第29話 修学旅行
祐樹は物凄くいい気分で空港で搭乗手続きを行なっていた。
今日から修学旅行だからまーさんやつーさんと絡まなくてもいい。
和也と進君と祐樹の3人と茜ちゃん、咲ちゃん、千尋ちゃんの3人のグループである。
全員真面目なこのグループはクラスの中でも目立たないグループであるはずだった。
しかし祐樹はすでに学校では有名になりつつあるし茜ちゃんはファンが多い合法ロリなので注目の的でもあった。
さらに咲ちゃん、千尋ちゃんは茜ちゃんの友達らしく2人ともおとなしいメガネをかけた女の子達だった。
「今日から幸せだなぁ」
祐樹が呟くと茜ちゃんには聞こえたのかクスクス笑う。
進君はクラスで1番イケメンなのだが何故か祐樹と和也と一緒の班になりたがった。
「ねぇ、なんで進君は僕たちと一緒の班が良かったの?」
「なんでかって? それはね、目立ちたくないからさ!! まぁ、祐樹君は学年で目立ってはいるから俺がこの班に入れば目立たないと思ったまでさ」
「はぁ……」
「まぁ、それは冗談だよ。 俺は祐樹君に興味があるんだ。 あのユウナさんと仲良くできる君のモテ術をね」
「いやぁ……あれは仲がいいというよりもただ絡まれてるだけかと……それにユウナさんとはあまり話さないしね」
「何故!? 君は馬鹿なのか!?」
「いや……そこまで言われると少し傷つくけど……でも少し話しかけにくいって言うのはあるかなぁ」
「俺ならグイグイ攻めるけどな!! せめてせめて女は落ちるものさ」
進君はどこか少しズレているような気がした。
「ところで祐樹君、君は誰が好きなのかな?」
和也と進君は2人してニヤニヤしている。
「僕は……誰でもいいじゃないか」
祐樹は照れながらも答えない。
「楽しみだな。 修学旅行と言えば告白だからな」
2人は茜ちゃんの方をチラチラ見ながら祐樹に言うと笑っていた。
「ねぇ、なんの話ししてるの?」
咲ちゃんが和也に聞くと和也は咲ちゃんの耳元で囁く。
「あー、頑張ってね……うん、がんばればいいと思うよ……なんかごめんね」
咲ちゃんは暗い顔をしながら祐樹に謝ると2人の元へ帰っていく。
「今何言ったの!?」
「いや、ありのままだぜ」
「告白する前からフラれたって事!?」
「大丈夫だ、心配するな!!」
進君は祐樹の肩に手を置くと落ち着かせようとする。
「でも僕……」
その時見えてはいけない人達が祐樹の視界に入った。
「どうした?」
和也が祐樹の視線を追うと止まる。
「そんなに茜ちゃんの事見たかったのか?」
進君も祐樹の視線を追い止まった。
茜ちゃんも気がついたようで走っていく。
「何してるの!? まーさんまで……」
「いや、俺は茜の事が心配になったから急遽旅行に行くことにした!!」
「えぇ……キモいんですけど……彼女の為とか言ってよ……」
「カレンは今日は仕事だからいけないんだ!! 妹を警備する目的で来たんだ」
「彼女優先してくれませんか? マジで恥ずかしいから帰ってくれない?」
「それは無理だ!! ホテルもとってある!!」
「……まーさん、悪いんですけどコレ処分してくれませんか?」
「わかった」
「ちょっと待て!! ちゃんとした理由もあるんだよ!!」
「ホントに?」
「あぁ、俺は就職する為に見学に行くんだ」
「へぇ……初耳だけど?」
「カレンとの結婚を考えててさ……俺って最高な彼氏だろ?」
「それでなんで私たちのについてくるの?」
「それはな、芸能活動の拠点を東京に移すかもしれないからなんだ!!」
「へー」
「だから俺はついてきたんだ!! それにみんなが泊まるホテルだってまーさんの物だしな」
「え!? 名前が違うけど……」
「あー、最近買収してさ。 その為に俺は行くんだよ」
「なるほど……お兄ちゃんの部屋はゴミ捨て場でいいので」
それだけ言うとみんなの元へ帰っていく。
祐樹は愕然として目の前が真っ暗になった。
飛行機に乗るとすぐに東京に着く。
ホテルに行き部屋に荷物を置くと早速遊びに行く。
1日目は動物園に行くらしい。
「これってさ別に学校で来なくてもよくね?」
進君はなんとなく不満そうだった。
「確かに。 俺だって秋葉に行きたい!! メイド見たい!!」
和也も不満そうだった。
「でも動物可愛いよ?」
茜ちゃんがそういうと2人は不満そうな顔のまま後に続いた。
みんな仲がいいわけではないがそれなりに盛り上がっていた。
「なぁ、茜ちゃんの好きな人って誰なんだ?」
進君は小声で茜ちゃんに聞いている。
「え? 急にどうしたの?」
「いや、気になってさ。 同じクラスにいたりするかな?」
「いないわよ。 年上の人なの」
それだけ言うとパンダを見に行く。
「年上が好きらしいぞ……もしかして」
進君は何かに気がついたようだ。
「うん? 誰?」
「あの、不良のまーさんじゃないのか?」
「えー、それはないと思うけどなぁ。 あまり2人話さないし」
「茜ちゃんが照れてる可能性もあるだろ?」
「うーん……」
祐樹には考えられない組み合わせだった。
「ほかにいないだろ? ていうかフラれるなこれは……」
「いないけど……いやいや、告白しないから」
「えー、つまらん!! あたって砕けてみろよ」
「いや、本当に無理ですから……」
祐樹はガッカリした。
その後の事はよく覚えていないが急に楽しくなくなった気がした。
夜になり部屋に戻るとベッドで横になる。
「おい、祐樹いいのか?」
和也は心配そうに聞いてくる。
「何がいいんだ?」
「告白だよ。 してみたらどうだ?」
「いいよ。 そういうのじゃないんだよ」
祐樹はそのまま枕を濡らしながら眠りについたのは夜中になってからだった。
つづくぜ!!
かわいそうだね……でも私はつーくんの事しか興味ないの!!




