第34話 選択
ユウナは学校の帰り道雪菜に出会った。
「ねぇ、婚約してるのはマジ!?」
「いえ、してないわ。 彼に消えて欲しくて」
「なるほどね。 それならしょうがないわね。 あのね、宣言するわ! 真連は私が戴くわね」
「……私に言わなくてもいいよ」
「ダメなの、宣戦布告なんだから!! じゃあね!」
雪菜はユウナを置いて学校に向かう。
まだ真連が残っている気がした。
学校に着くとすぐに真連が出てきた。
1人で歩いているのが寂しくみえる。
それもそのはず、夏休み前なのでみんなカップルで歩いている。
「真連、こんにちは」
「あぁ、どうした?」
「話聞いてさ、居ても立っても居られなくなって……」
「何の話だ?」
「婚約の話よ」
「あぁ、あれは嘘だから」
「ねぇ、ハッキリしよ。 私とユウナちゃん付き合うならどっち?」
「は!?」
「いいから答えてよ。 それとも考える時間欲しい?」
「はぁ……」
「じゃあ今日はお姉さんに付き合ってもらいます!!」
「まぁ、いいけどよ」
雪菜は真連の手を取ると2人は街に消えていった。
ユウナはその光景をただ見ていた。
「ねぇねぇ、いいの?」
茜ちゃんがユウナの前に立っていた。
「え? なにが?」
「2人が行っちゃうよ?」
「えぇ、そうね」
「私はユウナちゃんが好きです。 愛してます」
「え!? 私?」
「うん。 昔から大好きなの。 男の子を好きになろうとしたけど無理だったの……」
「そう、ありがと」
ユウナは茜を抱きしめると頭を撫でる。
「好きな人が苦しんでるのを見るのは嫌なの……追いかけて」
茜ちゃんは涙目でユウナを見る。
「でもね、私達は兄弟だから……それに真連は誰の事も好きにならないし愛せないの」
「それでも追いかけて欲しいの!!」
「わかったわ……茜ちゃんには敵わないわ」
頭をポンポンとするとユウナは後を追った。
茜は1人残るとスッキリしたような顔をしていた。
その頃祐樹はつーさんとカレンちゃんに連れられてゲームセンターに来ていた。
そこにまーさんと雪菜さんが入ってきた。
「おいおい、まさかの遭遇?」
つーさんは嬉しそうに言う。
2人の後をコソコソとつけていく。
「ねぇ、真連、アレ取って?」
「あぁ……」
「失敗しろー、失敗しろー」
つーさんは背中から念を送るがそれも虚しく、1発で取る。
「ありがと、宝物にするね」
雪菜さんは凄く嬉しそうだ。
「なんか、あんなに嬉しそうな雪菜さんみるの初めてかも……」
「そっか……彼女は恋してるからだな。 カレンも可愛いぞ」
「そう? 大好きよ、ダーリン」
祐樹は軽く殺気を覚えた。
ゲーセンの扉が開くとユウナさんが入ってきた。
祐樹がつーさんの肩を叩くとつーさんも気付いた。
「マジか!? これはかなりの修羅場ですな!!」
「そうですな!! 少女漫画にありがちな展開を所望します」
カレンはよだれを垂らしながら答える。
「真連、雪菜ちゃん。 ちょっといいかな?」
「あぁ、いいぞ」
「えぇ、いいわよ」
3人はゲームセンターを出ると近くの喫茶店に入る。
その後を怪しい3人組が追っていく。
喫茶店の中に入ると少し離れた席に祐樹たちが座る。
「あの、私は雪菜ちゃんと真連が付き合うのは嫌」
「は?」
まーさんは会話の内容が理解出来ていない。
「そう……やっぱりユウナちゃんも?」
「そうね……認めるわ……」
少し俯きながら答える。
「俺必要あるか?」
まーさんが言うとつーさんは祐樹の足をつねる。
「痛いですよ!!」
「あいつが鈍感だからイラついた」
「わかるー、あれは酷いわねぇ……」
