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第21話 ライブにユウナ降臨

土曜日の朝早く祐樹は電話で目を覚ました。


相手はつーさんだった。


「はい……」


『今日ライブだから行こうぜ』


「はぁ……」


『起きろよ!!』


祐樹はつーさんの大声でビックリし、目がさめる。


「いいですけど多分まーさんも行きますよね?」


『そうだろうな、でもな俺にとってはどうでもいい事なんだよ』


「そうなんですか?」


『あぁ、だから行くぞ!! いいか、俺の彼女をとくと見るがよい』


「あぁ、はい。 応援はします」


『もうちょっとなんかさ……あるじゃん、妬いて、俺だけ彼女いる事にさ!!』


「わぁ凄いです。 彼女いて羨ましいです」


祐樹は棒読みで答える。


『もういいよ!! 後でな』


それだけ言うと電話を切られる。


今日の予定はライブになった。


いや、チケット代はつーさんが出してくれているし、グッズ、行き帰りの交通費全てつーさんが出してくれていた。


「なんか悪い気がするなぁ」


祐樹は呟きながらも準備し始めた。







2人がライブ会場に行くとすでにファンの人が集まっていた。


開演までまだ2時間ある。


祐樹はつーさんと共に最前列に立っていた。


「おはよう!! 今日も来たのか!? いやぁ、雅ちゃんをゲットするとはなぁ。 やるな!!」


北さんがハイテンションで近寄ってきた。


「どうも!! いやぁ、ありがとうございます……なんで知ってるんですか!?」


「うん? いやぁ、彼女のSNSの写真をさ見てたら君が写っていたからさ!! 多分あれは君の部屋だと思うんだよ!! だからさ!!」


親指を立てながら答えるがつーさんは気になる事があった。


「いや、俺は写っていないはずですけれど……確認してますから」


「何を言っているんだ!? この新しいパジャマの写真を見たまえ!!」


そう言うと一枚の写真を見せる。


「写ってませんね」


祐樹が確認するがつーさんは写ってはいない。


「いいか、まず壁紙だが色は同じだが柄が違う!! そしてここに写っているカーテン、これも彼女の家の物ではない!! もっと言おう!! 彼女の目をアップにして少しいじると、どうだ!! 写っているだろう!?」


