表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/43

第3話 恐怖

バイト終わりに歩いていると建物の裏から男の人の笑い声と殴る音が聞こえてきた。


関わりたくないと思い祐樹は少し早足で歩いていたが後ろから人が走ってくると祐樹にぶつかり2人は倒れる。


男は身体中ボロボロだった。


「助けてくれ」


男は祐樹にしがみつき離れない。


そこへまーさんが現れた。


「おいおい、逃げるなよ。 まだ嗅覚しか死んでないだろ。 聴覚、視力、味覚が残ってんだろ?」


相変わらずヘラヘラとしながら怖い言葉を並べる。


悪魔より怖いとこの時祐樹は感じた。


「あの、助けてあげたらダメですか?」


祐樹はかわいそうになり聞いてみた。


「おぉ、祐樹か。 バイト帰りか? お疲れ」


そう言うと近付いてくる。


男は祐樹の後ろに隠れる。


「隠れんぼか? まぁいいさ。 俺が鬼な」


まーさんは指で祐樹に顔を下げる様に指示を出す。


祐樹は背筋が凍り指示されるままに顔を下に下ろす。


頭の真上を何かが通り過ぎると後ろにひっついていた男の力が抜けた。


「みーつけた」


祐樹は倒れた男を介抱しようとするがまーさんに引き離された。


「祐樹、お前はこんなクズに近付くな。 俺が片付けてやるよ。 まずは味覚からだな」


その時パトカーのサイレンがたくさん聞こえ何人もの警官が周りを囲んだ。


「動くな。 その倒れている男は?」


「邪魔するのか?」


まーさんは質問に質問で返す。


「君、こちらの質問に答えろ」


まーさんは警官を睨みつけたかと思うと急に祐樹の方をみた。


「お前は関係ないからどっかいけ! 殺すぞ!」


祐樹は怖くてゆっくりと後ずさりすると警官が祐樹を保護してくれた。


すると倒れている男のズボンのポケットの中に手を突っ込む。


中からは白い粉が入った袋が3つ出てきた。


「それは!?」


「こいつらがこれを売ってたからしばいたまでだ。 お前らには見つけれてない売人だろ?」


警官は誰も何も言わない。


すると1人スーツをきた男が警官をかき分けてまーさんの前に立つ。


「これが本物なら我々の知らない売人だな」


「路地裏にも倒れてる。 片付けるなら早くしろ。 お前らの法律で裁けないなら俺が裁く」


スーツの警官はまーさんから白い粉の袋を受け取ると倒れている男の手に手錠をかけた。


「今回だけは見逃してやるよ」


警官達は引き上げて行った。


「カッコよかったですよ!」


祐樹はまーさんの事を見直した。


「そうか?」


「えぇ、それに僕を助けてくれましたしね。 ありがとうございます」


祐樹は頭を下げる。


「あぁ、あれか……実はなお前の服の中に金を隠したんだ」


祐樹が服を脱ぐとお金が落ちてきた。


「売人なぐったからさ、持ち物チェックでもされて俺が持ってたら没収されるだろ?」


笑いながら祐樹から受け取ると歩き去った。


「僕の感動を返してください……」


祐樹は小声で呟いた。


つづく?


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