カレンちゃんもお絞りを祐樹に投げる。
「八つ当たりはやめて下さい!!」
「うーーーーー」
カレンはストローを噛みながら祐樹を睨みつける。
「それで? どうする? 2人を合わせないようにする?」
「そうね……でもね、それは酷いと思うの……」
「あら? いいのかしら? 私は一応アイドルよ。 ユウナちゃんの若い肌が羨ましいけど……」
「私は負けないように頑張るだけ……それで負けても悔いは残らない」
「そう。 真連、私はあなたが好きよ。 年上だけど付き合ってくれる?」
「私は兄弟だけど……好きだから……その……つ、付き合ってあげても……いいわ……よ?」
「俺ならユウナだな、あのツンデレたまらない!!」
つーさんはよだれを垂らしながらニヤついている。
「へぇ、ダーリンはああいう大人っぽい人がいいの? 私は所詮ツルペタロリ少女よ!!」
「違うんだ、体型じゃない!! ツンデレがいいんだ!!」
「そうなの!? なら許してあげてもいいわ。 私の勘違いだもの……」
「早速ツンデレか!? 大好きだぜ!!」
つーさんはカレンちゃんを抱きしめると2人はキスしていた。
「はい?」
まーさんはまだ理解出来ていないようだ。
それもそうだろう。
片方はただのアイドル、片方は義理のお姉さん。
選ぶのは難しいだろう。
祐樹は席を立つと3人の前に行く。
「まーさん、これはふざけないで答えて下さい!! 僕からのお願いです。 どちらが好きですか?」
「いや、俺は何も感じないし……」
「そんなはずはありません!! それに感しなくても構いません!! どっちか選んでください!! どっちと居たいですか!?」
「うーん……ユウナかな?」
「それは兄弟だからですか!?」
「いや、そういう訳では……ただ俺の前では着飾っていないからかな?」
祐樹の剣幕に押されて答える。
「それがあなたの答えなのね……いいわ、私は引くわね。 でもね、これだけは覚えておいてね、ユウナちゃんが真連を見捨てたらすぐに教えて!! 迎えに来るから」
それだけ言うと雪菜は席を立ち帰っていく。
「……ありがと」
ユウナはそれだけ言うと顔を伏せている。
「あぁ……気にするな」
まーさんも少し照れ臭そうに答える。
「いやぁ、いい所を見せてもらいましたねぇ」
「そうですねぇ……私も楽しかったわ」
「しかし真連は鈍感だな」
「そうね、イラついてストローが千切れたわ」
「まぁハッピーエンドってところかな?」
2人は嬉しそうに見ているがまーさんは祐樹とつーさんとカレンちゃんをみるとイラついた。
「お前らずっと隠れて見てたのか?」
「あ……いえ……そういう訳ではありません」
祐樹は慌てて否定する。
「見てたな、ゲーセンから見てたな!!」
つーさんは嬉しそうに答える。
「へぇ……人の話を聞いて楽しんだんだな?」
「当たり前だろ? 俺はまーさんしかイジる相手いないもんなぁ」
つーさんは満足気に答える。
するとまーさんは黙って立ち上がるとつーさんを押し倒し関節技をかけた。
「岐阜岐阜岐阜!! あ!! 間違えた!! ギフギフギフ!!」
つーさんがわざと間違えると真剣に技をかけられ気絶した。
「さぁ、帰るか」
まーさんが言うと全員分のお会計を済ませて出て行く。
「待って」
ユウナさんは後から追っかけるがどこかお似合いだった。
「幸せになれよ……真連」
つーさんはそれだけ呟くとまた気を失った。
いよいよ佳境だな!!
そうね、私は今すぐ終わっても構わないわ
もうツンデレじゃなくていいぞ!?
いやぁ、ハマったもん
つづく!!