たしかにつーさんの横顔が写っていた。


しかし祐樹はそれよりも気になることがあった。


「あの、毎回こんな事してるんですか?」


「え!? いや……たまたまだよ!! そ、そんな訳ないだろ!? 毎回やってたら気持ち悪いじゃないか!!」


最終的に逆ギレされた。


「おい、祐樹こいつやばい奴だな」


つーさんは小声で言う。


「ですね……」


祐樹は闇系って言うのはアイドルより観客の方なのではないかと思った。


北はなぜか離れていった。


しばらくすると後ろの方の客がどよめき出した。


「何が起きたんだ?」


つーさんと祐樹は振り返る。


そこにはまーさんとなぜかユウナさんもいた。


2人はそのままこっちに歩いてきた。


「よぉ」


「おはようございます」


まーさんは何故か嫌そうな顔をしていてユウナさんは嬉しそうな顔をしていた。


「なぜユウナがいる!?」


「弟がアイドルの追っかけをやってるのは少し理解できないのでどんな女の子なのか見にきました」


顔は笑っているが何故か怖かった。


「それでいつ出てくるのかしら?」


ユウナは嬉しそうに言う。


「あ、あの……まーさんは追っかけではないんです……」


祐樹は事情を説明しようとしたがユウナに睨まれてそれ以上何も言えなかった。


「わかっただろ? 俺がユウナ好きにならない理由がさ。 怖いんだよ」


祐樹は頷くしかなかった。


ユウナさんの周りにはすでにファンが出来ている様であった。


「私彼氏いますから、アイドルでもなんでもないので」


ユウナさんはそれだけ言うと誰にも何も言わせなかった。


そこは凄いと思った。







音楽が流れ始めるとルシフェルのメンバーが出てきた。


雅さんは当然センターでエリカさんはこちから見て右端で歌っていた。


祐樹は横目でまーさんの方を向く。


まーさんはユウナさんに小声で絡まれておりエリカさんを指差すとそのあとずっとまーさんのことを小突いていた。


なぜそこまでと祐樹は思ったがライブを楽しもうと思いそちらを見るのをやめた。


祐樹はそこまでアイドルに興味なかったが知り合いが出ているとなると応援したい気持ちになった。


「楽しいな」


「そうですね」


祐樹とつーさんは楽しんだ。


ライブが終わると4人は楽屋に通された。


きっと雅さんが通してくれたのだと思った。


中に入ると全員がユウナさんのほうに近づく。


「めっちゃキレイ!!」


「凄い、肌も白い」


「なんで!? 化粧品何使ってるんですか!?」


「ヤバくない? 顔交換してほしい!!」


かなり詰め寄られる。


しかしそんな中雅さんはつーさんの元へ、エリカさんはまーさんの元へと歩いていく。


この行動にユウナさんはイラついていたが女の子達の質問に答えていた。


「えっと、化粧はほとんどしてないよ。 今もほぼスッピンだしね……顔は交換出来ないかな? 日焼けは何故かしないのよねぇ」


女の子達は羨ましそうに見ているがまーさんを見てからユウナを見る。


「もしかして彼氏ですか?」


「え!? ……えぇ、そうよ、真連来なさい」


そう言うとまーさんを引っ張る。


「彼氏の真連です」


「うそ!? 彼氏いいなぁ」


「私タイプかも、ストーカーしていいですか!?」


「2人でいるところ狙いたいよね」


「そうそう、カメラ仕掛けて覗きみたい」


「最高のオカズね!!」


なんかヤバい方向に行き始める。


そんな中エリカさんだけは立ち竦んでいた。


「なぁ俺たちはどっか行こうぜ。 カレンも着替えて行こうぜ」


つーさんが提案するとカレンはすぐに着替えて3人は逃げ出した。


「あの……永田さんって彼氏いたの?」


「いや、あれは弟だ」


「禁断の恋!? じゃあエリカさんは!?」


「それはなぁ……そこらへんまーさん何考えてるか分からないしなぁ」


「きっと永田さんがまーさんのこと独占したいのよ!! 禁断の恋って少し憧れるわ……でもなんで同じ学年なの!?」


「本当の兄弟ではないからさ」


「あら、余計萌えるわね!!」


祐樹はファンも闇系だと思ったがアイドルの方も闇系だと思った。






その頃やっとユウナに解放されたまーさんはエリカの元へ戻る。


「ごめん、姉さんが余計な事言ってさ」


「お姉さんなの!? 彼女じゃないの!? 嘘つかなくていいんだよ?」


「嘘ついてない、義理の姉で同級生なんだよ。 めんどくさいだろ?」


「なんか凄い複雑そうね……まぁいいわ、信じてあげる」


「助かるよ」


「年齢だけで言えば私の方がお姉さんっぽいね。 甘える?」


両手を広げて迎え入れようとする。


「いいよ、興味ないからさ」


そっぽを向きながら答える。


「かわいいねぇ」


「あのなぁ。 それに今抱きついてたら何言われるか……」


そう言いながら扉を開けるとつーさんと祐樹と雅の3人がいた。


「おいコラ、帰ったんじゃないのか?」


「いやぁ、帰ろうと思ったらさなんか面白そうな話聞こえてきてさぁ。 これは友達としては聞いとかないとなぁって思ってさ」


つーさんは悪びれる様子もなく答える。


「私はエリカちゃんとまーさんはお似合いだと思うけどね」


雅はエリカにウインクをしながら応援の言葉を投げかける。


「いや、あの僕はやめた方がいいと言ったんですよ……なのに言うこと聞いてくれなくて……」


祐樹は不安そうに答える。


「まぁいいや。 それで……もう帰るだろ?」


まーさんはニコリとしている。


「えー、だってさぁ、まだエリカちゃん着替えてないしぃ、ユウナちゃんも連れて帰った方がいいと思うしー、みんなでご飯食べにいくのもいいと思うしー」


つーさんは明らかに楽しんでいる。


「エリカちゃんとご飯行きたい!!」


雅も同調する。


祐樹はつーさんと雅の2人を合わせるとまーさんとは違う酷さを見せるんだなと冷静に分析していた。


「じゃあみんなで食べにいくか?」


まぁさんはニヤニヤしながら答えるとエリカを抱き寄せる。


「あー!! 抱きしめたー!! ゆうなちゃ〜ん、まーさんが女の子抱きしめてますー!!」


「ますーー!!」


つーさんが言うと雅も語尾だけ合わせる。


ユウナはみんなから解放されなんとか入り口近くに立った。


「……いいんじゃない? それよりご飯行くんでしょ? 早く行きましょうよ?」


「修羅場になりそうだと思わないか? これであの2人に仕返しが出来るぜ!!」


「出来るぜ!!」


つーさんは物凄く悪い顔をしていた。

それにつられて雅も悪い顔をしていた。






つづくぜ!!


ぜ!!

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