第20話 ラブラブな2人
つーさんはルンルン気分で歩いていた。
今日も彼女とデートだった。
待ち合わせは人が少ない街から外れた場所だった。
流石に芸能人と会うのだから仕方のない事だと理解もしていた。
しばらく待っていると雅……いや、彼女のカレンが現れる。
今日も可愛らしくフリフリの服を着てきている。
「今日もかわいいですなぁ」
「ウフフ、ありがとう。 つーくんもかっこいよ」
「ありがと」
つーさんはデレデレだった。
「今日は何する?」
「そうだなぁ……ピクニックでも行こうか」
「うん」
2人は山をゆっくりと登る。
山と言うかほぼ丘だった。
10分も歩くと山頂で街を見渡すことが出来る。
シートを広げ2人で座るとカレンが用意したサンドウィッチを食べる。
「ねぇ、最近さぁエリカさんの人気が出てきてるのよねぇ」
「あぁ、あの年上の人か?」
「優しい人なのよねぇ、面倒見もいいし、でもねぇ……」
「うん? どうかしたのか?」
「いえ、彼女病んでないのよねぇ……」
「カレンも病んでないだろ?」
「私は……病んでるもん。 今はつーくんがいるからいいの」
つーさんに抱きつきながら言われつーさんはデレデレする。
そこへ人の話し声が聞こえてきた。
2人は急いで物陰に隠れる。
カメラを持った人が2人電話をしながら山頂に到達する。
「やはりガセだったようです。 居ませんね」
「時間の無駄だよ。 しかもターゲット高校生だろ? いくらなんでもさぁ」
「そうそうそこまで売れてるアイドルって訳でもないしねぇ」
2人はそのまま降りていく。
ホッとして出て行こうとするとさっきの2人が走って逃げてきた。
「助けてくれ!!」
「おい行き止まりだぞ!?」
そこへ2頭の熊が現れる。
「マジかよ」
つーさんはカレンを自分の後ろに立たせてると様子を伺う。
熊は匂いを嗅いでいる様だった。
「まずい」
こっちにはサンドウィッチとフルーツがある。
しかし記者が襲われるのも胸糞悪い。
つーさんは食べ物を包むと自分で持ちカレンを座らせる。
「動くなよ」
それだけ言うと熊の前に姿をあらわす。
「こっちだボケ」
石を拾い投げると熊は反応した。
「ゆっくり逃げろ」
記者の2人に言うと自分は熊と向かい合う。
1頭の熊なら勝っている人が何人かいるが流石に2頭はいないだろう。
策を考えつつもカレンの安全も確保したかった。
記者が見えなくなると食べ物を熊に向かって投げる。
これで時間を稼げるはずだった。
ゆっくりとその場を離れてカレンの手を掴むとゆっくりとその場を離れた。
「大丈夫か? 怪我ないか?」
「うん、大丈夫」
カレンは泣きながらもつーさんに抱きつく。
「ごめんなせっかく作ってくれたのに」
「いいよ、また作るから」
「かわいいなぁ」
2人はイチャつきながらゆっくりと山を降りて行った。
その頃山頂では祐樹とまーさんが熊に絡まれていた。
つーさんの後を追った2人は熊と鉢合わせしたのだった。
お陰でつーさんとカレンは無事に降りることが出来た。
「ど……どうするんですか!?」
「おい、熊とあのじじいどっちが強い?」
「それはおじいさんですよ……なんかホッキョクグマすらも素手で倒したみたいですよ」
「そうか……祐樹お前どいてろ」
と言うとまーさんは祐樹を投げ飛ばす。
囲いからは逃げられたが熊が追ってこようとしている。
しかしまーさんはそれを許さずに熊を後ろから蹴る。
「お前らの相手は俺だ」
まーさんは嬉しそうに立ち向かう。
熊が飛びかかってくると足元をすり抜け後ろから熊に飛び乗り地面に押さえつけるとそのまま突きの連打を浴びせる。
もう一頭の熊が威嚇の為に立ち上がるとまーさんは熊の懐に飛び込む。
熊の爪が当たったと思い祐樹は目を瞑る。
しばらくして目を開けるとまーさんは熊を二頭とも倒していた。
「いやいやいやいやいやいや……」
祐樹はなんと声をかけていいのかも分からなくなりこの様な意味をなさない言葉を言い続ける。
「黙れ」
まーさんに頭にチョップを喰らうまで言い続けていた。
「だって熊倒すなんてありえないですよ」
「殺してはいないぞ?」
「そういう問題ではないんですけど……」
「あそこ見てみろ」
まーさんが指差す方を見ると子グマが3匹いた。
「きっと守ろうとしたんだな」
まーさんはそれだけ言うと祐樹を連れて山を降りる。
下の駐車場に着くとカメラで撮った写真を入念にチェックしている2人組がいた。
まーさんは何も言わずに覗き込むと2人のカメラを壊し胸ぐらを掴む。
「おい、カメラと同じように頭砕いてやろうか?」
2人は何も答えずにガタガタ震えている。
まーさんは2人を離すとその人達が乗ってきたであろう車のサイドミラーを蹴り壊し更にボンネットを叩きヘコませるともう一度2人に近づく。
「わかったのか?」
「「はい」」
2人は返事をすると車に乗り走り去った。
「何が写っていたんですか?」
「あ!? あいつら俺の勇姿を取らずにバカみたいにいちゃついてるカップルを撮っていやがった」
「それってつーさんと雅さんですか?」
「そうだよ。 腹たたねぇか?」
「いや……アイドルなんで当たり前な様な……」
「あぁ!?」
「まーさんの言う通りです……」
祐樹はこの時やはりつーさんの方が優しいと感じつーさん派に戻ろうと心に誓ったのだった。
「ねぇ、私の事どれくらい好き?」
「そうだなぁ、今まで出会った誰よりも好き」
「ホント!? 嬉しい。 他の女の子は興味ない?」
「ないよ、カレンだけだよ」
「ありがと。 幸せだよ」
「俺もさ」
2人の顔が近付きそっとキスをする。
バスに乗客はいない。
今日はつーさんの家で泊まってくれるらしい。
「私の事以外愛したらダメよ」
「あぁ」
2人は幸せそうに帰っていった。
続きは、、、また今度




