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第27話 質問

つーさんに連れられて道場にやってきた祐樹は人間離れした動きをする2人をみて絶句した。


まるで空を飛ぶかのように立ち回る2人はどこか美しくもあった。


「おい、お前らあれがまーさんだ! 倒してこい!!」


後輩も連れてきたのだがみんなも動くことが出来ず見入っていた。


「早く行ってこいよ」


つーさんに言われるとそれぞれが素手で向かっていこうとする。


「待て待て!! 武器使えよ」


つーさんは悪い顔をしている。


「おい、お前ら武器出せ!! 行くぞ」


祐樹は下級生たちの勢いは凄いと思った。


だが当然ながら一瞬で蹴散らされる。


しかしそれがあったからなのか2人の戦いも止まった。


「もう今日は終わりだ」


まーさんはそれだけ言うと道場を出て行く。


雪菜はまーさんの後を追った。


篠田は息切れして座り込んでいる。


「うーん、やっぱりダメかぁ。 祐樹どう思う?」


「イジメとしか言いようがないですよ!!」


「いやぁ、でもよ何とか勝負がつかなかったから良かっただろ?」


「え!?」


「いいか、あの勝負はどっちにしろまーさんにとっては不利な戦いなんだよ。 だから勝負がつかない方がいいんだ」


「どうしてですか? 勝てばいいんですよね?」


「そう思うだろ? だがな、まーさんが勝ってもファンになると言ったからには行くだろうし、負けたら結婚だろ? なら最初から篠田サイドに有利なんだよ」


するといつのまにか横に来ていた篠田は笑っている。


「その通りだ。 彼が勝ってもそこを攻めるつもりだった!! つまり私の作戦は完璧なんだ。 道場も守れて雪菜にもいい人が与えられる」


「はぁ……でもつーさんはなんで賭けてるのが分かったんですか?」


「それはな俺が天才だからだよ」


胸を張って言っている。


「どうせ雪菜さんからメールが来たとかそんなんじゃないんですか?」


「違います!! 来たのは愛しのカレンからですー!!」


「そうだったんですね。 それで慌てて来たわけですか」


「なるほど。 お主も賢いな」


篠田は納得しているようだった。


「しかしこれで勝負は流れた!! 俺たちの勝ちだな。 帰るぞツーサンズ!!」


下級生に変なあだ名をつけたようだった。


みんなで道場を出るが既にまーさんの姿は見えなかった。


「大丈夫なんですかね?」


「大丈夫だろ?」


「それっていつもの自分だけってやつですか?」


「いや、これからまーさんはもっと大変な目にあうんだよ」


つーさんは嬉しそうに言っている。






その頃まーさんは駅の前で立っていた。


背中には雪菜が抱きついていて目の前にはユウナがいる。


そして何故か莉子さんもいた。


「ごめんなさい……」


背中から声が聞こえる。


「気にするな。 それより離れてくれないか?」


「いや!! 離れない!!」


「えっと……今はそんな事を言っている状況じゃないらしいぞ?」


雪菜は首を横に振るとそのまま抱きついているので状況がわかっていない。


「アイドル辞めるから……お願い」


「いや、辞めなくていいんだけど……それよりも一回前を見てくれ」


「マスコミなんて怖くないもん。 年上は嫌!?」


「いや、マスコミいないし。 ほぼ年上の人ばかりだけれども……とにかく前を見てくれないか?」


「無理!! わたしにはもうあなたしか見えない!!」


「いや、頼むから他も見てくれ!!」


「大丈夫、成人するまで手出さないから」


「そこじゃなくて……もういいや……」


まーさんは諦めた。


「それで? 何してるのかしら? そしてなぜ莉子さんもいるの?」


「わたしはつーくんに連絡もらって来たの。 なんかピンチだって言われてさ」


「あら? あなたもなの? 私もそうなの。 ピンチってこれ?」


「これの前だから」


「ふーん。 それで? アイドルに抱きつかれて嬉しいのかしら?」


「いや……そこよりも前」


「何したの!?」


莉子さんは少し興奮気味に聞く。


「いや、戦ってて……篠田って格闘家で。 それで何故か途中で途切れて帰ったらこうなった」


「わかりません!!」


と言いながら莉子さんは前から抱きつく。


「私がもらいます」


すると雪菜は気がついたのか顔を背中から出すと莉子を見る。


「私の物よ!! あなたには渡さないわ」


「あなたの方が年上みたいね!! いくつかしら!? 大学生なのかしら?」


2人は睨み合っている。


「あの、とりあえず離れてくれませんか?」


「「いやだ!!」」


そこだけは意見があった。


「とりあえず家に来てくれ……」


まーさんは疲れを覚えそれだけ言うと4人で歩き出した。


そのすぐ後ろにバッチリ変装した怪しい小男が付いていく。


「フフフ、私の変装は完璧なのだ!! バレていないのだ!! これをつーくんに報告すればきっと抱きしめてくれるはずよ!! 今日はどんなコスプレで楽しもうかしら……あ!!」


