろ!! な? できるだろ?」


「……いい女ですか?」


「あぁ、ユウナより綺麗でカレンより可愛くて茜よりいい女に出会えるさ」


「そんな奴いたら他の男が黙ってないけどな」


まーさんが正論を言うがユウナさんにまた叩かれる。


「大丈夫よ、祐樹くんは優しいもの」


ユウナさんに言われると心が温かくなる。


「まぁ、いいんじゃない? 重たい男が好きな人はね……まぁいないでしょうけど」


茜ちゃんは笑いを堪え切れないみたいだった。


「僕……頑張ります!! 頑張っていい人と出会います!!」


「おう!! 頑張れ!! 山なんだから叫んでこい!!」


「はい!!」


祐樹は走り出し崖ギリギリに立つと叫ぶ。


「僕はいい人に出会うぞーー!!」



その後紅葉客達から頑張れと言われ続けながら下山した。


祐樹は茜ちゃんを吹っ切り次の恋を探す為少し成長したのだった。






我が妹ながら恐ろしいな……


茜ちゃんの隠れた性格ね……でも私は意外と好きよ……フフフ



いや、祐樹がかわいそうだろ……



フフフ、続くのよ……フフフ

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