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第17 敗北

つーさんは最近すぐに学校から帰ってしまう。


きっとリア充生活を楽しんでいるんだろう。


祐樹は少し寂しい気持ちとつーさんから解放された嬉しさの中、もう1人の男に目をつけられていた。


「おい、暇だ。 なんか面白いことやってくれよ……そうだ屋上からノーロープバンジーしてみろよ」


「いや、死にますよ……」


「つまらん。 暇だ」


「そう言われましても……家に帰ればいいんじゃないですか?」


「それもつまらん。 あ、そうだ!! 街に行こうぜ」


半ば強制的に街に繰り出す。


「……つまらん」


「何も目的なかったんですか!?」


「無いなぁ……」


本当につまらなさそうに歩いている。


その時背後から声をかけられた。


スーツを着たムキムキマッチョのおじさんだ。


「やぁ!! 君、久しぶりだね!! 今週もライブやるんだけど当然くるよね!? あれ、新しい友達だね!! こんにちは、私は闇系アイドルルシフェルの応援団長の北と言う!!」


「あ、はい……」


まーさんはめんどくさそうに答えるが北は握手を求め手を差し出す。


まーさんは仕方なしに握るといきなり北は力を込める。


まーさんはニヤリとすると力を入れる。


北の手がミシミシ言い始めた。


「いやぁ、力強いな!! 君はいい筋肉を持っているな!! 見せてくれないか!? 近くにいいところがあるんだ!!」


まーさんは何も答えずに手を引っ込めると歩き去ろうとしたが北は目にも留まらぬ速さでまーさんの進路を塞ぐ。


「いや、へんな意味は無いんだ!! ただ純粋に筋肉が好きなんだ!! あ、いやアイドルも好きですけれど……それよりも、君の鍛え方はどこか人とは違う気がする!!」


「何もして無いですからね」


「いや、何もしていないならばそんな肉体にならない!! さぁ白状するんだ!! そして一緒に走ろうじゃ無いか!?」


何故だか祐樹もめんどくさくなってきた。


しかし彼の情熱は途切れる事がない。


「そうだ、今から道場に行こう!! そうしよう!!」


無理矢理2人は道場に連れて行かれる。


「どうだ!? 道場はいいだろ!?」


「はぁ……」


祐樹が答えると北さんは嬉しそうにしていた。


「さぁ、絡み合おうじゃないか!?」


北さんはいつ着替えたのか道着姿で構えている。


筋肉の量、身長、体重、そして熱血度合いがまーさんとは真逆だった。


「うーーん……」


まぁさんは何か唸っている。


「どうした!?」


「いやぁ、道場で喧嘩ってなんかなぁって……そうだ看板でも賭けないか?」


「そうだな!! もし君が負けたらルシフェルのファンクラブに入会してもらうぞ!!」


「わかったよ、やる気が出てきた」


まーさんは北さんの前に立つと構える事もなく立っていた。


「なるほどなるほど……ふむふむ……ムムッ!!」


北さんは1人なにやら呟いている。


「イクぞ!!」


北さんが前に出るとまーさんも前に出た。


次の瞬間北さんの体は地面に倒れていた。


「な!? なにっ!?」


北さんはすぐに立ち上がると間合いを取る。


次はまーさんが北さんに向かって擦り寄っていく。


北さんは退がる事はせずじっと待っていた。


次の瞬間まーさんは北さんを吹き飛ばした。


なにが起きたのか分からなかったが多分殴ったんだろう。


「な……なんてやつだ……」


北さんは壁に座り込んだまま気を失った。


「看板もらうんですか!?」


「いや、いらん。 帰るか?」


そこに1人のお年寄りの男の人が入ってきた。


「おやおや、やられてしまったかい。 まぁ彼はこの道場で一番弱いからなぁ」


老人は楽しむ様に話す。


「それで若いの、私と立ち会わなくていいのかい?」


まーさんも流石に身構えていた。


「やってやろうじゃねぇか」


老人の前に立つと2人は睨み合ったまま動かなくかった。


どのくらいの時が流れただろう。


北さんが目を覚まして驚きの声を上げる。


「うぉっほ!!」


その声が合図となり2人は同時に動きお互いの立ち位置が逆になる。


老人はまーさんの方を向くとニコニコとしている。


しかしまーさんはお腹を押さえながら老人の方を向いた。


「おや、意識があるのかい? 驚いたね。 こりやぁ強い」


老人は嬉しそうに言っている。


「ふざけるな……こんな強い奴がじじぃだと!?」


かなりのダメージを受けているのだろうかまーさんは今にも倒れそうだ。


「今から北、お前でも勝てよう。 ほれ、やってみなさい」


北は飛び跳ねる様に起き上がるとまーさんの前に立つ。


祐樹はまーさんの前に立ちはだかろうとしたがまーさんに止められた。


「でもこんなの狡いですよ!!」


「気にするな、それが喧嘩ってもんだろ?」


まーさんはヘラヘラし始めた。


「おぉ、まだ元気がお有りかな?」


北さんが前に出ようとした時すでにまーさんは北さんを殴っていた。


しかしそれは祐樹にでも見えるくらい遅かった。


「全く効かないね」


北さんは太い腕をぶん回すとまーさんを吹き飛ばす。


両腕でガードはしたものの反対側の壁にまで飛ばされた。


「まーさん!?」


祐樹が駆け寄った時にはすでに立ち上がっていた。


「まだ立ちますか……まるで獣ですね……」


流石に老人も驚いている。


「……」


何も語らずにまーさんは前へ歩くと構える。


北さんは思いっきり殴りかかるがまーさんは北の目の前から消える。


北が振り向いた時にはすでに目の前にまーさんがおり、拳も見えていた。


次の瞬間まーさんは吹き飛ばされ、北の前には老人が立っていた。


「そちらの勝ちでいい……人を殺めてはいかんよ」


まーさんは壁で自分の体を支えフラフラと立ち上がる。


「俺の負けだ」


まーさんはそれだけ言うと倒れてしまった。


まーさんを寝かせると祐樹はお茶を淹れてもらい3人で飲んでいた。


「奴は強い!! そしていい筋肉を持っている!! 師匠、奴を道場に入れましょう!!」


「いやぁ、本人にその気は無いと思うよ。 それよりも高校生でここまで強くなるとはねぇ……」


倒れているまーさんを見ながら言う。


「あの……なんかすいませんでした」


祐樹は謝るが2人は笑っている。


「気にするな!! それよりも次のライブが楽しみだな!!」


目を輝かせて北が言うので祐樹は何も言い返せなかった。


「またか……まぁ良いか」


老人は嬉しそうに言う。


まーさんは目を覚ましたのか飛び起きる。


「おいおい!! まだ寝とけよ!!」


「いや、大丈夫だ。 それよりも約束は守るから安心しろ。 帰るぞ」


まーさんはそのまま歩いていくので祐樹も頭を下げると後に続いた。


「いいんですか!? アイドルのライブとか行くんですよ!!」


「しょうがないだろ? 負けたんだからさ」


「でもあの老人は反則です!!」


「いいんだよ。 俺だって負けっぱなしは嫌だからいつかぶっ潰してやるよ」


まーさんはそれだけ答えるとあとは何も話さなかった。


帰り際祐樹が挨拶すると後ろを向いたまま手だけ振っていた。


祐樹は何故か嬉しくなり1人帰路に着いた。



つづける?



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