妄想していると目の前にまーさんが立っていた。


「私は通りすがりの怪しいおじさんだ!! さぁてと帰るとするかな!!」


ぎこちない動きで帰ろうとするとまーさんに捕まる。


「いえ、別に後をつけようとか……そういうのでは無いんです。 ただ同じ方向に進んでいただけなんです」


「へぇ?」


「それにつーくんからは何も言われてません!! 個人的にやった事なんです!! だからつーくんには言わないでください」


「ほぉ」


「私は今日はナースの服着てつーくんを患者に見立てて遊ぶつもりでした。 その妄想が膨らみすぎて捕まったんです!!」


「それで?」


「あ、今日スーパーの特売でしたわ!! もうすぐ始まっちゃう!! 行かなくては!!」


「特売かぁ……それよりもまずは家に来てもらおうか?」


まーさんはそれだけ言うと変装したカレンを掴み上げ連れて帰った。








つーさんの元にまーさんから連絡が入った。


「家に来いだと!? しかも人質まで……卑怯な奴だ!!」


「人質!? 誰ですか?」


「カレンに決まってるだろ!! 畜生!!

やっぱり尾行させるべきではなかった!!」


「まーさんなら直ぐに気づくでしょうね……」


「祐樹行くぞ!! ツーサンズは解散!! また明日!!」


祐樹とつーさんが家に着くと中に案内された。


すでに長テーブルにまーさんが座り対面にユウナ、莉子、雪菜の3人が座っていた。


カレンはなぜか間に立っている。


「それでは今回集まっていただいた3人の女性からの紹介です!!」


「いや、こんな事しなくていいから……」


まーさんをよく見ると椅子に縛り付けられている。


「おーい!! 迎えに来たぞ!!」


つーさんが近付くとなぜか地面から椅子が現れつーさんを縛り付けた。


「え!? 」


祐樹は逃げようと扉に手をかけると自分の顔の真横にナイフが刺さる。


「はい!?」


ゆっくり振り返るとユウナさんが更にナイフを持っていた。


「お座りください?」


「はい……」


祐樹は恐怖に支配されながらもつーさんの横に現れた椅子に座った。


「えっとですね、続けます!! まずはまーさんの姉であり恋人候補の1人目永田 ユウナさん!! 彼女が告白された人数は数知れず!! しかし弟の為に全て断ってきた美人お姉様です!!」


「いや、ユウナはいらないだろ」


まーさんが口を挟むとカレンはガムテープを取り出しまーさんの口をふさぐ。


「さてと、お次はアイドルの篠田 雪菜ちゃん!! 年上美女はとても甘えん坊でかわいい!! しかもアイドルの中でも最近どんどん人気が出てきている!! 告白どころか結婚の申し込みが後を絶たないが真実の愛を見つける為ここに参戦!!」


「恥ずかしいから……」


雪菜は顔を隠す。


「そして最後は木元 莉子さん!! 彼女の事はよく知りませんがお父様はかの有名な木元 新!! 最高の俳優です!! イケメンな父から受け継いだDNAが彼女の美貌の秘訣なのか!? 羨ましい!!」


「なぜ父の事を!?」


「それは内緒だぜ!! それじゃあ、まずは質問してみようじゃないか!! 」


カレンはユウナにマイクを渡す。


一体どこにつながっているのかは謎だが祐樹は突っ込まないようにした。


「え!? 質問と言われても……じゃあ、なんで洗濯物脱いだらカゴに入れないのですか?」


「えー、なんかもっといい感じの質問して欲しい……はっ!? もしかして……なるほど、そういう事ですね!! いいでしょう!! お姉様エロいです!!」


「え!? なんでそうなるの!?」


その言葉を無視してカレンはまーさんの口にはったガムテープを勢いよく剥がし取る。


「いてぇな!!」


「お答えください!!」


「めんどくさいからだよ!! それよりも……」


ここでまた口を塞がれる。


「なるほど、なるほど……分かりました!! お姉様はそうやって弟の下着をみて興奮してしまうので自分で片付けて欲しいと!? そういうことですね!!」


「……違います」


「そんな……ずるい!! 私も下着欲しい!!」


「私も!!」


「あの……取ってるわけではないんですけど……洗濯機に入れてるだけですけど……」


「絶対にそれだけじゃないですよねぇ」


「そうよねぇ」


「当たり前よねぇ」


何故か残りの3人は羨ましそうに見ている。


「カレンは俺のだけだろ!?」


「当たり前でしょ!? そういうプレイが羨ましいの!!」


「そっか……これからはいっぱい楽しもうな!!」


「うん!!」


つーさんとカレンさんは今日もラブラブだったのであった。



司会がイチャつき始めると勝手に質問が進む。


「あの、さっきおじいちゃんがすいません……」


「あー、いえいえ。 気にしてないから」


「キレてないでしょうね!?」


「……え?」


「キレたのね……お爺様にお怪我はありませんか?」


「えぇ……むしろいい闘いをしてたのよねぇ」


「キレて勝てないなら何しても勝てない相手ね!! これからは真面目に鍛錬してくれるわよね?」


「邪魔が入っただけだ」


「あら、どうかしら?」


ユウナは目を細めてからかうように言う。


「あの、話が見えないけれどそろそろ私バイトだから帰るね」


莉子は立ち上がると帰っていく。


「まーさん振られたな!! これでいいんだ!! 俺の作戦通り」


つーさんはまーさんのおでこをペチペチと叩きながら喜んでいる。


「いいか、これからまーさんはみんなに嫌われる!! そして俺に友達になって下さいと頼み込んでくる!! その時真の勝者となるのだ」


「なんの勝負だよ……」


まーさんは呆れながら返すとつーさんはやれやれといった表情をしている。


「いいか、これは恋のバトルと学園最強を決める戦いでもあるんだ!!」


「はぁ……」


「これからは俺のことはボスと呼び毎回漫画、ジュースを買ってくるのだ!!」


「パシリって事か?」


「いや、違う!! 奴隷だ!!」


「それは俺が勝ったら逆にしてもいいんだな!?」


「あぁ、もちろん!! ただ、今まさに君は敗れそうだけどな!! ハハハハハ」


つーさんは勝利を確信しつつ司会の席に座る。


カレンはつーさんの膝に座る。


「いいか、君達2人のどちらか……いや、2人ともこいつの事を嫌いになってもらう!!」


「もらう!!」


「知っているか? まーさんは実は変態なのだ!!」


「なのだ!!」



……


……


……


「まーさんは実はご飯よりパン派なんだ!!」


「……なんだ」



……


……


……



「あ、あのな。 まーさんはそのクラスのサキちゃんから告白されたんだ……」


「え!? それ本当?」


ユウナがかなり喰いついた。


「いや、されてないし話した事もない」


「でも言ってたもん!! 告ったって言ってたもん!!」


「あんた、サキちゃんって誰のことか分かってる?」


「……あぁ」


「はい、ウソー!! しらねぇやつに告られて振ってやんの!! ひどい男だろ?」


「相手の事よく分からないのに告白できるのって若いからだよねぇ」


雪菜がしみじみと言う。


「後な、よしこちゃんだろ、かえでちゃんだろ、あとみなちゃんだろ、ねねちゃんに、きょうこちゃんに……羨ましいなこのやろー!!」


「いや、全員知らないから」


まーさんはキッパリと否定する。


「全員クラスメイトだぞ!? 俺なんて全員の名前、胸のサイズ、身長まで知ってるんだぞ!!」


「いや、それはキモい……」


まーさんはまともな突っ込みを入れる。


「ちくしょーー!! 俺にはカレンと言うかわいい彼女がいるんだぞ!? 羨ましいだろ?」


「うーん……別になんとも思わないな」


まーさんがカレンを見るとカレンは得意の決めポーズを決めている。


「それは君に彼女ができたことがないからだな!!」


ビシッとまーさんを指して言う。


「彼女ならいたことあるぞ?」


「「「「「え!?」」」」」



祐樹を含め全員が止まった。




つづくーー!!


つづくーーーー????




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